デイリー配信  名言の誤り、それでも山は魅力的

人はなぜ山に登るのか?   R3.5.1 LINE新着配信

このように質問され、イギリスの登山家ジョージ・マロリーは、「そこに山があるからさ」と答えたといわれてます。哲学的な精神論を示す有名な話として、小耳にはさんだことがある方も多いのでは。しかし、ここでいう山とは世界最高峰エベレスト山のことです。20世紀初期の話で、誰も登頂したことのないエベレストに登りたいという思いは、登山家として至極しごく当然だったといえます。つまり、「なぜ、エベレストに登りたいのか?」という問いに答えたので、単純に「そこにエベレストがあるからさ」が正しかったのでしょう。決して、山登りを人生にたとえたわけじゃないのです。過去の偉人の言葉には、誤解されてるものが多いです。

山登りって、本当に疲れますよねえ。学生の頃、遠足で山登りなんて聞くと「え~、マジかよう」と思ったものです。それに、本格的登山となれば、疲れどころか命の危険さえあり得ます。特に冬山登山の危険度は半端はんぱないです。尾根に積もった雪が固まってせり出し、雪庇せっぴを作ります。一見しただけでは、道があると勘違かんちがいするかもしれません。踏んだら谷底です。雪崩なだれに見舞われることだってあります。夏山だから安全ともいきません。がれ場(斜面が崩れ大きな岩がゴロゴロしてるところ)の浮き石でも踏めば、そのまま滑落かつらくです。気温上昇に伴う脱水なども恐いですよね。「苦しい、危ない」それらを押してなお、登山へと向かわせるものは何なのでしょう?登山が本業なら理解しやすいですが、趣味で登る人だってかなりいますよ。

私は登山やりません。元々根性なしの上に、膝のケガ等が原因で1時間の歩行も耐えられないでしょう。でも、たまに「元気だったらなあ」と、不似合いなことを考えます。若輩じゃくはいの頃にはなかった感覚です。変化に富んだ植生美しい花畑壮大な景観延々伸びる開放感天に近いところにいるという臨場感、言葉を並べてるだけですが、間違いなく気分は高揚こうようします。登山に魅入みいられた人達は、きっとそれらを実感してるのだと思います。自然の一部になって……。何だかうらやましいですね。

1953年に、イギリス探検隊のメンバー、ニュージーランド出身の登山家エドモンド・ヒラリーとネパール出身のシェルパが、初登頂したエベレストの標高は約8,848メートル。マロリーは、1924年6月、3回目の遠征で命を落としました。マロリーの最期は、死後75年にわたって不明でしたが、1999年5月1日に国際探索隊によって遺体が発見されました。頂上至近までいったのは事実らしいですが、トップにたどり着いたのかは未だに謎だそうです。

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