パリオリンピックの話題から R6.8.19 LINE新着配信
好ゲームが期待された準々決勝、セルビアvsオーストラリア。ブン爺は、見始めが遅れ2Q途中から。すると、オーストラリアが大量リードしてる。「えっ、なぜ???」 序盤はシーソーゲームだったが、一度ベンチに下がったパティ・ミルズが再登場すると、2Q残り7分までに14得点と大爆発。他選手の活躍もありオーストラリア代表が44-20の大量リードとなったらしい。しかし、大量リードもその後のセルビアの追い上げも、ブン爺には全く事態が把握できない。セルビアの追い上げを見る限り、引き離された理由そのものが意味不明だった。「いいプレイしてるじゃん」と独り言。
そのからくりはずっと後に分かった。大量リードされた直後のタイムアウトで、セルビア代表のペシッチHCの不満が爆発。「ミルズはフリーショットを何回決めたんだ?君たちはただ見ていただけだ。1つのファウルもしないのか?勝ちたくないのか?どうやって勝つか、ファウルするくらいフィジカルにディフェンスするんだ」と。その後奮起したセルビア代表はヨキッチを中心に盛り返し前半を42-54で終える。そして後半もディフェンスの強度を保ち、3Q 25-11と逆転に成功。4Qで追いつかれ延長戦に突入したものの無事95-90で勝利を収めた。これがおよその展開である。
この勝負を通じて、皆さんに提起したいことが2つある。前半のセルビアDEF、直に見てないのだが、HCの言葉から察するにかなりルーズだったのだろう。檄を飛ばされ、強い気持ちが生まれた。元より地力はあるセルビア、NBAのMVPヨキッチだっている。そんなチームでさえ、メンタルに問題を抱えれば酷いゲームになるし、思い次第では180°逆にもなるという事実。世界トップクラスチームの選手達でさえ、例外じゃないんだ。
そして2つ目は、パティ・ミルズ。マイアミヒート所属の183cmPG、じき36歳となる。スパーズで長くやっていたNBA14年のベテランだ。NBAで長く生き残ること自体凄いが、スタッツそのものは決して目立たない。平均出場時間は長くて20数分、平均得点は多くて10点前後、アシストやスティールが図抜けてるわけでもない。この2シーズンはさらに衰えが目立つ。MVP男のヨキッチとは比べるべくもないのである。
この試合において、セルビアの得点はヨキッチの21点が最高、ミルズは両チーム最多の26得点を挙げている。終了間際残り2秒でミルズの放ったフェードアウェイジャンパー、ブロックに出たヨキッチの指を僅かにすり抜け、ゴールに吸い込まれた。これは本当に痺れるプレイだったなあ。「爺さんは何を言いたいのか?」NBAの土俵では比べものにならない両雄の対決。互角とはいえない、でも十分ミルズは対抗できてた。こうした結果はどこから生まれてくるのだろう?察するに、母国代表として優勝目指す誇りや使命感のなせる技と、容易に想像がつく。年齢的にもう後はない、最後の大舞台に恥じないプレイをしたいと心底感じてたのであろう。「環境次第で人は大きく変わるもの」という教訓でもある。
短期決戦にかける世界最高の舞台オリンピック。大活躍する選手達の姿に、心の動きを見た。ブログでよく引き合いに出すNBAレジェンド ラリー・バード。彼の言う「最も難しいのはメンタルなんだ」という言葉、改めて痛感する好ゲームだった。
コメント
サイズを気持ちが凌駕する。
サイズがない選手たちに見倣って欲しいですね。勿論、スキルがないことには始まりません。
でも、気持ちを作ること、これも大事なスキルですね