バスケ配信  ボールを持ったら、まず何をする?

僕が小学生の時、さんざん言われたことを紹介する。「パスを受けたら、まずシュート」これだ。そりゃあ、ゴールから遠すぎる場合とか、幾つかの例外はあるけどね、基本はシュートを狙うことさ。なかなか出来なくて、随分ずいぶん叱られたっけなあ。今日は、それをBunコーチが解説してくれるって。中級レベルの選手まででは、出来てない人が圧倒的に多いと、コーチが言ってたよ。上級レベルのプレイヤーになるための大きな条件なんだろうね。

練習生原稿54「シュートへのアプローチ」       Sugi Academy R2.10.31 

シュートのあり方について、どのように臨むかという内容である。シュートは「どこで・いつ」打つと良いのか?大事な話題なのに、あまり指導されてないように思う。S.A.ではシュートを大きく3種に分類している。ランニングシュート系・ジャンプシュート系・コンボシュート系(前者2つの中間的シュート)だ。シュート場面によりDEFとの対応方法が変わるので、例えばジャンプシュートといっても、その打ち方は様々である。だから、私の知る限り総計では90~100程のシュートがあるだろうか。それらの具体は、練習会で追々おいおい紹介している。 初・中上級が覚えるべきシュート https://saschool-blog.com/?p=971

今日の話題の中心は、シュートの種類ではない。打つ場所・タイミングである。まず、「どこで」を考えてみよう。ゴール近辺でシュートする方が確率の良いことは、すぐ理解できる。ピボットマンという語に名残なごりがあるように、昔のバスケではゴール下にいるでかいC(センタープレイヤー)にボールを預けて得点するのが主流であった。カットインだって、DEFをかわしてノーマークで打てればほとんど入る。つまり、シュートする場所は、可能な限りゴール近くがいいのだ。だからこそ、いかにしてゴールに近づくかという練習を一生懸命やるのである。だが、ここに大きな問題が浮上する。「ゴール下がいい」という事実を知っているのはDEFも同じ。ならば、できるだけゴール近くに密集して守ろうと考える。すると、なかなかOFFはゴールに近づけない。かって私が若者だった頃、日本バスケに興味を持てなかった主因がこれ。ゴールに近づこうとしすぎ、シュートチャンスを失う場面があまりにも頻繁ひんぱん。無論、ドリブルやパスの単調さも気になったが、「なぜ、シュートしないんだ?」と、何回も感じたものである。これはサッカーにもいえた。当時の日本サッカーのレベルは今とは比べものにならない。

距離が伸びれば、シュートの困難度は上がる。シュート率の低い選手が、外からポンポン打つのは問題だ。しかし、「中を攻める重要さ」を大切にしながらも、外角シュートの必要を十分理解せねばならない。「入るようなるまでトレーニングする」のである。3.12.31配信「大好き3ポイントシュート」で述べたように、バスケ界全体の意識は大きく変わったが、育成低年代の選手達には、まだまだ重い課題だろう。https://saschool-blog.com/?p=2255

次は「いつ」について説明しよう。ボールを持てば、すぐシュートしてしまう。あるいはドリブルしようとする。前者は比較的少ないが、「すぐドリブル」は結構いる。プレイの流れという考え方は大切だ。当然、「勝負」という瞬間があれば、「2~3本パス回して我慢がまん」という時もある。だから、むやみやたら攻めれば良いというわけじゃない。あたかも、ドリブルにおける「緩急の変化」が重要なことに似ている。

しかしだ。それらを承知の上で、あえて言いたい。「ボールを持ったら、すぐゴールを狙え」と……。DEFとのやりとりの中でするものなので、例外的なケースはある。それは、練習会の中でも伝えている。だが、原則はゴール狙いなのだ。シュートこそが最優先されねばならない。得点になるからである。ボールをホールドした瞬間、パスする味方を探し始める選手は何の脅威きょういもない。のみならず、視野が狭いためスティールに飛び出す選手に気づけない。すぐドリブルに入る選手は、攻め方をたちどころに読まれる。少しうまいDEFにとってはごく簡単なこと。絶好のカモとなる。こちらも下ばかり見てるので、Wチームの餌食えじきだ。勘違いしないでほしいのは、「持ったらすぐ打つ」ではない。すぐゴールを狙うである。実際に打つ方が良い場合もあれば、パスに切り替えたりドライブに変更したりも割と多い。ごちゃごちゃとボールを動かすようなフェイントは不要シュートを本気でセットする。それこそが最高のフェイントになり、強靱きょうじんなDEFをやっつけるための選択肢を増やすことに繋がる。ボールを縦に動かすポンプフェイクは、ゴール下での武器。外回りではほとんど無用である。

どこで、いつ」シュートするかを、シュートセレクション(シュート選択)という。シュートは入る確率が低くちゃダメ。当たり前だ。せめて1日100本くらいは練習したい。だが、練習でいくら入っても、試合で貢献できるとは限らない。実戦さながらのスピードで練習すること、そして適切なシュートセレクションを身につけることは必須事項である。

現代バスケでは、でかい奴もアウトシュートが入る事を要求されるようになった。その傾向はハイレベルのチームほど強い。小中生は「入らないから打たない」というのが現実。でも、その概念を崩さねば、一流への道はないと知ろう。「シュートを狙う」という意識改革だ。日本のトップチームにも、やっとそういう理解が浸透・定着してきた。だが、下部組織に於いては不十分。40年という長い変革の道、なかばにある。

ブンコーチ
ブンコーチ

ちょっと厳しい言い方だが、聞いてほしい。チーム利益を優先し、特定の子のみにボールを運ばせたり、シュートを打たせたりする、それは間違いである。状況次第でそのような場面はある。だが、常日頃においては、誰にも多くの練習機会やトライを保障せねばならない。さもなければ、その選手の可能性の芽を摘んでしまうからだ。とりわけ育成年代において、「下手なんだからドリブルするなあ」「おまえはシュートなんか打つんじゃない」など、平然と暴言を吐く人は、指導者としての進退を考えるべきである。

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