バスケ配信  Spot解説 ボールレシーブで勝つ

練習生原稿83「SPOT解説 レシービングボールの原理を学ぶ 」   Sugi Academy  R4.1.13

パスをレシーブする方法はたくさんある。数多く知って使えるほど、ゲームで有用だ。そのための幾つかを紹介するが、「DEFに勝ってボールをもらう」ことの意義を第一に理解してほしい。どんなやり方でも、勝てさえすればいいんじゃない。ここにも、ファンダの流れは存在する。それを無視し小手先の技に終始すれば、プレイが小さくまとまってしまう。

ブンコーチ
ブンコーチ

たとえば、小学生に、スクリーンプレイを早い時期から指導する。これどうなんだろう?少なくも、私は大反対だ。スクリーンが悪いんではなく、物には順番があると言っている。ドリブルやステップのスピード、磨き上げるべき技は余りある。それらを差し置いて、いきなりのスクリーン。理解すら困難、満足な運用に至るはずもない

上級者の1人が、県トップクラスチームと試合し、「モーションOFFのスクリーンが上手くかからないんです。どうしたらいいですか?」と聞いてきた。スクリーンの上手いNBAプレイヤーを知り参考にしたいという。「う~ん、そりゃあ、スクリーナー(スクリーンをかける人)よりユーザー(スクリーンを使って攻める人)の問題が大きいだろうな」と回答。「次回教えよう」という約束をした。スクリーンプレイだって奥が深い。未熟な選手達にやるべきことじゃない。ボールレシーブの基礎基本や1:1を、ガッツリやってからのスクリーンプレイでありたい。レシーブについても、同様の目で、以下の文章を読んでほしい。

パスレシーブに於いて、「DEFに勝つ」とは、どういう状態なのか、皆さん答えられるかなあ?次の3つをいう。

①DEFの隙を突いてゴールカットし、ノーマークシュートに繋げる動き
②インサイドでのパワーバトルによく見られる場所取り技術。たくさん動き回るんじゃないが、ボールに対して有利な位置を占める。 3.3.13配信ブログ「スキルアップのファクター」等。https://saschool-blog.com/?p=1031
③外回りのパスで主になるのが、DEFを振り切ってボールを受ける技術

今日の解説は③。「振り切るために必要な条件」は2つ。脚力の強さ(足の速さ)振り切りに使うステップの素早さ(ステップ技術のなめらかさ)である。質こそ違えど、これら2つは「いかにスピードを高めるか」を主眼としている。育成年代でまず取り組まねばならないのは、ここなんだ。DEFをだまして抜くことじゃないし、小手先技術でごまかすことでもない。

マニア父
マニア父

育成年代とは、小・中生のことだと思ってたけど、普通は、高校生まで含んで言うらしい。つまり、高校生だから「大概たいがい出来る」というのも勘違い。Bunコーチが、「私らは、選手の未来を預かってる」と言ってたなあ。年齢や経験年数ごとに、やるべき練習内容や量は当然変わるけど、ファンダメンタルドリルを無視しての上達は、あり得ない物だと、身にしみて感じるようになったね。日本協会のプログラムでも、最近はその辺りを明文化してるようだよ。

プレッシャーをかけてくるDEFの胸辺りに腕を当て、インサイドに少し足止めしてから、外方向(ゴールと反対方向)に飛び出す技がある。押し込まれたDEFに対し、ほぼ直角に飛び出るため、確かにDEFは追いかけにくい。従ってボールを安全にレシーブできる確率は高い。このプッシュバックというスキル、役立つし、どうにもしつっこいDEFをかわすには不可欠なもの。だから、身につけるべきなのだが、スピードを鍛える前に覚えちゃダメなのである。ドライブのスピードを鍛えずして、チェンジのスキルばかり習っても上達はない。より正確には「すぐ上達の壁にぶつかる」それと非常によく似たケースである。将来にわたり100%の伸びを達成させるには、ファンダ指導の系列をもっと深く学ぶ必要がある。もちろん簡単でない。でも、多くの人は自分の知ってる方法だけ、経験してきたことのみで対処しようと考えるのだ。「上手くいくならいいだろ」とクレームが飛びそうだが、プッシュバックをモノともしない身体の強健きょうけんなDEFもいる。そんなDEFに出会ったらどうするのか?それに、ハンドチェッキングがうるさくなったので、目に付く押し方をすれば、OFFファウルにもなりやすい(このファウルを プッシュオフ 押しのける という)。また、外に飛び出す動きは、ゴールから離れるという意味。仮にボールを持たれても、DEFは何もこわくない。しかもレシーブの多くは、身体が外を向いた状態で行われるだろ。その後のプレーが完全に一テンポ遅くなる。プッシュバックからのIカットを使い、パスレシーブする小中学生を何回となく見かけたが、諸々もろもろ理解した上でやっているとは、とても思えないのだ。

可能性の芽を最大限伸ばすには、まず、スピード養成。それも筋力トレーニングじゃない。小学生に筋トレなどほぼ無意味、普通に走り回ってればいい。スキルの正しいやり方を学び、反復練習により、スムーズな動き作りを行うことだ。スキルアップ推進派の私としては、ジュニア以上に、前述①~③の指導を極めつけ多く行うが、まずは①③。プッシュバックは、どっちかといえば②に近い技術だ。育成年代は、アウトサイドフットターン(通常キックターンと呼んでる)の練習をた~くさんやろう。そして、V カットスキルを極限まで伸ばすのだ。中高生でも、このVカット、本当によくこなせてるか?もちろん素晴らしいバランスの選手もいる。しかし、私の目には、まだまだと感じる人が少なくない。本人や保護者・指導者がそれに気づいてない、ということなんだろう。しかし、そんなファンダを十分身につけても、通用しない強烈なプレスはある。それはまた、1段階上の話。「ビート オーバープレイ」の解説は、別の機会に。

今回はSpot解説なので、練習上で勘違いしやすい点を中心に話した。1つ1つのレシーブ技術については、3.9.25配信ブログ「カッティング18種と使い方」を参考にしてほしい。種類ややり方だけでなく、重要な注意も網羅もうらしてある。改めて読み直す機会にしたい。R4.5段階で95ビュー。少なくもないが、もう少し読みが入ることを願おう。 https://saschool-blog.com/?p=1910

N
N

脚力スピードの高いDEFを相手にするのとても大変。走りっこすると、大概ボールとられちゃう。運良くパスが通っても、つぎはそこからの1:1、なかなか勝てないわ。でも、カッティングの種類を考えステップスピードを高めたら随分抜ける本数が増えたのよね。ボールレシーブの直前に、Vカットなど使ってDEFと少しのズレを作る、ものすごく大切だと実感できるようになったわ。

R5.9現在、スローインレシーブのドリルを深掘りしてるわ。主に、V・L・Iカットを組合せ、走りっこして勝つのではなく、タイミングいい動き出しや方向変換という技術に力点を置いた練習。意外な所でノーマークができ驚きがあるのよ。合わせて、パスの狙い所やさばくテンポなども学べるので、レシーブだけじゃなくペイントアタックにも応用でき、すごく役立ってるわ。そのうち、実戦的なSpot解説があるようです。 粘るDEFを破る https://saschool-blog.com/?p=7012

ブンコーチ
ブンコーチ

例えばドライブ。ボールハンドリングの向上を強く願う選手は多い。それで、ドリブル練習をたくさんやる。だがボディコントロールが下手では役立たな。そういう認識が弱い人は、上述したようなレシーブドリルも軽視するもんだ。片方だけでは、研磨けんましてない宝石と同じである。魅力はあれど輝きを発せない。もっとボディコントロールドリルを大切にしてほしい。

幾種ものドリブルと方向変換のステップ・体重移動・クイックネスなどが揃うことで、初めて対人で使える1:1のスキルとなるそれこそが本当のハンドリングスキルということだ。その場でいろんなドリブルを上手く突けることは、順番として大事ではあるが、器用にボールをコントロールできても、それだけではハンドリングの基礎にすぎない。「ボールとボディ」コントロールは表裏一体ひょうりいったいだ。

パッシングについても、同様なことが言える。パスそのものの上手さを鍛えるのはむろん大事。だが、それをレシーブするボディコントロール技術があってこそ、完全な成功を入手できるんだ。いいチャンスである。過去配信ブログを読み返し、ファンダ認識を新たにする、モチベーションもきっと高まろう。

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