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練習生原稿6 「あらゆる技術の根幹こんかん ボディコントロールを極める」  Sugi Academy H28.8.3

今、オフェンスAとディフェンスBがここにいて、1:1をしているとしよう。Bの後方3mの位置にはブザーのボタンが有り、スタート合図から10秒以内にボタンを押せばAの勝ち、Aの進路を邪魔じゃまし抜かれずに10秒耐えきればBの勝ちだ。その際、AのOFFの仕方には何種類かの方法がある。単純にスピードでぶち抜く・右へ行くと見せてキックターンで左へかわす・チェンジオブペースでDEFを揺さぶる・右を止めさせて左ロールターンで抜き去る……など。これらの技術は、正確にたくさん身につけるほど自在なOFFを展開できるものだ。

さて、ここまで読んで、多くの方はドリブルを突いてDEFを抜き去る1:1をイメージしたであろう。一例として、全くバスケをやったことのない優秀な短距離選手をOFF、バスケ選手をDEFにおいて、勝負の行方を想像してみよう。短距離選手は抜き方の技術など知らないが、彼の瞬発力を使いスピードでバスケ選手を抜くことが十分可能だ。だが、実際抜けるのかといえば、それはNO(ノー)である。ドリブルができないのだから、ボールがうまくついてくるはずがない。さらにいえば、いくらスピード自慢でも、DEF技術のかなり高い選手相手には速さだけで勝つのは困難だ。

このように1:1を考えると、「うまくなるために身につけるべき技術は何か?」が見えてこよう。目の前のDEFをかわす身体のあやつり方(ボディコントロール)ボールを思い通り扱えるドリブル技術の2つだ。この場合のボディコントロール技術として、前段では4つ例示したがもっとたくさんある。ドリブル技術にしても150種類以上に及ぶ。私の中では、これらの領域は「ファンダメンタルズと発展的スキル」に属し、いずれが重要かという区別は困難。ただ、1:1を上達させたいのなら、ボディコントロールとドリブル両方のドリルをしなければならないという点は重要事項であり、トレーニングの順番としてはボディコントロールがより優先されるべきである。(実際の練習では、どちらも平行してドリルすることが多いし、それでかまわない) ところが、ボディコントロール(足の動きに主眼を置けば、フットワークと呼ぶ)の練習を面倒がる指導者や選手は意外に多い。そういう人たちは、得てして「ゲーム的要素の強い練習」を好む。つまり、個人スキルの細部までチェックして技術をアップさせるより、チームOFFの伸長に目が行っているのだ。

ブンコーチ
ブンコーチ

はっきり言わせてもらうよ。1年たっても選手に目立った進歩や上達がなく、チームも強くならないのは、それが原因さ。

だから、S.A.では個人スキルの上達を目標としているんですね。

チームワーク・チームプレイという言葉は、個の技術が相応そうおうに身についた上での論議である。未熟な5人を集めてチームプレーを語るなど、はなはだナンセンス。きつい言い方だが、私は本心からそう思っている。ゲームに類した動き中心の練習でもボディコントロール技術は幾分か伸びる。ただ、そのような発想自体が、甘い考え方であると知ってほしい。

ここでは、全ての技術の根幹ともいえるボディコントロール(フットワークも含む)にメスを入れてみた。プロの世界には、私自身が未知の技術も存在するだろう。全部を網羅もうらするのは無理だと思う。しかし、通常、本原稿13に記述した内容を体得すれば、相当に高い次元でプレーが可能となる。使いこなすにはすさまじい時間が必要だが、常に上を目指せば少しずつ力が付く。

分類の仕方は技術の視点により異なる。本原稿では、主にOFFに使うもの、DEFに使うもの、どちらにも使うものと分類した。(ストレッチ・筋トレ系を含めず、170種類ほど) 個々の技術がどの領域に入るかもコーチにより差はあろうが、私流の考え方で分けてある。

もう一つ付け加えておこう。それは、ボディコントロールの技術は相互に深いつながりを持ち、すごく系統性が強いという事実である。例えば、つたない技術の中学生らが真似することの多くなったユーロステップ。一見簡単そうだが、踏み込んだ足で強く床を蹴って別方向に大きく角度を変えて2歩目を踏む。ただでさえ、スピードのついた状態から強いサイドキックで逆に跳ぶのだ。通常のサイドキック練習でふらつくような未熟者が成功するはずもない。しかも、同時に目の前のDEFの位置や動きを確認し、ボールをカットされないよう移動に注意を払う。そういったシチュエーションで最終的にゴールを決めるのだ。当然、そこにはシュートハンドや空中バランスの問題もある。一例にすぎないが、1つのスキルは多くのボディコントロールファンダで構成されてることを見逃してはならない。 ユーロステップ https://saschool-blog.com/?p=3274

コメント

  1. うな重 より:

    つきつめていくと基本だけでも覚えることが多くて大変ですね。時間をかけて自分のものにしていかなければ!!

  2. bunsan bunsan より:

    だからこそ、練習メニューをどう選ぶかが重要です。限りある時間の中で、最大効率化を図るんですね。

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