バスケ配信  バスケに生かす1%の閃き(才能)

練習生原稿特別号「1%の霊感、プレイにどう生かす」    Sugi Academy R4.7.12

「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」とは、かの発明王エジソンが残したという有名な格言。死後1世紀近く過ぎても、多くの人々の記憶に残る人だ。アメリカで最も優秀な頭脳の一人と言われる彼は、電話機・白熱電球・映画・蓄音機など1300種にも及ぶ発明をしたとされる。中には盗作に近いようなものもあり、人生に関する話自体、真偽のはっきりしないことも多いが、物事を異常に知りたがる人、また、何かを成したり作ったりするのに、あらん限りの努力を注ぎ込む人だったのは確かだろう。小学校に入学しても、教師と馬が合わずわずか3か月で中退。算数の授業中には「1+1=2」と教えられても鵜呑うのみにする(そのまま信じる)ことができず、「1個の粘土と1個の粘土を合わせたら、大きな1個の粘土なのになぜ2個なの?」という始末。発明のための研究に関しては昼も夜も関係なく、時間を忘れて没頭。普段の睡眠時間も30分ほどの仮眠を1日数回、合計3時間ほどしか取らなかったそうだ。

冒頭の「天才とは、1%のひらめき(霊感)と99%の努力である」という言葉。「天才なんていわれても、才能はほんの1%、99%は努力なんだよ」と文字通りに解釈しても、間違いではなさそう。実際努力の人だったという事実が、それを裏付けている。また、エジソン自身が、さまざまなインタビューにおいて「努力こそがひらめきに必要なものであり、努力がもっとも重要である」という趣旨の発言を多くしてもいる。一方で、彼は「最初のひらめきが良くなければ、いくら努力してもダメだ。ただ努力だけという人は、エネルギーを無駄にしているにすぎない」とも述べている。

おいおい、一体どっちなの?「努力orひらめき」真意は闇の中。しかし、私はこう考えている。バスケ人生を通じて感じてきた思いを今から述べてみたい。分かりやすいようスキルの具体例を取り上げ説明しよう。何ヶ月もかけひたすら練習してきた「瞬間抜き」。明らかなハンドリングの向上、1:1で勝てるようになったなど、十分な手応えはあるだろう。ドリブルの仕方・使う場面など理解してドライブのイメージを作り、何百回も努力重ねてスキルUPした。新しい発明品を1個手に入れたような物だ。この理解とイメージ作りが「最初のひらめき」といえよう。ここが雑だったら、練習の焦点がぼけ、何百回の努力がなかなか報われない。つまり、頭の中に確かなイメージを持てることが、1%の霊感だとも考えられる。さらに突き詰めてみよう。次図は、先週やったばかりのドライブ場面だ。

がエンド側に1:1を仕掛けたが、DEFに止められミドル側へ切り返した。そこへ良いタイミングで、×Wチームに来たのである。は、瞬間抜きを上手く使って×をかわしたが、このまま進めばWチームに捕まりそうだ。ここで何のアイデアも出ない(ひらめかない)人は、無理に進みボールを取られる確率が高い。「ロッカーモーションで、DEFを足止めできないかなあ」とひらめけば、×の寄りを遅らせ、2人の間を割れる可能性は大きいのである。偶発的ぐうはつてきに閃くこともあるが、日頃の練習で1個1個の動作の意味を意識(最初の閃き)して練習努力を重ね続けるからこそ、新たな閃き閃き=才能と言い換えてもよいだろう)が生まれる。「努力こそがひらめきに必要なもの」とは、まさにそれを言ってる。

そして、さらにもう一つ重要なこと。ロッカーステップを使えば、習ったスキルの効果が2~3倍になるという事実。単一の技だけでは、いくら努力し鍛えても、この場合上手く抜けない(つまり無駄となる)だろうが、閃きによって相手を打ち破れるようになる。「ひらめきがあればこそ、多くの努力が生きる」のだ。これ1個程度の閃きでは、天才などと呼ぶのはおこがましい。でも、かしこいプレイヤーとたたえられはするだろう。ここでの閃きなど2~3秒程度のこと。ドリブルの練習時間はやたら長い。まさに、1%の霊感99%の努力だねえ。どっちも不可欠ふかけつなんだ

上のケースで、ロッカーモーションやっても×が足を止めず詰めてきたら、みんなはどうするかねえ?何か「ひらめくかい?」
もし私がやるとしたら……。みんなほどドリブルできればの話になるが、きっと×の左側にストレートドリブルを仕掛ける。もちろんそれで抜ければ問題なし。でも再度コースを押さえられる可能性がある。そうしたら、今度は一気に右へのロールターン、DEF2人を真っ二つにする。それだって、瞬間抜きドリルを積み重ねてきた努力の結果に、インスピレーションが働き新製品(新発明)が完成したことになるよな。

99%の努力なくして、何事も成しきれないという真理。1つずつの動きに明確なイメージを持ち、何百回も練習しよう。天才の1%の霊感は、きっとそんな所から生まれる

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