練習生原稿94「Spot解説 ミートからのドリブル1:1」 Sugi Academy R4.6.26
パスを受けた直後に1:1をする場合、大別すると3つの場面が考えられる。原稿やブログを何回も読み直してる人はわかるだろうが、一応再掲しておく。R2.12.20配信ブログ「ドリブル1:1練習はケースを分けて」中で説明したのは、以下である。 ケースを分けて https://saschool-blog.com/?p=540
①自分の動きが速くて、DEFをわずか引き離している
②DEFの動きが良く、自分がわずかに負けてるが、パスはぎりぎりもらえる
③自分とDEFがほぼ互角で、パスは十分もらえるが、即、抜ける状態ではない
そして、この①②に関しSpot解説したのが、R3.12.17「Spot解説 ミート場面 1:1 ターンのテク」だ。少しテクニカルで難しかったのか、R5.6末でまだ74ビューと異様に少ない。確かに①②のケースは比較的出にくい。どっちかといえば、中上級以上で必要な技術。だが、③についてはしょっちゅう出てくるケースだ。今日は其処のトレーニング法を「Spot解説」しよう。初級→中級、中級→中上級、中上級→上級へとステップアップするのに、不可欠な技術だぞ。 ミート場面 ターンのテク https://saschool-blog.com/?p=2210
まず、ボールのもらい方。ポストアップからなら、必然的にゴールと背面でレシーブするが、通常は、キャッチの瞬間に、ゴールと正対せねばならない。それはなぜか?
DEFの寄りが速いと、簡単に内側を向けない場合もあるが、特段の理由もなく図1のようなレシーブをする人が多い。パスを受けるというだけなら、これで動作は完了する。でも、ゴールを脅かしたいんだろ。それにはいち早くシュートやドライブに向かえるスタンスが重要だ。だからパスキャッチとほぼ同時に、身体がゴール方向を向くようターンするのだ。
これに用いるのが、クオーターミート。空中でボールキャッチしながら、身体を90度捻って着地する。ボディコントロールのファンダでも重要なスキル。S.A.ではこれをリトルの時から学ぶ。図2の例なら、「左足でジャンプ→空中でボールキャッチ→ 身体を右にねじりながら90度ターン→右足・左足の順で着地」となる。これ出来ない選手、凄く多い。着地がアウトサイドフット(この場合は左)になってしまったり身体がねじりきれなかったり、着地足が揃わずバラついたりする。両足先が揃う着地(スクエアストップ)にすること。そして、なかなか習慣化しない重要事項が、ストップと同時に作るべき「シュートセット」。止まってからよいしょではない。ミートが終わるタイミングで、シュートモーションも完了してることなんだ。*スクエアストップは、S.A.が推奨してるスキル。多くは昔ながらのストップを用いるケースが一般的か。 関連 ストップスキル https://saschool-blog.com/?p=3205
パスを受けたとき、シュートエリアならまず、シュートセット。例外はあれど、それこそが大原則。相当意識すべし。だが、シュートには少し距離が遠いとか、DEFの詰めが上手くてセットしにくいなどという事態が起こる場面もある。そんな時の動作の原則は何だろう?できるだけ早くスタッガードスタンスを作り、1:1ドライブ勝負を狙うことさ。むろん、パスで繋ぐことも考えられる。だが今は、1:1をどうやるか論じてるからね。攻めきって自ら得点ゲットするのだよ。
さて、ここからが攻撃開始。シュートレンジ内なら、最初の一撃は「シュート狙い」シュートセットから即、ジャンプシュートする。(ジャンパーが出来ねば、跳ばずにシュート)長い距離をいきなりは無理。だから最初は、2m位でショートパスミートから練習する。何百回もドリルしフォームが身についてきたら、30cm位ずつ距離を延ばしていくんだ。シュートはすぐ上達しにくいので、根気が要るね。第二撃は、シュートセットからドライブへの変更。シュートに対し、DEFがブロックしようとする、そんな場面では簡単にドリブルで相手を抜ける。要するにチェックが甘けりゃ「シュート」、ブロック跳びそうなら「ドライブ」ということ。それを見極める目が大事だ。
ドライブのケースでも幾つか練習すべき事があるが、まずは2つ説明しよう。オープンステップドライブとクロスステップドライブだ。図2のケースなら、フリーフットは左足。その足をそのまま左方向に踏み込み、DEFの左側を抜き去る。2つ目は、左足をDEF右側に移動して(つまりクロスステップ)相手右側を抜き去る。これら2種を、トラベリングしないよう何度も練習する。クオーターミートでは、図2とは反対方向にターンする場合もある。当然ストップ足の順番やフリーフットも入れ替わるよね。だから、右足がフリーフットになったケースも練習せねばならん。同じパターンだが、全部で4種類やるんだね。
最後に注意をもう一つ。ドライブで抜きに行く際、何気なくすぐボールを突く人が多い。それはやめるべし。特殊なフェイクステップなら例外はあるが、まずは足を動かし、その後ボールを離してドリブルする。「DEFを足で抜くイメージ」を持つべきだ。変な癖つけるなよ。
ブンコーチが言ってたシュートには遠い位置でのレシーブ。黄3の中2女子に注目。パスミートと同時にゴールを見てる。相手DEFは当代の県トッププレイヤー、詰めるのがさすがに速く、やすやす抜かせてもくれない。OFFの足位置や仕掛け方向など、多少考えるべき点は残るが、DEFの強さにひるまず、一気に勝負したのは見事だ。
DEFしてる男子は中3。全国中体連優勝した四日市メリノール学院とも、堂々戦えるスキルやハートの持ち主。そんな強者相手に、中2女子がひるむことなく1:1を仕掛けた。さすがに抜けないけど、逃げて負けてはいないよね。コーチは、そこを最大限讃えてくれたんだ。最後のパスも、1%の閃きだったのかなあ?
うちの娘がこんなプレイできたのは、びっくりだし凄く嬉しい。確かな目標を持ってゲームに臨んだ成果なのかしら、それにしても……。浅いキャリアや気持ちのためらいなどの問題で、実力を発揮できずにいる多くの選手達に、少しでも役立てば最高だわ。
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