4.1.16配信「S.A.瞬間抜き動画」https://saschool-blog.com/?p=2296 に見られるようなドライブをするには、ドリブルファンダ練習からの積み上げが不可欠。短期間で叶うなどと決して思ってはならない。今日は、その辺りについて説明しよう。モデルの中心は中学1年男子だ。まだ中1なので、完璧までには時間がかかるが、ゲーム中の1:1場面でも有効に使えるレベルにいる。格好だけの見世物的ドリブルではない。それも、長い間の鍛錬によるものだ。初級者は無論、全国にあふれる「バスケ経験数年の中級者」諸君も、参考にしてほしい。
練習生原稿84「初・中級 ドリブル姿勢に要注意」 Sugi Academy R4.2.18
ドリブルが下手で困ってる人は多い。特に、小学校低学年は全然ダメなんてケースが目白押しだ。だからといって、中級者は不要かといえばそれも違う。上級者は、ドリブルの最中、ボールなどほとんど見ていない。感覚的にボールの位置や引くコースなどを知っている。まるで手のひらに目玉が付いてるかのように……。見るべきはボールではない。OFFの散らばり、DEFの位置や動き、空いてるスペース、カッティングに伴う人の流れ、そういったものである。だから、「ボールを見ないとドリブルがうまく出来ない」というのは完全に初級者であり、時々見てしまうのはせいぜい中級レベルなのだ。
今日は、ドリブルがうまくなるための練習法を解説しよう。初級だけじゃなく、中級レベルを抜け出せない人達にとってもかなり役立つだろう。中級といっても、大きくA~Cの3ランクある。自分がどのランクなのかきっちり判定できないだろうが、動画を見て比べてみるといい。モデルの2人は中1なので、まあ、中級のA or B としておく。(ゲーム中でも結構熟せるので、少し甘め採点なら、上級C 位かな)初級者は、これを見て「すげ~」と思うだろう。でも、バスケの上級プレイヤーを目指すなら、この程度のことはやれて当然。頑張ってドリルすべしだ。
いろんなドリブルを動画撮影しているが、全てに共通する「重要な心構え」を先に記述しておこう。いずれのドリブルも姿勢が大切。それは、3.3.13配信「スキルアップのファクター」で確認を。https://saschool-blog.com/?p=1031
①基本姿勢はパワーポジション。ただし、ドリブルなので前進することを意識してやっている。ということは、いくらか体重が前にかかるのは自然だ。だが、この時、背中が丸まって視線が下を向くのは、絶対ダメ。背筋が伸びフェイスアップする。これを保てねばならない。
②フェイスアップが出来ても、視線がまっすぐ見っぱなしはダメ。首をあまり動かさず、目玉をキョロキョロさせながらあちこちを見る。できれば、ただ見るんじゃなく、何がどうなってるか、誰が何してるかまで確認しながら見るんだ。動画10「Zチェンジ グループ」には、小4が3人入ってるが、誰一人下を向いてないだろう。遠いからわかりにくいが、全員目玉を動かして、あちこち見ながらボールを突いているぞ。
③ボールは、原則ホールドしてはならない。叩くのだ。そうすることでドリブルスピードがアップする。ボールの高さや引きのタイミング、叩く方向などすべてブログで解説済みである。 *ブログ配信例 3.4.27「ドリブルの進化論」等。「ビハインド」と「ロール」は、スポット解説してないので、今回のメニューに入れてないが、本来はそれらの練習も入ってくる。 Spot解説 https://saschool-blog.com/?p=3048
初級者は特に、①~⑥のドリブルを何回も繰り返し練習せねばならない。(①⑤は逆の手足でもやること)③をやってる生徒は、Cプレイヤーだ。それでも、全てのポジションに対応できるようこのようなドリルを反復する。6つとも、姿勢・視線・手の使い方(手のひらの向きや切り返しかた)などに十分注意してほしい。細かな注意点は、他の原稿で説明済みなのでそちらを参照のこと。次は、ハンドリングを高めるやや難しいドリルだ。動画をよく見て、ドリブルの種類と順番を学ぼう。主に中級者練習用だが、初級でも、ある程度力が付いてきたら取り組んで構わない。だが、①~⑥がおぼつかない内は、そちらに専念すること。オーバーコーチングは上達を妨げる。
⑦⑧とも、右側からの仕掛けで始めている。この後、左側からも全く同様に行う。⑦の3種類目ドリブルは、ドリブルシェイク。「インサイドアウト」と一般に呼ばれるスキルだ。技術講習会等で紹介されたのは、25年くらい前か?余り定着したとはいえなそうな技術。でも、細かな点に気をつけると、結構有効なスキルだ。ヘッドフェイクとトーフェイクが入ってるのがおわかりか?それにより、DEFを左に引きつけ、右へのストレートドリブルで抜けるんだ。
⑨は、⑧のドリブルを歩きながら実施している。ステイで出来ねばやってはならない。グチャグチャになってしまうからだ。見てわかるように、姿勢がかなり低い。それはドリブル自体が低いからであり、それがS.A.のドライブなのである。それでも視線は前を向いてるだろう。この姿勢を維持するのは、足腰の強化にも役立つぞ。⑩のグループドリルでも、姿勢や視線を常に留意し練習している。
ハンドリング練習をしながら、広角視野を養う、そして一瞬にして状況判断する、このようにドリルすれば、非常に効率よくスキルを高めることが出来るのだ。リトルの生徒にそこまで要求するのは酷なので、少しずつフェイスアップする努力をさせればいい。だが、ジュニアがそれでは困る。視野については、3.4.12配信ブログ「身体能力を凌駕する力」を再読。https://saschool-blog.com/?p=1191
ごく初歩的なことだが、困ってる方もいるだろうから、1つ付け加えておこう。ボールを扱うのは手のひら、これは誰でもわかる。しかし、手のひら全体ではない。キャッチ、パス、シュート、そしてドリブル、すべて指の第2関節より先っぽを使う。手のひら部分にはボールが触れない。特に、リトル生はこれを知らないし手そのものも小さいので、つい手全体でボールを扱いがちだが、放置するとそれが癖になり、上達を妨げる。神経が鋭敏なのは指先なので、そこでコントロールする習慣をつけることが肝要。指は力を入れすぎてピンと伸ばしてはダメ。前述の③で、ドリブルのボールを叩くと書いたが、指を思い切り張ってハエたたきのようにするのじゃない。指の形に丸みを持たせ、先端の方でボールを叩くという意味である。
ドリブルスキルをアップさせる、ハンドリングのファンダドリルはまだたくさんあり、スクール練習では、より多くの種類をドリルしている。スクール生以外の訪問者皆さんには、その全部を紹介できないが、今回説明したものを練習するだけでも、かなりドリブルが上達する。但しやり切らないと、効果は薄い。継続的努力を期待したい。
ドリブルの高さは、腰・膝・足首の3種、初めて知ったわ。しかも、腰の高さで突くときは、肘から下の腕の動きを意識し、膝高では手首を使い、足首の高さでは指先だけで突くイメージなんですって。そんな風に使い分けることが上達のコツでもあるのねえ。S.A.のドリブルや瞬間抜きのブログ記事、読み直そっと。
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