バスケ配信  Spot解説 OFF広角視野の養成法

練習生原稿117「視野認知と向上ドリル」      Sugi Academy R5.6.22

「PGの生命線-視野を考える-」の中で、広角視野の重要性を述べた。今日はそのSpot解説である。下図を見てほしい。以前掲載したものと同じ図だ。 身体能力を凌駕する力 https://saschool-blog.com/?p=1191

目の付いてる位置・形を考えると、鼻が邪魔になり反対側が見にくいのだが、正面方向は両目が効くので、はっきりと像を捉えることができる。しかし、正面を見てれば、横方向は像がはっきりと映りにくい。だから、目玉を左右に動かして、より鮮明な状況を捉えるよう努めるんだ。その際、顔全体を動かした方が、よりクリアな範囲が広がるので、そこにも気をつける。ただ、顔を大きく振ると、逆側に死角が生まれるのも事実。だからOFFに関しての話だ。DEFで死角を作ると、マークマンを見失ってノーマークを生みやすいため、目の動きやスタンスの工夫で対応するよう私は指導している。

いずれにせよ、瞬時に広範囲を捉えれば圧倒的有利となる。間違ってならないのは「目に映っている」と「見えている」の差。網膜もうまく上に何かがゴチャゴチャしててもダメ、1個1個がはっきり像を結んでることが必要だ。そして、明瞭めいりょうな像それぞれを繋げ、動画のように構成できるからこそ、「そこが空く」「逆へ振ろう」などという適切なプレイ判断ができる。だが、これは単なる視野の領域を超える能力。第一ステージは、視野を広げる訓練を積むことなんだ。

具体的なトレーニング法に触れよう。まずは一人でやれる簡単ドリル。いろんなハンドリングドリルの際に、ボールを見ない。リトルの初級なら見る回数を減らす。2回に1回とかね慣れてきたら、遠くの壁を見る。次は、目玉を動かしてあちこちの方向を確認する。スクール練習では、他の生徒のドリブルを見ろ、何やってるか見るんだぞと言ってる。時には腰掛けて見学してる保護者の動作まで見る。何となくじゃない。誰と誰が話したとか、誰が動画撮ったとか、細かな動作まで確認するんだ。顔の動きは小さめにしよう。

日常生活でも似たようなことがいえる。たとえばブン爺が、窓から外の景色を見てるとする。空・山・畑・木々、それらをただボーッと眺めるんじゃなく、雲の動きをチラ見したり飛び立つ鳥を目で捉えたり、風に揺れる木に視線を移したり木洩こもれ日を探したり、その気になれば鍛える方法はいくらもある。ずっとじゃなくていい。1日3分トレーニングするだけでもずいぶんな差が出る。個人の生活環境に合わせ工夫すればいいだろう。

チーム練習や少人数練習でやれるドリルも紹介しとこうか。パスを使ったコーディネーションドリルにもなるし、お得だろう。  コーディネーションドリルとは、バランスを鍛える、相手の動きに合わせる、2つのことを同時にやる、反応速度を上げる、強弱をつけるなど、運動神経効率をアップさせるもの。ここ10年ほど注目度UPしてるらしいが、S.A.理論では、当然昔から実施している。リトルのメニューにたくさん入ってるぞ。

上の文章中にフロートパスが入ってるが、これリトルには難しいので、右方向なら右手プッシュパス、左方向なら左手プッシュパスでもいいだろう。なお、ジュニアメニューでやる場合は、難度を高めることが可能だ。全体的な方法は同じだが、パス種類を増やす。ノーバウンドチェスト、プッシュ、ヘッド、アンダーの4種。グーチョキパーの代わりに、指で1~4の数を示す。より細かくなるので、視野を鍛えるのに適している。

スキルドリルの中に入れる方法だけじゃなく、5:5ドリルなどの時に、「ワンパス出したら逆サイドをチラ見するような習慣作り」を心がけるといいだろう。練習メニューの範囲って広いんだ。ウエイトトレーニングも必要、でも本格的には高校からでいい。育成低年代でやっておきたいことって、結構多い。視野作りはその一つでもある。

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