バスケ配信  黎明期を迎えた 日本男子バスケ

練習生原稿特別号「W cup日本男子チームを振り返る」    Sugi Academy R5.9.8

残念ながら2次ラウンドに回れなかった日本。しかし、1次ラウンドでフィンランド(世界ランク24位)を破り1勝、17位から32位を決める順位決定戦が終わり、3勝2敗で19位となった。その結果、アジア地区では1位、来年のパリ五輪出場権を得た。欧州に勝つなんて、かつては夢物語だった。そればかりか、今回の日本(世界ランク36位)は、格上のベネズエラ(世界ランク17位)をも撃破し、W杯史上初の3勝をマークした

ブンコーチ
ブンコーチ

ブログを書いてる今この時、準決勝 セルビアvsカナダが終わり、直にアメリカvsドイツ。日本戦は、強化試合含め6試合も観たぞ。爺さんとしては珍しいこと。でも、各試合とも1回ずつしか見てない。ブン爺がゲーム分析するときは、普通2回は観る。だから、見落としがあるかもしれない。分析しきれてない部分もあるだろう。どこぞの解説者やコラムニストらと食い違う部分も……。それでも、ブン爺、自分の目に自信は持っている。もろもろ承知の上で、読んでもらえればと思う。

素晴らしい健闘だった。まだ世界の上位には届かない。しかし、世界レベルで戦う同じ土俵に上がることができた。それがどんなに困難で時間を要するものか、一般には理解しづらい。少しずつ強化は進んでも、多くの人の目には映らない。国際舞台で輝きを放ったサッカーには、どうしても見劣りした。長年バスケに携わってきた爺さんでさえ、幾らかあきらめの気持ちがあったことを否定しきれなかったんだ。河村選手の登場で私の思いが変わり始める。スクールで標榜ひょうぼうする(考えなどを公に示す)ドリブルやパスに近い。そして、ホーバスHCの誕生。ファンダメンタルを重視するトップチームコーチって、珍しいだろう。混乱する日本男子バスケを整理しBリーグ設立。多くの人々による長い積み重ねあればこそだが、やはり前出の2人にはとりわけ思い入れが深い。

河村選手はミニバスから活躍してたが、バスケは中学までと決めてたらしい。サイズ的なことが原因かもしれないが、父と同じ教師を将来目標としてた。そこに福岡第一高 井手口監督からの誘い。本人は随分ずいぶん考えたろう。そして、ホーバスHC決定には、協会幹部の決断があった。そうした多くの英断が時代を動かす原動力となる。日本は望ましい方向にかじを切ったといえよう。
さて、ここからは男子チームのプレイに関して、「ブン爺の目」を述べたい。選手選抜の経過・練習内容など知らない。全試合観たわけでもなく、繰り返し視聴したのでもない。だから、抜け落ちてることの可能性は、当然あろう。それでも、その中で感じた課題を中心に、爺さんなりの視点でまとめてみる。

走りまくって早いペースでシュートする、そしてスペースを広げて3点シュートを多用する。NBAでは主流となっている「ペース&スペース」型のバスケット。これはビッグCがいなくても採用しやすいシステムだ。狙いが、セットOFFでC中心にインサイドを攻めるんじゃない。3Pにかなり比重がかかるからシューターの需要が高くなる。それを日本は採用した。選手が大きくなったとはいえ、世界的にはまだ小柄な日本。フィジカルの強さでも劣る。だから、主戦場を外に求めるのは理にかなう。しかも、富永始め3Pにセンスのある選手は多い。実際、河村らの3Pがナイスタイミングで決まったり、比江島・富永の連続スリーが絶大な効果をもたらした。戦術の成功は間違いないものである。だが、一方で3Pシュートは水物みずもの(運に左右され予想しにくい)。プレッシャーがかかればもちろん、常のタイミングで打ってもダメなことがあるんだ。オーストラリア戦の富永が、10本打って0だったのは衝撃的だろう。だが、ゴール近辺のシュート確率は、より高めで安定しやすい。フリースローなど6割くらい珍しくもない。この事実を無視してはならない。大会5試合での3Pシュート率は33%程度。理想の40%はおろか、ギリギリ合格といえそうな35%にすらいかない。それでも3試合は勝てたのだ。なぜ??

話題のスリーポイント、ギリ合格の35%になかなか届かない。カーボベルデ戦は、相手のDEFにも救われ高確率だった(入りすぎかも)。フィンランド戦では理想に近い数値だが、相手はそれ以上なので優位性はない。こう考えると、今後の方向性として、3Pの確率アップを狙い練習続けるものの、それだけに依存するのは危険すぎると言いたい。それは2P得点を見ても明らかだ。ドイツ・オーストラリア戦では20点ほど差があるが、勝った3カ国とは10点以内、FT得点入れれば互角といえる。それどころかフィンランド戦は、明らかにペイントアタックで攻め勝ってる。インサイド攻めが機能したのは、PG・SG陣中心の果敢なドライブや合わせのプレイがあったからだ。また、ホーキンソンのRebやPF的プレイによる貢献度は非常に大きい。ポストプレイは……だが。こうした面の改良・改善を、今後の強化の中で配慮するべきと思う
DEFにおいても、渡邊・河村のプレッシャー、ホーキンソン・吉井らのDEF Rebなど個々に見るべきものはすごくあった。だが、全体を見れば改善点は少なくない。インサイドにボールを集められたときの対応などもである。
しかし、全日本男子にもやっと夜明けが訪れた。課題は1年で簡単に解決しないだろう。数年を要するかな。それでも、来年のパリ五輪に向け、さらなる飛翔を願いたい。

小さな川が集まって大河になるわね。S.A.は地方の小さな川。それでも地道な活動を継続し、大河を構成する一部になれればいいなあ、とコーチが言ってたわ。生徒のみんな、頑張ろうね。

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