練習生原稿23改訂「WJBL 女子バスケットボールの変遷」 Sugi Academy R3.8.5
全日本女子が初めてオリンピックbest 4 に入った。歴史的といえる一瞬である。現役選手らは、金メダル目標でやってるだろうが、昔から発展に関わり歴史を歩んできた人達にとっては、ファイナル4に残ることが、まずは大きな悲願だったろうと思う。準決勝前に慌てて原稿を書き始めたのも、それが理由だ。
WJBLとは、バスケットボール女子日本リーグの略であり、現在、実業団のトップ13チームが参加している。Wリーグの前身は、1960年代終盤に誕生した。その後、幾度となく名称を変更しながら現在に至っている。古い人間の私には、「日本リーグ女子、JBL」などという名称の方がなじみ深く、今は消滅したユニチカ・NEC・日本航空・第一勧銀等のチームが思い出される。日本スポーツ界では、トップチームが企業スポーツとしてずっと支えられてきた。わかりやすく言えば、企業の宣伝の1つである。ところが、業績不振等を理由に多くの企業が撤退していったのが90年代。そうしたなかで、生き残るためには何をすべきか?男子の競技はサッカーのJリーグに象徴されるようにプロ化の検討が多くなされ、これはバスケットボールも同様だった(実際には90年代当時は断念したが)。しかし、女子スポーツは興行化がより難しいとされる。だから、生き延びるには国際的競技力を上げることが使命となった。すなわちオリンピックに出場することだ。
1996年のアトランタ大会において、日本女子バスケはモントリオール大会以来20年間遠ざかっていたオリンピックの出場権を得て、7位の成績を残した。この時の日本代表ヘッドコーチは中川文一氏(執筆時 トヨタ紡織ヘッドコーチ)で、当時はシャンソン化粧品を率いてリーグで連覇を果たしていた(結果的には10連覇)。ジャパンエナジー(現JX-ENEOS)と二強と呼ばれていた時代であり、シャンソン化粧品とジャパンエナジーの2チームから、ほとんどの代表選手が選ばれていた。大目標達成へ向け、ライバルチームのヘッドコーチが指揮を執る代表チームに、ジャパンエナジーは協力体制を敷いた。
男子チームを持ち、日本のバスケ技術指導にあまり関心のなかった私だが、シャンソン化粧品は地元でもあり、その活躍ぶりに感銘を受け、練習会場などに姿を見せることが増えた。だから、中川さんはもちろん、日本のエースPGだった村上や3ポイントシューターの一条らとも交流があった。(残念ながら、今の全日本メンバーは知らない)当時の全日本メンバーは、引退して結婚したり、チームのヘッドコーチになったり、協会に残留して役員をやったり(解説者の萩原美樹子さんもその一人)している。若かりし頃の思い出だ。アトランタオリンピック時、ジャパンエナジーでヘッドコーチだったのが、中村和雄さん。大先輩に当たる。彼は、高校・実業団・Bリーグと、何回も優勝している猛者であり、全日本女子監督をも長期間つとめている。わかりやすい解説、親しみやすい性格で、私の尊敬する人物でもある。残念ながら、NBAのスター、コービーとほぼ時を同じくして引退されたが、70代後半まで、精力的に活動し、バスケの発展に尽くされた偉人だ。Bjフェニックスの練習にお邪魔した際も、コートに立ち、元気に指導されていた姿が思い起こされる(当時、フェニックスは連続優勝)。私には彼ほどのことは到底できないが、その姿勢はなぞっていきたいと常々考えている。
アトランタ出場メンバーは、準々決勝でアメリカと15点差。破れたものの見事な闘いだった。長い間低迷を続けた日本バスケ界に、光明をもたらした。その後も多くの関係者のご努力により、オリンピック出場も果たしたが、必ずしも強化が順調だったとはいえないだろう。2016年リオ五輪で再びbest 8 に入るまで20年の月日を要した。そして今回の活躍である。中学生などのゲームでもいえるが、best 8 と4 の間には、高い壁があるのだ。高い壁をついに乗り越えた。お見事。
今回の全日本、チームコンセプト(構想)が明確で、各人がその達成に向け努力できる、とても良いチームだと思う。私、こういうチーム好きである。高さ不足を補うためのチーム作りの軌跡が、はっきりと見える。ホーバスコーチの優秀さ・選手の信頼感、そういったものがひしひしと伝わってくるのだ。
アンダーカテゴリー時代から、国際大会の経験が豊富な選手が多くなってることも、成果に繋がってるのだろう。S.A.生徒諸君、ブログ訪問されてる皆さん、このオリンピックを契機に、NBA目指す認識を新たにしよう。諦めない積み上げが、成功を生むのである。ベルギー戦は、本当によく闘ったと思う。残り1分切ってからの攻防だけみても、素晴らしいプレイが散見され、両チームの選手に拍手したい。だが、修正すべき点がゼロかといえば、それは違う。最高水準のゲームにおいても、それなりの問題はある。S.A.生徒には、次の練習会で説明しようと考えている。 ベルギー戦より https://saschool-blog.com/?p=1733
次の目標はメダル獲得だね。明日、このブログに「おめでとう」の文字を書きたいなあ。予選で戦ったフランスと再戦だ。勝つためになすべき要素は幾つもあるが、7番グルダのターンアラウンドシュートを押さえるのが鍵になるだろうって、コーチが言ってたぞ。
勝ちましたね、日本。おめでとうございます。随所に素晴らしいプレイがみられ、グルダヘのプレッシャーもあったと、ブンコーチが言ってました。次は絶対王者のアメリカが相手。優勝目指し、アメリカを追い詰めてほしいです。シュート率が決定的要素になりそうですね。1pの入り方、大事だそうです。
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