バスケ配信  先を取るOFF、先を取られないDEF

練習生原稿76「ゴールカットとコースストップの意識」  Sugi Academy R3.6.27

点を取る方法、というか取り方のパターンは数種類ある。外からのシュート、インサイドでの場所取り、OFFリバウンド、速攻、外から中へのドライブ等だ。今日話題にしたいのは何かというと、それは「ゴールカット」。カットインとも呼ばれる。頻繁ひんぱんに耳にする言葉だが、その意義が意外と理解されてない。詳しく見ていこう。

ゴールへ向けて走り込むプレイをゴールカットというのだが、何気なく走るのではない。パスを求めながら、得点する意志が必要である。全てがシュートに繋がるのではないが、シュートしようという気持ちはDEFにとって脅威きょうい。そこは大事なんだ。実際のカットインを大別すれば2つ。

①ボールマン(ボールを持ってる人)が、パスした直後に行うカット

②オフボール(ボールを持ってない人)が、適度なタイミングで行うカット

これらは理解が容易だ。もう一つのポイントは、走るコースである。次の図を見てほしい。

図1はDEFよりボール側、図2はDEFの裏側を走っている。図1のカットインをボールサイドカットとかフロントカットといい、図2はブラインドカットあるいはバックカットなどと呼ぶ。まず狙うのは、ボールサイドカットだ。OFFがDEFの前をよぎるのでパスカットされにくい。よく鍛えられてないDEF相手なら、案外簡単にカットインでき、シュートまで行ける可能性が高い。労せずして2点取れるのだ。裏を走るのもツボにはまれば、気持ちよくパスが通るが、パッサーとレシーバーの間にDEFがいる分、こちらの方が難しいとはいえる。これをDEFの立場から考えた場合、まずはボールサイドカットを止めることだ。どうやるか?トップからウイングへパスされた瞬間、その方向に30cm程度移動するのである。すると、OFFは走るコースをつぶされることになる。この動きを常に、反射としてできるようドリルする。これを習慣的反射、「ハビットリフレックス」という。細かな動作であるが、やられると結構嫌なものである。ハビットリフレックスでコースを止められたOFFは、ブラインドサイドを走らざるえなくなる。それがわかってるので、DEFは比較的楽について行くことが可能だ。つまり、OFFのカットイン攻撃を取りあえず阻止することができる。だが、こういうファンダを身につけてる選手は少ない。皆、気をつけて練習しよう。

図3では、パッサーのカットインではなく、がオフボールカットを狙っている。このケースでOFFはボールサイドカットをするのがいいのだろうか?ボール側のスペースが狭いのがわかるよね。そこへ無理に入ってくと、パスミスの確率が高くなる。仮に通っても、動きがとても窮屈だ。だからこのようなケースでは、図4の動きがいい。明らかにゴール下スペースの方が広いだろう。そこを狙って、ブラインドカットを仕掛ければ、パス成功で2点になる確率は高い。青線のように押し込むと、おおくはDEFがつられる。1歩だけ押し込んでから、Vカットですかさず切り返す。そして緑線のようなカットを行う。かなり有効な動きとなろう。

図4のケースもDEFの立場で考え直してみよう。まずは、青線の押し込みに反応してコースを止める意識を持つことは大切だ。簡単に走られてはダメである。だが、少しレベルアップしてきたら、「ゴール下が空く。ダイブされる動きがより恐い」と、瞬間的に感じ取れるセンスが望まれる。そういう予測が立てば、緑線のカットを簡単にやられず、ディナイ気味について得点を防げるだろう。また、そのDEFに対しOFFはファイトステップでシールし、ボールサイドに出ようとするかもしれない。

このようなせめぎ合いが頻繁に見られるようなれば、ゲームの質は明らかに向上する。そして、より高度な個人スキルの必要性を選手が理解するのだ。結果、各チームが強くなる。高次元で競り合えるようになりたいものである。「攻めも攻めたり、守るも守ったり」だ。

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