バスケ配信  ユーロステップ 本質とS.A.流活用術😎📷

練習生原稿特別号「ユーロステップの原点と今」       Sugi Academy R7.4.18

ブンコーチ
ブンコーチ

R3.11とR4.8に、ユーロステップの解説をした。それから3年前後、世間にだいぶ浸透したように思う。動画も似たようなのが山ほど検索にかかる。中には、「もう当たり前の技術で何ら難しいものじゃない」なんて言い放つサイトもあるね。まあ、上級レベルにはそれほどじゃないだろうが、普通レベルや育成年代にとっては、決して易しくはないぞ。そんな認識を正し、動画で紹介されてる映像だけのモノマネの危険性にくさびを打ち(注意をする)たくなったんだ。 0ステップとユーロhttps://saschool-blog.com/?p=2173  ユーロステップを見直す https://saschool-blog.com/?p=3274

ユーロステップを語る上で、エマニュエル・ジノビリの存在は抜きにできない。ユーロのような変則ステップの神ともいうべき存在で、優れたボディバランス・シュート・パスと超一流だ。彼の総合的スキルに関してはまたの機会に譲り、今日はユーロの始祖しそ(始めた人)としての彼を捉えてみたい。ジノビリがNBAスパーズに入ったのが2002年、それまではイタリアでユーロリーグにいた。ユーロリーグでジノビリステップをどれほど多用したのか、NBA加入後いつから0ステップを併用したユーロを使い出したのか、いずれも詳しくは知らない。だが、彼の持ち込んだジノビリステップがNBAに広がり、0ステップと組み合わせた改良型のユーロステップを生んだのだろう。今ではユーロステップの代名詞ともなってるジェームズ・ハーディン、彼のNBA入りはジノビリの6~7年後である。0ステップというルールがNBAルールブックに明記(はっきり記す)されたのは、意外に新しいこと2019年だ。だが、かなり古い時代から、0ステップの考え方は認められており、審判もトラベリングとはしなかった。もちろん、間違ったステップはアウトだがね。

トレーニングにより次第に上手くなるが、初期の内はかなり難易度高い。動画では、改良型の0キャッチユーロをやっている。

ジノビリステップ動画を見てほしい。ここでは左ドリブルで進み右足で0キャッチ左足1、方向変換し右足2と踏んでいる。足腰への負担・ケガの問題もあるが、シュートが難しいんだ。左ステップなので左手シュートが自然。ジノビリは、右足でしっかり床を蹴り、身体をうまくゴール方向に持って行ったが、スピードを上げ同じことを小中生がやるのは、筋力的にかなり厄介やっかいだ。だからといって、右手シュートすればバランスが悪く、ほぼシュートミスになる。「ジノビリステップは難しい」という理由だね。

母 S
母 S

今日の練習を見ていると、ジノビリステップでもバランスを崩さず、シュートステップとシュートハンドが逆でも、上手く対応してる生徒が多かったわね。特に中学3年生は、上手にこなしてたわ。けれど、ドライブの角度やスピードによっては、明らかに打ちにくそうな場面もあったわよ。

さすがユーロの第一人者、素晴らしいプレイ。何気なく見てはダメ、右の文をよく読むんだ。

次の動画は、ジェームズ・ハーディンの0ステップユーロだ。右から来たパスを受け左手でワンドリブルした。そしてその直後右足で0キャッチ左足1、大きく方向を変え右足2 とステップし、左手でシュートしてる。見事なボディバランスだ。踏切位置はかなり遠いし、ジャンプ方向もやや左横気味ぎみとなっている。これと同じ状況で、小中生がシュートを決めることができるだろうか?無論できる選手はいるが、筋力的にもバランス的にも容易じゃない。だからといって、右手でシュートすればシュートステップと逆になり、シュートは外れやすい。ハーディンのドライブコースがもっと右寄りなら、さらにシュート難度が高まる。

つまり、ジノビリステップに0ステップを加えても、1から2で大きく方向転換する「ジノビリ型ステップ」でフィニッシュする以上ユーロは小中生には困難な技なのである。ドライブコースによってシュートが比較的楽とか極度に難しいなんて問題もある。また、ハーディンを始め多くのNBA選手が、0キャッチ直前にボールを反対側へ移動する。たとえば右ドリブルしていてラストドリブルを左に動かすんだ。そして直後に右足で0キャッチする。「なぜそんな動作をするのか?」2つの理由があるとブン爺は考えてる。だが、身体能力・シュート難度・ケガ(前十字靱帯断裂等)の問題も含め、このような視点に立つYouTube動画は殆ど見かけない。そんな現状を理解せず、YouTubeに飛びつき真似まねをする選手・そのまま教える指導者、ブン爺の危惧きぐ(心配)が伝わるだろうか?

ハーディンのStepとS.A.流の違い

先ほどのハーディンユーロ、左足で1を踏んだ場面だ。S.A.流は、この左足が0となる。S.A.では、左ドリブルの場合、グッと左に押し込んで0キャッチ後、急角度(約120度)で右にコース変換、右足1左足2と踏むステップを「ユーロ基本型」としている(右ドリブルからならすべて逆)。シュートステップとシュートハンドの矛盾が起きず、バランスがとりやすくシュート確率が良い。また、動作そのものがドライブの「瞬間抜き」と全く同じゆえ、違和感なくステップが低くなり、0キャッチ時のトラベリングミスを軽減しやすいのだ。

父 J
父 J

S.A.ユーロ基本型を右ドリブルから仕掛けるときには、DEFの右側に右足を踏み込む。ここで0キャッチし、左方向へ跳ぶんだね。これと似てるけど、右ドリブルから左足をDEF正面に踏み込んで0キャッチする。その後、右足を左側にクロスステップして右1左2と跳ぶのもあり、スクールの練習メニューに入っているんだ。これNBAではSwing step」と呼ばれるらしい。でもS.A.流に見ればクロスステップユーロでいいんじゃない」って、ブンコーチが言ってたよ。確かに、DEFのスイングステップとまぎらわしいよね。

H
H

クロスステップユーロ」では、ユーロ基本型とは異なり「瞬間抜き」のように押し込まないわ。だから正面に踏み込んだ0キャッチの時、基本型に比べ姿勢が高めでしょ。すると、ボールの右→左(左→右)移動で、DEFにボールを取られやすくなるわ。ボールのプロテクション(守ること)にも、より注意が必要ね。

これまではS.A.流を進めてきたが、ジノビリ型ステップ・様々な進化形ユーロに関しても、もう学ぶ時期に来てはいる。既にいくつかはドリルし始めた。S.A.型ユーロ変化形やNBAタイプユーロなども、追々練習する予定だ。また、ユーロステップに限らず、スピンレイ・ジャンリバ・ツーフットレイ・プロホップ(ギャロップ)などにおいても0ステップの原理がとてつもない影響力を持つ。この機会に改めて0ステップの認識をしっかり身につけよう。

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