バスケ配信  身長の遺伝否定論?と対策

バスケ臨時号 「身長に関する考察」   S.A. R3.11.22

多くのスポーツにおいて、身長を含む体格は、勝敗を決する重要な要素と考えられている。無論、バスケにおいては言うまでもなかろう。だが、女子バスケの町田選手のような例もあり、行き方次第では、小人属にも期待を持たしてもらえる。だからこそ、努力を惜しまず取り組めるのだ。天才という人種、生まれついての身体能力・背の高さ、そういうものは存在する。どんなにあがこうがどうしても勝てない、そんな人間は確かにいると思う。

一方で、そうした事実を安易に受け入れることを私は好まない。天才への憧れはあるし、本物に出会いたいと常々願っているが、その存在を真っ正面から肯定するのには抵抗があるのだ。とても微妙な感覚。凡人のひがみかもしれない。「凡人が何したって無駄だよ」と切り捨てられる場合もあろう。だが、私の中では、「才能も磨くもの」という意識が強い。少なくとも、勝ち負けや優劣を才能のせいにしてる人間より、ずっとましと考える。だからこそ、練習法や理論などいろいろ工夫し、これまでやってこられた。進化や退化は自然環境の影響を強く受ける。でも、「こうありたいと願い実行し、生活スタイルを変える」そんな中から発生することだって事実だ。それが出来るからこそ、知能の高い人類として存在価値がある。前を見て生きたいと思うのは私だけじゃないだろう。

さて、随分仰々しい冒頭であったが、今日話したいメインは「身長」のこと。スクールでも悩んでる生徒・保護者は多いよね。「身長は遺伝」という考え方は、世間一般に強い。そうくくればあっという間に話は終わる。でも、上述したように、面と向き合ってあがいてみようというのが本日の趣旨だ。ブログ配信3.10.23「スパコン富岳」で紹介した理化学研究所。そこの生命医科学研究センターゲノム解析応用研究チームが中心となり、東京大学医科学研究所、日本医療研究開発機構の共同チームが、日本人の身長に関する研究成果を発表した。専門用語が多すぎて生物学素人の私には難しすぎ。読んでる内に頭の中がカチカチしてきたね。これを読んでる皆さんも多分同じだろうと思う。だから、何とか読み取った内容を、極力難しいところを省いて、なるたけ平易に説明しよう。解釈が異なる可能性はあるが、了解の上読んでほしい

身長や体重などは、遺伝的要因と環境的要因が相互に影響しあって、個人の違いを生じるという特徴を持っている。とりわけ、身長は遺伝的な影響の強いことが知られており、欧米人の双子を用いた研究では、身長の個人差8割程度は遺伝的要因によって生じると報告されている。なんと8割!しかし、これまでの身長に関係する遺伝的要因の研究は、欧米人中心のものであり、日本人対象の研究は小規模なものに限られていた。そこで今回の研究では、日本人約19万人の遺伝子解析を行った。すると、573の遺伝的変異(遺伝上の変化という意味だろうが日本人の身長に関わることが判明、それらは全ての人に共通するものだとわかったようである。しかも、このうち64個の遺伝的変異は、過去の研究方法では検出が難しかったという。では、実際どんな遺伝子が身長へ影響しているのか?その結果、CYP26B1とSLC27A3という2つの遺伝子わから~んが特に影響の大きいことが明らかにされた。これらを含む100種ほどの遺伝的変異を解析すると、驚くべき事実が浮かぶ。身長を高くする効果のある遺伝的変異が、日本人集団では自然淘汰とうたを受けていた(なくなっていた)というのだ。これは、高身長が日本人にとって何らか都合の悪いことだった可能性を示している。その何らかの正体は不明だが……。

以上、報告レポートを読んでのまとめを、私なりに記述した。「何だ、やっぱり遺伝か」と言う前に、もう少し聞いてほしい。ここからは、私個人の見解が中心となる。前述の最後部分に登場した2つの遺伝子は、肥満指数であるBMIやコレステロール・中性脂肪値に影響を及ぼすと推察されてる。つまり食物の栄養や運動習慣等に関わりがあるということにならないだろうか?そして、「遺伝的変異が自然淘汰を受けていた」という事実は、進化ではなく退化したといえないか?原因は不明。ならば、何らかの環境変化(生活リズム・食生活・環境物質など)により進化へ向かうことだって期待できるかもしれない。安い期待かなあ? いろんな場面で話してるように、我々は無知の存在。世の中は謎だらけなのだ。諦める前にいろいろトライしてみたい。

ブンコーチ
ブンコーチ

追加で話しておこう。今日は、R4.4.18。つい先日、男子U-18全日本代表候補が発表された。計21名中、11名は200cm2人を含む190cm代。無論、160cm代のガードも2人いたが、驚くべきサイズ。日本人も次第に欧米化してきたんだなあと、感じずにはいられない。これはおそらく食生活が主因であろう。

もう一つ、データを載せておこう。「身長が伸びる」のは、背骨と脚の骨が伸びるからである。つまり、骨を伸ばすことが重要で、それを妨げる行為は避けたい。昔から耳にするのは「正座」。正座をすると、足が短くなるとかいわれるが、「これは全くの嘘」という医療関係者もいる。一方で、骨端線への圧迫等が原因となり、成長に良くないという考え方もあるようなのだ。古い話だが、大学生の時、講義で「バスケ選手は、背が伸びやすいは真実か?」という話題が出た。教授の結論は、元々大きめな選手が多いだけという答えだった。知人の医療関係者によれば、サッカーのように常に膝を曲げ気味で動くスポーツは、背が伸びにくい。逆に適度にジャンプする機会の多いバスケ型スポーツは伸びやすいという。いずれの結論にせよ、数十万人の実証データを取ることなど不可能に近い。正座に言及すれば、姿勢を正しゆがみをなくすなどの効用も考えられる。だが、常態化する危険は排除できないかも……というのが私の結論。

下表を見てほしい。身長に関して研究してる専門家や厚生労働省などの資料を基に作成した。数値は研究結果得られた平均的な値。特記事項は、主に私の意見だ。

最後に、身長を伸ばすための手段を幾つか箇条書きしてみる。但し、これらが絶対的方法かと聞かれたら、そこまでの自信はない。参考にしてもらえれば幸いだ。

牛乳を飲む習慣作り。小パック1~2個を毎日飲む。「たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミン」がバランスよく含まれている。食品として生命活動や健康維持に大切な役割を果たしている。たんぱく質、脂質、炭水化物は、体をつくる基本的な3大栄養素。活動するためのエネルギー源にもなる。ミネラルとビタミンは、その働きを助け、体の機能を調節するんだ。生命活動の維持、健康な生活には5大栄養素を上手にとりいれること。牛乳は、私たちに必要な栄養素をもたらす非常に優れた供給源だ。ただし、大人は飲み過ぎ注意。

②動物性タンパク、肉・卵・魚、とりわけ肉や卵は毎日欠かさず食べたい。細かな食品の話全部は出来ない。そこまで詳しくないし、品目自体多すぎるから。よく聞くのは、2日間の食事で、30品目食べるというもの。大雑把だが、目安にはなるだろう。要するに5大栄養素を食すということである。大人になったら、肉食はほどほどに。

③夜食として、タンパク質系のものを少し摂る。プロテインなどでもいいんじゃないか。

睡眠時間と質。成長ホルモンにより身長が伸びていく。ホルモンはいつ分泌するかというと、それは「その夜最初に訪れた深い眠りの時」。成長ホルモンの分泌しやすい環境作りが必要だ。私たちが眠っている間には、「メラトニン」という睡眠ホルモンも働くという。心身をリラックスモードにし、自然な眠りを促す働きをするようだ。余談だが、このメラトニン、強い抗酸化力を持っていて肌の張りにも影響するらしい。成長ホルモンは大人でも出ている。疲労回復・細胞の修復などを正常化する。また、成長ホルモンは、メラトニンによっても分泌が促されるので、メラトニン分泌量が多くなる深夜1〜3時に、深い眠りの訪れる状態をつくる事が望ましいという。そのためには、日付が変わる0時までには就寝し、7時間程度眠るのが理想的。(小学生はもっと早めに寝なよ)

⑤正座したまま後ろに倒れるストレッチ法をやってみる。大腿四頭筋を伸ばすことで血流が良くなり、むくみなども解消される。背を伸ばすため必要な成長ホルモンを促す効果が、期待できるらしい。単なるストレッチとしては今までにやったことがあるかもしれない。寝る前に試してみてはどうだろうか。

やはり、食生活を改善し生活スタイルを見直すのは、「身長を伸ばす」重大要素である。
*ジャンクフードばかり食べたり、極度に好き嫌いしたらいかん

母H
母H

栄養の重要性は改めて認識したけど、どのくらいの量を摂取すればいいのかしらねえ?

ブンコーチ
ブンコーチ

経験上の話をしようかね。例えば牛乳。昔、WJBLの一流センタープレイヤー2人に聞いたことだが、確か1Lが1~2日でなくなると言ってた記憶があるぞ。また、教え子188cmは、毎日、大皿に山盛りの野菜を食べてた。他校女子には、1日に卵を5~6個食べるという生徒もいた。背だけでなく、とても筋肉質だったなあ。ただ、これらは、確かな比較実験データじゃない。だから、真に有益なのか逆に害はないのかまではわかりかねる。その辺の詳しいことは、栄養士などのプロに相談するといいだろう。最近では、背を伸ばすのに有効などというサプリも幾つか出ているが、私は実際の使用例を知らないので、安全性を含め薦めるわけにもいかない。また、大人が前述のような食べ方したら問題が出る。でにも考慮しながら、いろいろ試してみればどうかなと思う。 参考に https://saschool-blog.com/?p=2673

コメント

  1. ねむねむさん より:

    私には、バスケットボールの経験がありません。
    子供がバスケをしたいと言った時に、背が伸びるのかなぁと、心配しました。
    今も、高くもなく低くもなくというところです。
    技術的に、なにか手伝えることはできないけれども、せめて食事くらいは気を配ってみようと思いました。
    四つの方法。やってみてます。
    出来れば睡眠時間を、もう少し取りたいです。

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