練習生原稿90「S.A.キラーパス数種と使用実践」 Sugi Academy R4.5.21
実際の試合のいろいろな場面を想定し、パスの練習をすることは大変有意義である。まあ、それはパスに限ったことじゃないのだが、キラーパスとなると、ほんの一瞬におけるひらめきにも似たパスに近いゆえ、ゲームで使いこなせるまでには時間を要する。だからこそ、かなり意図的にドリル場面を準備し、反復するのだ。数十種類用意されてるが、実際の試合場面で見られたナイスパス例を始めとし、2~3のドリル例を今日は紹介しよう。
上級者には、数年前からキラーパス使える生徒がいたけど、下級生にも3人くらい出てきたねえ。まだまだ、使用場面が十分とはいえないが。キラーとまでいかなくても、普通にアシストするレベルのパスなら、かなり目に付くようになったのも確かだ。
試合中、小5女子 スクール生が見せたキラーパス *他チームの選手個人情報を含むため、動画公開できないのが残念
○Bが青→ のように、スクリーンをかけにいく場面(図1)。AのドライブにDEFが反応し、追ってくる。そこへ、○BのDEFがWチームを仕掛けてきた。きちんとしたやり方を習ってあったようには見えないが、ドリブルでやられる危険性を感じ取り、2人で守るのがよいと子供なりに判断したのだろう。それが図2である。不正確ではあるが、その昔「スイッチアップトラップ」と呼んでいたDEF技術に近い。今風に言えば、「ブリッツ」という。かなり高度なDEFで、小学生が容易に出来るような物じゃない。でも何となくやってきたのだ。
話しついでなので、もう一つ説明しようか。このブリッツ、スクリーンドリブル直後を急襲するため、ドリブラーは慌てふためいてミス、あるいはボールを取られることが多いんだ。(だからといって、小中学生がすぐマネするのは厳禁)これを破るには、ドリブラーがリトリートしながら(後ろへ下がるドリブル)、ショートフックパスをインサイドに放り込む。このスキルは、ストレッチ ザ トラップという。これまた、高校生上級レベルの技術だ。あくまで、話しついでに説明しただけ、くれぐれも小中生、マネしないでね。さて、なぜやってほしくないような技術を説明したのか? そのわけは、○Aの対応方法を理解してほしかったからだ。それが図3である。2人目のDEFが見えた瞬間、A は左ドリブルからすかさずバックチェンジ、ボールを右手に持ち替えた。それも、ストップの際、1歩ステップバックしながらである(来た方向に戻っている)。図中の青→とピンク実線。これだけでも褒められる対処だが、極めつけがその後のパス。ステップバックで出来たDEF左肩上の狭い空間に、キャッチ即プッシュパス(正確には、プッシュとサイドハンドを掛け合わせたカスタムパス)をピンク点線→のように放り込んだのだ。狙いはゴールカットする○B。彼女もまた、フィードを信じて走っていた。そして得点。録画近所にいた父親達からは、「ウ、ウ、ウオッホ!」というわけわからん歓声。無理もない、動きやパスの種類こそ違え、高校生でも滅多見られない「ストレッチ ザ トラップ」に酷似したプレイを目の当たりにしたんだから。NBAゲームでは時折出てくるケースだね。こんなパスは教わらねば出来ない。さりとて、教わればすぐ出来るという物でもない。教えと学びが見事融合した結果といえよう。望ましい成果である。
実践例はたくさんあるが、比較的易しいのを2つ紹介するので、練習してみたらどうだろう。但し、パスのファンダドリルを身につけてからだ。レシーバーの動きが重要も忘れずに。
R3.5.6配信ブログ「小中高生が優先的に学ぶパス」に、パスの使用別解説がある。まずは、これを身につける。前出のAだって、かなり練習している。Vカットなどのレシーブも再認識しよう。
Rome is not built in a day.「ローマは1日にしてならず」昔より残る言葉には、深い意味が息づいてる。
優先的に学ぶパス https://saschool-blog.com/?p=1259 レシーブ技術 https://saschool-blog.com/?p=1910 *他にも関連記事はあるので、必要に応じてみてほしい。
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