練習生原稿特別号「スローインゲームの発想」 Sugi Academy R5.6.10
スローインでパスを入れる際には、大きく4つのエリアがある。バックコートのエンドとサイド、フロントコートのサイドとエンドだ。いずれのパターンでも共通することは、「カットされないよう安全にパスする」である。特にバックコートからのスローでは、ゴールが遠いこともあり、例外的なケース以外、ミスせずスローインを終了することが目的の大部だ。
さて、今回はフロントコートにおけるスローインに、焦点を当ててみたい。前述したスローインの目的を考えた場合、スローアーはある程度パスの上手い選手、レシーバーはDEFを振りきってボールを受けコントロールできる選手が適任となる。ならば、レシーバーはPG、スローアーはSGかSFが良いだろう。(この後、説明の中では PG① SG② SF③ PF④ C⑤ と表記する)サイドからのスローインにも、比較的高い位置からエンドラインに近い位置まであるが、今回は次図のような2つの地点で説明する。
まずは③位置からのスローインを考えてみよう。上手なワンショットプレイを作れば、スローインで一気にゴールを狙うことも可能ではあるが、ややゴールが遠いので、確実にインバウンドするのを優先したい。スクリーンを使用してノーマークを作りパスを受ける、そんなプレイも悪くないが、PG①がDEFを振り切りレシーブできるようドリルすることを勧めたい。もちろん、バックコートでのスローインも同様だ。これに対し、③でのスローインは、ちょっと視点を変えてみよう。きっとワンランクUPの考え方を知ることができる。③が立ってるのはウイングポジションに近い。
つまり、③はウイングにいるのとほぼ同じことなんだ。ということは、PG①からOFFのエントリーパスが入った状態ともいえる。実際は、今からスローインが始まるのだけどね……。エントリーが済んでるなら、続いてゴールを攻めようという発想。そう思った時、例えばどんなスローの仕方があるだろうか?ボールの動き一例を図中に青矢印で示した。幾つも考えられるのだが「スローインも、ゴールを狙うOFFの一部」という頭の切り替えを求めたい。すると、バスケの新たなプレイ展開が見え視野が広がる。
次は、エンドからのスローインを取り上げてみる。最大の特徴は、普段あり得ない方向から攻めるプレイだということ。DEFの立場からいえば、通常のOFFでエンドから攻められることはほぼない。ゴールを背にし外向きでOFF選手全員を捉えやすい。しかし、エンドスローは、ボールがエンドライン外から飛んでくる。だから、DEFはエンドライン方向に注意する。つまりセンター方向からカットインするようなOFF選手を捉まえるのが困難になるんだ。これは、スローインするOFFチームが容易に点を取りやすい事実を示している。だから、サイドスロー以上に「得点を取る」ことを意識したスローイン方法でありたいし、DEFチームにとっては、対応法を十分ドリルせねばならないんだ。またしてもほんの一例にしか過ぎないのだが、攻め方の例を提示しよう。
エンドスローの時、DEFはスローアーと向き合って付くこと多いわよね。私も殆どそうだけど、思い切りプレッシャー掛けたい場合以外は、やめた方がいいらしいの。身体を開いて付き、パス方向を限定したり他OFFの動きを見たりする方が、スクリーンOFFなどに対応しやすいんですって。状況に合わせた守り方ってことよね。
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