バスケ配信  パッシングOFFの原理を知る

練習生原稿36「パッシングゲームの作り方①」-パスの回し方     Sugi Academy  R2.3.28

いきなり質問だ。「ドリブルとパスどっちが重要?」「どっちがより難しい?」皆さんならどう回答するか? サッカーでも、ドリブル中心で切り裂いていく南米型、パスでバランスを崩すヨーロッパ型、いずれが優れているのか白熱はくねつした議論が昔あった。それに全く構うことなく、「そんなのどっちも大事に決まってるじゃん」というのが私の考え。場面に応じ、両方を使い分けるからこそ効果絶大なのだ。練習時間は有限ゆうげんであり、どこまでやりきれるかという問題は残るのだが、練習への取り組みをかくあるべきと提言ていげんしている(すすめている)。
一方で、「どっちがより難しい?」という質問は、さらに答えにくい。バスケに限って話せば、1個1個の技術のやり方そのものは、ドリブルの方が難しいであろう。高難度こうなんどのパスもあるが、ドリブルの方が圧倒的に数が多いと思う。しかしだ。パスには、「ドリブルには無い難しさ」というものが存在する。自分一人だけでは出来ない、味方との連携れんけいである。パスを出してくれる人(パッサー)・パスを受けてくれる人(レシーバー)がいて、パスは初めて完成する。つまり、味方との呼吸・タイミングなしにパスはあり得ないのだ。超重要なポイントだが、その解説の前にもう一つ知ってほしいことがある。まずは、それを説明する。

パスは連携と教わったけど、1つ1つの要素は個人で知り、できなくちゃならないのだわ。この後、それを勉強するのね。 参考 パス種類と使い方 https://saschool-blog.com/?p=1259

前述ぜんじゅつのように、パスプレーには、パッサーとレシーバーの2人が必ず存在する。意識がかみ合わねば待ってるのはパスミス。それでも、2人だけならまだいい。パスすべき相手は決まっててわかりやすいからね。ところが、3人・4人・5人と味方が増えれば、最大で4人の相手がパスの対象だ。間違うなよ、相手が4人だぞ。パスコースが4本じゃない。ボールマンAが味方Bへパスしようとしている。Bは自分のDEFを振ってレシーブするが、「右へ振る」「左へ振る」「後ろに離れる」など、いくつか選択肢せんたくしのあることが多い。これを5人のOFFで考えると、現実のパスコースは4本ではなく、少なくも7~8本は存在するだろう。その中から、ベストコースの1本を選ぶのだ。しかも、今この瞬間ベストであっても、「1秒後にはもうダメ」なんてことがよくある。DEFやOFFの動きの中で、パスコースは常に変化するからだ。難しいよね~。経験の少ないプレーヤーが迷うのは当たり前。「パスプレーは奥が深い」と私が言う根拠でもある。最初のパスはどこに出す?2本目は?それに対し私はどう動けばいい? そんな思いに支配された記憶きおくは誰にでもあろう。今回はそんな迷いを払拭ふっしょくする(振り払う)ための勉強だ。パッシングの理解を深め、スペーシング(味方の邪魔じゃまにならず、OFFしやすいスペースを作ることとその動きかた)も合わせたゲームメイクをしっかり学ぼう。  *話題にしてないが、実際には、ドライブ勝負のタイミングも重要なことを忘れずに。

チームでパスを回すのは、一体何のため?

みんな「DEFを崩してノーマークになるため」というくらいの認識にんしきは持ってるだろう。でも、それじゃあ、まだ甘い。「ノーマークシュートするため」と覚えてほしい。いつもノーマークで打てるわけじゃないが、そこに目的があること自体が重要なんだ。つまり、ゴール付近で1:0状態を作り、パスをフィードするのが目的だ。目的にかんがみれば、DEFを振り切ってゴール前にとびこむ選手が必要だし1人がよい。複数だとスペースがつぶれ邪魔)、パスの向かう最終方向はゴール付近という条件は決定的だ。スリーを打つための作りなどは別になるが、通常はいかにゴール近辺にスペースを生み、うまく活用するかが課題なのだ。つまり、「何本かのパスやカッティングは、ゴール付近にノーマークを作るため」に行われるといってよい。(外角シュート狙いは別だけどね) ときには、たった1本のパスやカットで得点になることもあるが、たいていは、数本プレーを続けねばならない。ゴールと反対方向へ動いたり逆へパスを戻したりもする。DEFの目をあざむいて、ゴール前に自分たちの空間を作るには、ムーブやパスの方向・タイミングに多くの工夫と忍耐が要る

試合中、何人もが頻繁に、しかも同時にゴール前に入ってくるよなあ。だからダメなんだね。今度から気をつけよっと。同時に入っていいのはRebだと、ブンコーチが言っていた。時間差でナイスカットインするのは、むずいよな。でも、スゲ~面白い。

DEFにカットされず、パスを回す技術は絶対条件

ボールマンは目の前のDEFにカットされずパスするスキル、レシーバーはマークを振り切ってパスを受けるスキルが必要である(来宅練習でやったよね)。レシーブの成功には、もう一つ「レシーバーが動き出すタイミング」という重要な要素も……。スクール練で数回教えた。パスの成立には、「パッサー・レシーバーとも同時に、ノーマークになる一瞬が不可欠」と。

ブンコーチ
ブンコーチ

これまでアップしたパス記事は、パスの種類やそれぞれの使い方についての説明だった。今日のは、チームOFFの中でパスゲームをする時の注意だ。いわば、個人スキルの生かし方であり、この知識がないとせっかく覚えたパスが役立たないぞ。重要な理論だ。また、続編の原稿37・38②では、実際のカッティングやパスの入れ方について説明しよう。乞うご期待。 パスゲームの3大要素 https://saschool-blog.com/?p=1363  パッシングOFF 本質と発展 https://saschool-blog.com/?p=2071

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