SG 富永啓生のパフォーマンス R5.1.13新着配信
ネブラスカ大では、開幕戦から19得点。昨夏、初の日本代表入り、そこでのパフォーマンスも凄かった。アジアカップのオーストラリア戦では33得点をあげている。3年生の2018年ウインターカップで6試合平均40点近いアベレージ、SGとして最高のスリーポイントシューターといえよう。インタビューを受け、「スリー100本打って何本入りますか?」と聞かれたとき、90本なら多分と答え、さらりと94本入れて見せた。爺さんもこんな日本人見たことない。
その彼がとても興味深いことを話した。1つは、代表合宿でのホーバスコーチの練習内容。
「ミニバスでやるような基本的な練習が多いので驚きました。ドリブルからジャンプストップ、ピボット、レイアップといった練習を毎日かなりみっちりやりましたね。NCAAだとゼロステップがトラベリングになるので、そこは気をつけて練習しました。」ファンダメンタルの重要性について今更説明は不要だろうが、こういう例をもとに、多くの指導者・選手・保護者が自覚してほしいなあ。「組織的プレイばかりに走らないで」と。
そしてもう一つは、「日本代表は、自分でやる時、やらないときのメリハリがあります。でも、アメリカの選手は俺がやるという気持ちが本当に強い。シュートをどれだけ外しても打ち続けますが、日本人は入らないと遠慮しがちです。」ブン爺、以前、バレーボールでも、同じような傾向があると聞いている。どっちがいいのか状況次第の面はあれど、そのメンタリティは、学ぶ価値が十分あるね。
渡邊雄太とは違い、富永の身長は188cm。日本人としては大柄だが、NBAでは平均的PGサイズだ。ゲームメイクの力を伸ばし、NBAに殴り込めるだろうか?未来はわからない、でもだからこそ、その成功を期待してしまう。日本バスケの新しい可能性を信じて……。
NBA選手の育成は、ブン爺の半世紀来の夢。もしそれが果たせるなら、どんな条件なのかと、昔ずっと考えていた。少なくも200cmほどのサイズ、群を抜くハンドリングスキル、タフなフィジカル、これらは最低条件なんだろうなあ。でも、当時の日本人サイズは、現在よりずっと小さい。190cmだってなかなか難しい。ならば、あらゆるスキル・身体能力・メンタリティ・頭脳プレイにおいて、スーパーオールラウンダーしかないじゃんと、結論づけたんだ。たった160cmでダンクを平然とやってのける、別種とも思える人類がいくらも存在する世界。「叶わぬ夢なのか?」と何度も思いつつ、それでも諦めきれなかった。しかし、日本の現状は大きく変化してきた。「自らの手で」は無理かもしれないが、積年の願いが、是非実現してほしいと思う。
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