バスケ配信  Spot解説 ユーロステップを見直そう

練習生原稿臨時号「ユーロステップ shootの利便性」  Sugi Academy R4.8.18

強豪男子、J中学生とスクリメージを行った。スクールで他チームと5:5するのはまれ。個人スキルアップが主目的だから当然だ。ゲームを楽しむ会ではない。しかし、よく鍛えられた選手達と闘うことは、刺激になるし学びも多い。今後もたまには組もうと考えている。実はこの原稿、112号としてもっとずっと後に書く予定であった。だが、ユーロステップ自体はスクールでも練習しており、たまたま、スクリメージの中で好例が出たので、これを機に臨時号としてアップすることになったのだ。

ブンコーチ
ブンコーチ

ユーロステップの説明文なら、ネットの中にゴロゴロ転がってるだろう。また、ユーロの解説は以前のブログでもかなり詳しく述べている。そこで今回は、私の体験談を含め、保護者や小学生の理解度なども考慮し、S.A.らしい分かりやすい解説にしようかねえ。そして発展的な使用法まで触れてみよう。まずは、旧ルールにおけるトラベリングと新ルールにおけるトラベリング(2018年から実施)の違いがわからにゃならん。だから、ユーロ解説に先立ち、以前アップした0ステップの説明文一部を再掲しておく。よくわかってる人は、飛ばしてOK。詳しくは「0ステップの理解→ユーロステップ獲得」 https://saschool-blog.com/?p=2173 を。

まずは小学生にもわかるよう話そう。普通のレイアップシュートは、上の図で、点線緑左足ピンク右足が、両方とも空中に浮いてる間にボールをつかむ。そして、ピンク右足で着地(これが1歩目)、次に、緑左足で2歩目を踏み、そのままジャンプする。進行方向はまっすぐで、このケースでは右手右足がぐんと上がり、リングの方に上昇する。「その時、DEFはどこにいるか?」普通は、ゴール側にいてシュートを邪魔じゃましようとする。あるいはドリブラーの正面で待ち構えてるかもしれない。どっちにしても、ドリブルでまっすぐ突っ込まれて、簡単に点を取られないよう考えている。そこでだ。ドリブラーが2歩目のステップを、1歩目とは全然違う方向に踏んだらどうなるだろう。DEFは付いてこれないし邪魔も出来ないよね。その考え方がユーロステップなんだけど、やり方が「大きく分けて2つある」。最初に、昔からある「ユーロステップ」について話し、現在版ユーロにと話題を移そう。これは、ちょうどJ中学とのスクリメージに出てきたので、その場面の解説文を掲載けいさいする。

次図のように、スクール生 Rがドリブルを仕掛けた。左右に揺さぶったが、DEFはしっかりRに付いている。そこで彼女は、ドリブル減速し再加速直後、左へ進路変更している。ドリブルの緩急から、図のように「」と踏み、4歩目の左足を120度くらいの方向へ持って行ったのだ。J中のしぶといDEFもさすがに一瞬遅れた。目論見もくろみどおり、彼女はシュートすることが出来た。

よ~く見ようドリブルをやめてボールをキャッチしたのは、再加速後3歩目だ。2歩目の左足でジャンプ、空中でボールをホールド、右足で着地。通常なら、このあと左足をもう一歩前に踏み、レイアップシュートする。でも、簡単に抜けそうもないと判断したので、Rはドライブで右を抜くと見せかけ、DEFを引きつけたところで、ステップを使って左に急旋回した。進行方向を一気に大きく変える、このステップを「ユーロステップ」という。ジュニア以上はみんな何回か練習してるから、無論知っている。でも、これから解説することは、多分多くが知らないだろう。RはうまくDEFをかわしたのに、シュートミスした。その理由にも関わる内容なので、是非理解してほしい。

「ユーロステップ」という技術は、元々ヨーロッパ選手の技。それをエマニュエル・ジノビリという名手が、NBAに広げたんだ。当時はまだ、国際ルールで0ステップが認められてない時代。ルールどおりのため、「空中でボールホールド」「1歩目で着地」「2歩目で方向転換」となる。昔から0ステップが当たり前に使われてたNBAならともかく、世界的にはまさに、Rがやったステップどおりだったのだ。これを「ジノビリステップ」ともいう。しかし、これ結構難しい。上の例で言えば、足の踏み方が右・左なので、右手でシュートするのが普通。ところがDEFは右側にいるし、ボールを右から左に移動させるため、左手でシュートせざるをえなくなる。実際、Rも左手でシュートしてる。これは不自然な体勢、身体が捻れるのでシュート入れるのが難しいんだ。スキルの低い奴ならバランスすら上手く取れない。だから、私は中学生に、あまりユーロを教えたことがないし、その辺の中学生がやりたがるのに反対してた。ユーロステップというのは、比較的新しい技術だ。正確には知らないが、おそらく2010年代になって広がったんじゃないだろうか?でも、私自身は、若かりし頃、このステップ数回やったことはある。もちろん意識してではない、単なる偶然だ。ややでかいDEFに進行方向をふさがれ、思わずよけるように踏んだのだ。やった瞬間、「やば~、トラベリングか」と頭をよぎった。しかし幸運にも、笛は鳴らず2点を得た。味をめ、もう2~3回やった記憶がある。でも、半分くらいトラベリング吹かれたかねえ。余りに急角度で跳ぶから、1歩目で止まったと解釈されてもやむを得ない。そこでジャンプしてボールを持ったまま下りれば反則。全速のまま動作を切らずに跳ぶのは、力学的に無理がある。自分も審判やってたし十分理解できた。しかも、DEFを抜いてもシュート入れるのが困難。だから、古い時代からは流行はやらなかったのかもしれない。

母 K
母 K

大流行のユーロステップも、ヨーロッパの誰かが偶然発見したのかしら。コーチ残念でしたね。もっと徹底的に使って仲間を増やしてれば、Bun step なんて名前が付いたかもしれなかったのに。そんな風に考えると、とても面白いわ。スクール生も、閃きを高めて、いつかオリジナルを発見できるといいわよねえ。

だが、ルール改正により「0ステップ」が認められた。Rの3歩目の右足が着地した瞬間にボールをホールドすれば、そこがゼロ方向変換でと2歩ステップを踏むことが出来るそれなら、普通の左レイアップに近い。0ステップを使ったユーロは、現在のNBAではもう当たり前の技。ジェームズ・ハーディンのような名手を初め、多くの選手が使用している。S.A.でも0ステップの開始に合わせ、ユーロを積極的に教えるようになった。0ステップユーロについては、Bunコーチの解説欄にあるリンクをみるといい。要点・注意点が書かれている。積極的使用を望んでいるが、中級者程度には勧めない。もっと優先的に学ぶことが多いから……。せめて、中上級くらいになってからかな。また、状況によっては、0ステップユーロを使えないこともあり得る。そんな時にはジノビリステップが必要となろう。そのボディバランスの取り方もやがて教えるよ。これできたら、NBAのユーロ使いを真似しやすいぞ。スキルは深いねえ~。

NBAで0ステップユーロを最初に始めたのは誰か?よくわからないが、多分、ジェームズ・ハーディンあたりじゃないかと思う(違ったらごめん)。だからルール改訂後しばらくは、ハーディンユーロと名付け、ジノビリステップと区別してた。その後、多くのユーロ使いが誕生、使い方にも多少の差が見られるようになった。それらを解説しようかどうか迷ったが結局やめた。彼らのステップは特徴的で、一般小中生の中上級レベルでは無用だろう。スクールとしても、S.A.中上級~上級者用に紹介するのを原則にしようと考えている。事実、一部生徒には、アービングステップ(カイリー・アービングがよく使うユーロ)なども実施済みだ。

上級者用 発展系ユーロステップ in S.A.

上級者で意欲的な人のために、2つほどユーロステップの発展技を紹介しとこう。これ、かなり強烈だが、DEFの動きを読む技術と合わせ、それなりに練習が必要だ。

、左手ドリブルからDEFの左に仕掛け、スピードを余り落とさずに「右へのバックビハインド」。右足を踏み込んだ瞬間にボールホールド(足が床に突いた瞬間)。その直後、DEF左側に左・右とステップし、左手レイアップシュート。もちろん、右手ドリブルからも出来る。

、右手ドリブルでDEF正面へ仕掛け、1~1,5mほどの距離でハーキークロス。左手でワンドリ突き出した直後に一歩踏み込んで、ボールホールド。そこからステップを右に展開、右・左とステップし右のレイアップシュート。もちろん、左手ドリブルからも出来る。

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