バスケ配信  皆の苦い経験、「プレス」を粉砕

練習生原稿70「プレスDEFなんか怖くない」    Sugi Academy R3.3.22

試合中、DEFが前の方からベタベタ張り付いて、ボ-ルを取りに来ることがある。こうした激しいプレッシャーをかける守り方を、プレスという。基本的に、ゲームの流れを変え主導権を奪いたい時に使われ、OFF力に何らかの欠陥がある場合有効である。守る力が貧弱なら、そもそもプレスなどできない。1:1DEFがある程度育ってこそやれる技術だ。ただ、防御技術がさほどでなくても、DEFリズムの変化に耐えられずOFFのミスすることも期待でき、意外に効果の出る場合がある。OFFが十分鍛えられてないと、簡単に混乱する。しかし、所詮しょせん「ごまかし」は長く通用しにくい。本質的には個人DEF力がベースだ。プレスを破るためには、タイプ別に対応の仕方が異なるから(種類が幾つもある)その理解は必要。だが、プレス粉砕ふんさいに要求される技術は共通している。今日の原稿では、そこを説明しよう。

ブンコーチ
ブンコーチ

プレスは個人DEFの応用技術、チーム戦術でもある。仕掛ける位置・タイミング・その速さや強さ・トラップとスティール連携など練習要素は多いが、「インラインとストリクトDEF」が基盤だ。そこにゲーム展開の読みが加わる。今日は「破り方」の説明。ただし、チームとしてのプレスOFFではない。プレスに対抗するのに必要な個人スキルである。また、守り方の解説は別の機会を待とう。プレスDEF https://saschool-blog.com/?p=5387

なお、プレスされると、スローインでミスすることが増える。その際の「DEFを振る方法」については、2020.12.8配信「最優先動き作りドリル」2021.2.4配信「ボール運び個人技術」などでふれてるが、その内、Spot解説で取り上げることもあろう。

具体的に必要となるスキルは何か?


最も重要なのは、「怖がらない」ことである。しかし、技術力の低い選手に、怖がるなと言ってもそれは無理。試合場面を思い出してほしい。怖くてつい歩いてしまう、トラベリングしないよう必死でこらえて身体がのけぞる、顔色が青ざめてる、そんな光景が目に浮かぶ。勝負事というのはすべからく同じだ。相手の力に飲まれたらもう、勝負はついてる。強きハートが求められよう。ただ、その裏付けとなる技術が必要だ。それは次のようなスキルである。

①相手のプレッシャーに耐えながら、ドリブルを突き続けることができる。DEFを抜くというのも含め、主として取られないようキープできる技術だ。しっかり練習すれば、1:1で簡単には取られなくなる。もちろん、練習法次第では、2人のDEFからでもしばらくボールを守り続けられる。 詳しい練習法 ttps://saschool-blog.com/?p=2063


②ドリブルできない場面もある。そんな時の必需品がピボットだ。2021.3.9ブログ配信「T中戦……、ターンとピボット」を見直してほしい。本当に便利な技術である。私は大好きだねえ。これを極めると、2人掛かりのDEFにも耐えられるようになる。つまり、プレスDEFでWチーム(2人ではさむ)されても、ボールを取られないことが可能になるのだ。 ターンとピボット https://saschool-blog.com/?p=1013

③最後に気をつけたいのは、「視野の確保」である。(視野については原稿28、2021.4.12配信ブログで詳説)目の前にDEFがいるので、どうしてもそこだけに気を取られ、周り全体を見る事ができなくなる。しかし、Wチームに来れば、他は4:3なんだ。見えてればパスできるかもしれない。1:1でプレスされてるときだって、周りを見てないと捕まえに来る2人目DEFやパスカットを狙ってるDEFの確認ができない。その上手さは、①②をどれだけしっかり身につけたかで 差がつくことを忘れないように。 視野 https://saschool-blog.com/?p=1191

S.A.の「必殺、瞬間抜き」でも言い続けてる「低くて速いドリブル」。実は、プレスDEF対策にも大変効果的。高いドリブルはカットされやすい、弱いドリブルもそうだ。つまり、ボールが手を離れて、空中にある時間が長いほど、カットの危険度が増す。もう一つ忘れてならないのは、ボールの移動。中上級者でも、これ、余りよくわかっていない。同じ位置で3~4回ドリブルすると、DEFの目が慣れ、少し技術のあるDEFならボールを狙ってくる。「どうしようかな?」と考えてる間にボールをスナップされる。だから、低く強く突くだけではなく、ボール位置を止めないことが重要なんだ。ドリブル中に考える場面もある。そんな時は、オフハンド(ドリブルしてない手)を上手く使ってDEFを近づけないことや、リトリート(下がる)して距離を取る工夫がいる。サークル内ドリブル1:1、1:2などで、スキルを磨くといい。スクール練習で何回かやってるが、もっと自主トレしないと上達が望めない。

次は②のピボット。3/9のブログで書いたことは、ピボットのファンダメンタル部分。速くてぐらつかない安定した回転をできるようにするのが第一。でもまだ、あれだけでは実戦で使いこなすのは困難だ。パワーポジションの感覚を大事にしながらも、体重をもう少し横までずらし、ボールの移動距離を大きく取れるよう練習する。当然ながら回転角度も、120度、210度など応用までドリルする。さらに究極重要なことがもう一つ。それは回転方向の選択・決定のあり方である。Wチームされたとき、ボールを守り切れるかどうかに大きな影響が出る。可能な限り、1:2にならないようにするのだが、口頭説明ではわからないだろう。スクール生には、練習会で教えることにしよう。難易度は高い。

ドリブルキープ、ピボット、視野、タイミングいいパス、低くて強いドリブル、全部が普段から言われていることだよね。こうしたファンダが絡み合って、大きなプレスダウンのスキルになっているんだなあ。 強烈DEF キープとアタック動画 https://saschool-blog.com/?p=4481

①②いずれの場合でも、基盤となるファンダがどれだけ身についたかで、成果の現れ方に差が出るものだ。そこはまさに、S.A.の理念ともいえる。地味なファンダメンタルトレーニングをこなしてこそ、上級者への道が開ける。心しよう。

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