練習生原稿58「3場面で異なるドリブル1:1練習法」 R2.12.20 LINE新着配信
ドリブルの1:1場面を思い描いてごらんといわれたら、皆はどんな映像を浮かべるだろうか?「1人がドリブルしてて、それをDEFが一生懸命守ってる」そんな場面を思い出す人が、おそらく多いのだろう。練習の仕方は、DEFからのハンドオフ(ごく短い距離で軽く手渡すパス)を受け、あるいは自分でボールをホールドした状態から、おもむろに(ゆったりと)ドリブルを始める。そしてガチャガチャと抜きに行く。そんなやり方が主流かもしれない。それはそれでいい。私もそうやることはある。だが……。
現実の1:1場面を、もう少し深く捉え直してみよう。大別すると(細かくいえば、他にもあるが)次の3場面に分けることが出来る。
①もうすでにドリブルが始まっていて、その状態からDEFを抜こうという場面
②パスミート(パスに自分から少しとびつくもらい方)の瞬間、あるいはほんの一瞬後、すぐにドリブルを仕掛ける場面
③自分が止まっている状態でボールをホールドし、様子を見ながら、DEFを抜きに行く場面
どれも、ドリブルでやっつけるという点で共通しているが、「似て非なるもの(似ているが違う)」であり、当然練習方法も大きく異なる。この辺をきちんと理解しないと、1:1の技術が思うほど伸びていかない。
①については、S.A.ドリブルドリルにおいて、最も練習時間をかけるものだ。「必殺!瞬間抜き」パターンの多くが、ここに含まれている。練習生原稿2「ファンダの深遠を知るレッグスルー」で説明した抜きの根本原理と4つの極意(原稿56配信済み、原稿41)を駆使して、自在にDEFを抜けるようになる。
根本原理 https://saschool-blog.com/?p=154 4つの極意 https://saschool-blog.com/? *分かりやすい一例https://saschool-blog.com/?p=385
②は、DEFを振り切ってパスを受けようとする時の話だ。このレシーブ瞬間にも、大まかに3つのケースがある。「自分の動きが速くて、DEFをわずか引き離している」逆に「DEFの動きが良く、自分がわずかに負けてるが、パスはぎりぎりもらえる」「自分とDEFがほぼ互角で、パスは十分もらえるが、即、抜ける状態ではない」ここでは、DEFに完全に押さえられ、パスを受けることが出来ない場面を入れてない。それはドリブル勝負以前の問題。ボディコントロールで説明した「Vカット等による振り切り技術」が、身についてない証拠となる。
「自分とDEFがほぼ互角で、パスは十分もらえるが、即、抜ける状態ではない」のケースでボールを受けたとき、まずやるべき事(考えねばならないこと)は、「シュートを狙う」だ。ボールを持ったら、どんなときでも基本はシュート狙い、DEFにとって最も嫌な行動である。多くのゲームを観戦し、それがおろそかにされていると、痛切に感じる。何でもかんでも打てというのではない。常に狙えと言っているのだ。DEFが上に(シュートに)注意するからこそ、下をドリブルで抜ける。ボールレシーブの瞬間、下ばかり見てドリブルをすぐ突き始める選手、多いよねえ。ヘボDEF相手なら抜けるだろう。だが、少しまともなDEFには、すぐ動作を読まれる。そして、Wチームの餌食となる。今述べたことは非常に重要だ。特別な理由でもない限り、是非励行してほしい。1:1をうまくなりたいならね。あっと、それから、大事なのはシュート率。狙ってもシュートが届かない、届いてもほとんど入らない。だとしたら、DEFはそんなの相手にせず、ドリブルだけ警戒する。だから、当たり前だけど、シュート練習をバンバンやらねばならない。「技術とは連動しているもの」それを忘れてはダメだ。みんな、1日に、シュート練習どれくらいやる?30分以下なんて話にならない。強くなりたければ、頑張ることさ。「自分の動きが速くて、DEFをわずか引き離している」場合は、レシーブと同時にドリブルで良い。体1つ分勝っているスペースを、インサイドフットターンで一気に抜きに行くんだ。わずかに負けてるケースでは、リバースステップを使ってかわす。これ結構難しい。以前、高校生の市内大会でやってる女子を見た。「へぇ~、珍しい」と驚いた記憶がある。全部状況に応じた動き方があり、練習法も変わらねばおかしいと理解できただろうか?レシーブでのクオーターミート、シュートセットなどは、普段練習で繰り返してるとおりなので、説明は省くが……。 *やがて後日、今回の内容に関し、より詳しいスポット解説原稿を配信予定でいる。→ R3.12.17ブログにて、②の大部分は配信完了。 キックとロール https://saschool-blog.com/?p=2210 R4.2.5 ボールを持ったら何する https://saschool-blog.com/?p=2378
③は、練習会であまりやっていない技術(卒業生何人かはやっている)。ここではフェイクスキルやスピードアップの予備動作が非常に大事。瞬間抜きでもフェイクはいくつか扱ってるが、ホールドからの1:1で、具体的にどう使用するかは、そう遠くない未来、実施することになるだろう。R4現在、スクール生のレベルアップに伴ない、そろそろ練習メニューに追加予定だ。 ホールド1:1 https://saschool-blog.com/?p=5212
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