練習生原稿 臨時号「県新人戦 Final4 より」 Sugi Academy R5.1.24
既報のように、新人戦県大会でS中がBest4入りした。僅か5人だけのチーム、それに加えミニバスのキャリアもほぼない。この勢力では、はっきり言って勝ち上がること自体無理がある。スクール生が3人いるからひいき目で言うわけじゃない。大変、立派だった。生徒も、それを率いた監督もだ。残り3チームは相撲でいえば横綱。対してS中は小結くらいだろうか。来場所10勝すれば、大関昇進かな?というほどの立ち位置だ。
今日話題にする相手チームJ中は、毎年県上位にいる強豪。こちらもまた、監督と生徒が一体となり進化を続ける好チームだ。今大会準決勝では、シーソーゲームで延長戦に入り、激戦の末惜敗した。そんなJ中との闘いさなかに現れた「スクール生K のドリブル」を例に、S.A.が求めるスキルについて、みんなで考えてほしいという願いである。
まずは、次のショート動画を見てほしい。
Rebルーズボールを確保した白4Kが、ドリブルで抜け出そうとしてる。当然そうはさせじとJ中2人がWチームに来た。それをKは上手くかわした。相手の力量を考慮すれば、このワンプレイだけで十分褒められるのだが、敢えて「80点」と私は評価したんだ。そして、あと何をすれば100点になるか?とスクール生に問いかけた。この臨時号は、その解答を説明する場でもあるのだ。
ブログには動画の他、13コマの連写画像を掲載してある。各場面における重要ポイントが説明されてるので詳しく見てほしい。
いよいよ最終13の場面。まず着目すべきは、11の詰めの速さ、スライドで一気に距離を縮めている。徹底して守ろうという気迫が感じられる。そして、さらには6の動き。さっきまでKに寄ろうとしてたのに、パスを見た瞬間(ボールはまだ空中だよ)すでにNのドリブルコースへと身体が向かってるだろう。
ここからは宿題の答えについて話そう。最終場面でKは、Nへのパスを選択した。強烈なプレッシャーに耐えながら柔らかいサイドハンドパス、フリップパスに近い。これらだけでも十分な練習成果だし合格である。ここでふと疑問を持った人はいないかな?「Nがノーマークなんで、パスで正解なんじゃないかと」それ、誤りともいえない。だが、彼らのスピードならほぼ間違いなく、今度はNがWチームにあう。どこかで勝負せねばならないんだ。ならば、PGの責務を果たしたい。いいプレイでもそう簡単にOKをもらえないのがS.A.。だからこそ時間かけて遠くまで学びにくる甲斐があるというもの。
さて、解説の核心に入るぞ。この場面のほんの一瞬前(⑫場面)に、Kはボールをホールドせず右足を軽く踏み込むんだ。つまり、ドリブルで右抜きを選択したように見せる。当然11は右に寄るし、6も一瞬躊躇する。そこですかさずバックチェンジし、ボールを左手に移動、左ドリブルに変える。そして、6の左側にドリブルを仕掛ける。それで抜き去れば100点。「でも……コーチ、6を簡単に抜けるかなあ?」そんな疑問が湧いたら、最高だよね。それでこそ、この動画を取り上げた価値があるってもんさ。コースを止めに来た6をストレートドリブルだけでやっつけるのは大変だろう。だから瞬間抜きでかわすんだ。それをやってこそ、皆の毎回の努力が結実したことになる。これで抜けたら120点だよ。でも、こんな場面が現出した時、思い切って勝負できる人、まだまだ少ない。
ついでに言うとね、仮にKのドリブルスキルがブン爺にあったとしたら、爺さん何すると思う? 6の左チェックに合わせ、左手のドリブルスナップパスを11との間に通す。この段階ならNがもう走り抜けてるから、パスは悠々成功、DEF2人を置き去りにしたまま、Nは4:3となってスペースが広がったフロントコートできっちり点を取るだろう。ブン爺が出すパスはワンハンド。でも、三流ワンハンドじゃない。正真正銘、一撃必殺のスナップパスだぞ。もし、スクール生の君らがこれやったら、140点かねえ。同じシチュエーションで試せば、何人かの生徒はできそうだ。そのくらいにレベルアップしてきてはいる。でもねえ~。ゲームの中で閃いてこれがやれるかとなると、??だなあ。NBAプレイの実現とはそういうことなんだ。求めても叶わないかもしれない。しかし、頂上目指さない人は、360度のパノラマを見ることがない。1人でも多くとともに、頂上に立ちたいと強く願う。 バスケに生かす1%の閃き https://saschool-blog.com/?p=3088
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