2年前の原稿である。話題に取り上げてる例は、些か賞味期限切れ。内容的にも辛口なので、アップを迷った。だが、年度が替わり新たにバスケを始めた生徒、じき中体連が終え新チームを迎える生徒も多かろう。諸々考慮し配信を決意した。
練習生原稿16「スキルを磨く上で心すべきこと」 Sugi Academy R1.9.14
バスケットボールは、「走る・跳ぶ・パワー勝負する・守る・シュートする・ドリブルを突く・パスする」といった技能・技術が、総合的にバランス良く必要とされる競技である。したがって、他稿でも述べたように、選手の誰もがそれらを鍛えねばならない。多少の得手不得手(とくいふとくい)やポジション特性の違いに起因する技術力の比重(Gはボール運びがよりうまく、CはRebがより強いなど)に幾らか差があったとしても、基本は「誰もがドリブルでき、パスもすれば、シュートも入る」というのが必然なのである。
ところが、現実はどうだろう?「センターはドリブルしなくていい、外角シュートも要らない」「お前は小さいんだから、中へ入っていくんじゃない」などという指導が、未だに多く見られないか? このような指導法は、限定的な一面だけ見れば間違いともいえない。個人が持つ背の高さ・スピード・巧緻性等の特性をより有効に使用できるからだ。だが、それは、その子に最も合う技能に特化した訓練のみを課す練習法であると、換言(言い換える)できよう。
つい先日終えた(原稿執筆時)バスケワールドカップ。FIBA(国際バスケットボール連盟)は、世界的に競技人口が多いバスケットボールをさらに発展させるべく、今大会から大幅な改革に取り組んだ。話題性を重視し、サッカーW杯との同年開催を避けて会期を1年遅らせ、大会規模をこれまでの24から32カ国に拡大した。予選もサッカーW杯と同様に、ホーム&アウェーにすることで自国のファンが代表チームを応援できるように、普及にも力を入れた。そんな中、日本代表(世界ランク48位)は予選を勝ち抜いて、本戦出場を果たした。
NBAドラフト一巡目9位でワシントン・ウィザーズから指名された八村、メンフィス・グリズリーズと2ウェイ契約を結ぶ渡邊、NBA経験を持つファジーカスら”Big3”の参戦により、今までにない高さと戦力が揃った。「過去最強」といえる日本代表は、W杯でどこまで戦えるのか、期待はいやがうえにも高まった。だが、同グループのトルコ(FIBA世界ランキング17位)、チェコ(24位)、アメリカ(1位)は、いずれも日本より格上で、ヨーロッパのリーグやNBAで戦う選手を揃える強豪国ばかり。そう簡単にはいかない。結果は、順位決定戦含め5戦全敗(順位決定戦は八村離脱)。
ある解説者が言う。「他のメンバーが彼らに追いついていない」と。Bリーグでは、背の高い外国人センターに頼り、まずはインサイドにボールを入れるという考え方が、まだまだ支配的とみているようだ。解説者曰く、それは「古くさいバスケット」であり、現代バスケでは、全員がスリーまでをも打てねばならないと主張する。こうした意見は、私が数十年来言い続けてきたものでもあり、私自身には何の異論もない。 大好き3Pシュートと課題 https://saschool-blog.com/?p=2255
大きく話題転換するが、少しおつきあい願う。現在(原稿執筆時)、日本は韓国と大げんか中だ(表現が適切か不明だが)。そこで起きてるのが、韓国人観光客の激減問題。特に、ひどいのが九州地区。観光客に占める韓国人割合が50%を越えるという土地柄だけに、あちこちで悲鳴が上がっているようだ。以前TVでも、長崎県対馬市の観光現状を見たことがある。ほとんどが韓国人で、釣りや登山などを楽しみ、韓国資本によるショップで免税品を手に入れるのが流行だと……。釜山から僅か50kmという立地ゆえ、国内旅行の乗りで来る人が多いと聞いた。そして、対馬の人たちは当然、韓国人相手の観光手段に頼った経営をする。ところが、客足が一気に途絶えた。もう死活問題なのである。対馬には、遠い鎌倉時代から残る「元寇の歴史」という文化遺産もあるはずなのに、そういった方面の整備や観光誘致の傾向はあまり見られないらしい。古くからの韓国交流に偏った観光システムから離れ、視野を広げる対応が不足していたようだ。これは対馬に限らず、九州全域にいえることかも……。(佐賀県のタイ人観光客誘致案などは別) *ここに記述したのはTV放映内容であり、実情との整合性まではわからない。
「特化する」メリットとデメリットを見直すべきだ。バスケに話を戻せば、Cしかできない人よりPFもできる方が役立つ。NBAで輝かしい足跡を残したコービーは、最高のSGであったが、SFでも力を発揮できるスイングマンである。トップチームと小中学生が全く一緒とはいえないが、「育成」の考え方は等しい。より多くの技能を広く習得することが望ましいのだ。
現代バスケでは、世界中でドライブ技術の発展が凄まじく、その効用が大きく取り上げられている。にもかかわらず、日本では「パスにこだわり続ける」指導者がまだまだ多い。私がNBA型のドリブルを県内に広めたのが、約40年前。そこから逆算すれば、50代以上(R元年時点)の人たちの多くは、「古いパス主体のOFF」を教わっている可能性が高い。だから、指導法にも偏りが出やすいのだろう。古くとも「いいものはいい」。だが、九州観光の例もある。視野を広く持ち、時流に媚びず、なおかつ理論に整合した指導を、常に求めねばなるまい。
私は背が高かったので、小学からずっとCをやっていたんだ。ドリブル練習、全くやらなかったんじゃないけど、少なかったし苦手だった。それでも、高校まではCとして、まあまあいい線行ってたんだよね。大学でもバスケ部に入学(関東2部リーグ)し、はりきっていた。でも、現実は……。私程度の身長はゴロゴロいたんだ。Cなんて全く通用しない。だからといって、今更外回りのプレイを磨いたところで、全く手遅れ。悩んだあげく、プレイヤーを断念した。年取ってもバスケは好きで、今も続けている。そんな経験したので、ドリブルに凄く興味あるんだ。上手くはないけどね。みんな、スキルを広く学びなよ。 ある男性の実話
B中学のCやってる人、やたらドリブル上手いんだよねえ。小学校では小さかったので、PGだったという話。だからボール運びが出来るんだわ。「Rebからガ~って持ってくる、すっごい嫌」ちょうど、上のお父さんと逆のパターンだわ。
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