バスケ・デイリー配信  「ハンドチェッキング📷、バスケ革命のスキル」「メルボルンの魅力」 

豪ビクトリア州の州都    R2.5.8ライン配信済み 
シドニーに次ぐオーストラリア第2の都市であり、イギリスの政治経済誌「エコノミスト」の調査機関による「世界で最も住みやすい都市ランキング」に2011年から7年連続で1位に選ばれていました。長女はオーストラリアステイ経験がありますが、親の私は……トホホ。私は、大都市型文化圏やアーバンライフには余り関心がないです。自然の雄大・荘厳・繊細な景観にこそ興味がある。しかし、そんな私でも、メルボルンには魅力を感じます。

緑豊かな公園、歴史ある建物と近代ビルが融合した美しい街並みは、別名「ガーデンシティ」と呼ばれ人々に親しまれているそうです。また、メルボルンはお洒落しゃれなカフェ文化が根付き、エネルギッシュなアートが発信される都市でありながら、少し郊外へ足を延ばすだけでダイナミックな自然や、愛らしい野生動物との感動の出逢いを楽しむことができる多彩な魅力にあふれているといいます。

「レーンウェイ」と呼ばれる石畳の小さな路地にある洒落たカフェやレストラン・ショップなどを楽しみ、見応え十分で高貴な外観を誇る「ロイヤルエキシビションビルディング」という世界遺産を堪能たんのうする。ビザンチン・ロマネスク・ルネッサンス建築様式が融合するらしいです。

               

練習生原稿97「ハンドチェッキングの歴史」    Sugi Academy R4.7.20

ブンコーチ
ブンコーチ

バスケのスタイルってのは、時代とともに少しずつ変わっていく。時には、古い技術や戦術が復活することだってあるんだ。ここ数年耳にするパックラインDEFだって、数十年前に自分たちがやってたDEFに酷似してる。大事なのは、単なる新旧ではなく、その効果や狙いとするものの価値見合うかどうかなんだ。今回の「ハンドチェッキング」は、ルールに関するものだが、スキルとの関連が非常に深い。その是非について多くの意見があり、一概に賛否を言えないが、良くも悪くも「バスケ革命」を起こしたのは事実。究極的な個人スキルを求めるS.A.生としては、絶対的理解が必要だね。

幾つかの記事で既述のように、私がNBAに関わりだした頃はプレイが非常に荒っぽかった。ところが、2004年を境にNBAのスタイルが大きく様変わりしていく。NBA狂いが一段落し、TVからすでに離れていた頃である。だから、プレイスタイルの変化を身近で確認してはいない。だが、いろんな情報も加え、NBAの今と昔を比較し、ルール改変がもたらしたプレイの質の良否を楽しんでみたい。プレイスタイル激変の主因が、「ハンドチェッキング」というルール。まずはそこから説明しよう。

アメリカの夢 https://saschool-blog.com/?p=2370  思いもかけずドラフトでコールされたストックトンのサクセスストーリー

名プレイヤー ストックトンのドリブル

DEF選手の左手が、ストックトンの右腰に触れている。これがハンドチェッキング。どう見てもOFF選手の動きを妨げてると思うのだが、当時はこれが許されてたんだ。例えば、この状態からリトリートする(後ろに下がる)と、DEFは手で触れたまま追いかける。だからボールは常にDEFの射程圏にあり、OFFがちょっと油断でもすれば、すぐカットされたんだ。現在のNBAでは、DEFが離れてるからリトリートが楽だし、そこからレッグやビハインド、フェイクステップなどやりたい放題出来る。そして、ハンドチェックされたOFFだって、やられっぱなしにはならない。ストックトンの右手を見てごらん。払いに行ってるだろ。こういうのがエスカレートして、プロレスみたいになったんだね。

ハンドチェッキングとは、DEF選手がOFF選手の動きを妨げない限り、手・腕で相手に触れることが出来るというもの。ブン爺がNBAを見始めだしたとき既に、このルールはNBAにあった。ただ、「OFF選手の動きを妨げない限り」という文言もんごんは、非常に曖昧あいまい。なかなか、解釈の統一が出来ず審判も含め、やがてNBA選手達が適宜てきぎ都合のいい解釈をし、結果激しいコンタクトが頻繁ひんぱんになったのだ。「バッドボーイズ」と言われたピストンズなど、その最たる例であろう。当然、取れる得点は減る。「これバスケの試合?プロレスじゃないよね」NBAでは100点ゲームが珍しくない。でも、1990年代には、90点代のゲームがグッと増えたんだ。点数は減っても、ハンドチェックが選手同士のガチガチのせめぎあいを引き出すので、見ごたえがあったと表現は出来る。だが、ジョーダンというスターの引退が近づくと、人気が低迷することを恐れたリーグは、新たなスターが生まれやすいよう「ハンドチェッキングの廃止」を打ち出した。OFFが派手な方が客に受けやすいので、まあ、その心配は理解できる。実際、さわられなくなった俊敏しゅんびんなプレイヤー達(主にPG.SG.SF)は、それまでと比べ随分ずいぶんと自由な動きをすることが可能となった。その節目が2004年なんだ。ハンドチェックがあった90年代に比べ、よく動き回る選手が大活躍し、見栄みばえのする試合に様変わりしたNBA。派手なパフォーマンス、大量得点、OFFスターの続出、観客は大いに喜びリーグの目論見もくろみは成功した。

ブンコーチ
ブンコーチ

ジョーダンという超派手なOFFモンスター(DEFもバカ凄いけどね)の引退。その後、華やかな選手が出やすくなるよう、「ハンドチェッキングの廃止」が打ち出されたってのが、裏事情なんだろうね。最近(ブンコーチのこのコメントは2024年に追加したもの)やたらと、「レジェンド選手と現役選手」の実力、どっちが上?なんて比較記事を目にする。みんなそれぞれ、プライドがあり好き好きの贔屓ひいきがあるから、勝手なこと言ってる。でもね、「ハンドチェッキングの廃止」より前と後を簡単に比べること自体、相当無理があるとブン爺は思う。そういう理解がないと、感情任せの幼稚な発言が出やすくなるぞ。

2004年を前後にまたいで活躍したプレイヤーもいる。事故で亡くなったウルトラスーパースターのコービー・ブライアントは、「もしハンドチェックが許されるなら、OFFは基礎的な技術をしっかり身につけないといけない。ディフェンダーを抜き去るには本当のハンドリングスキルが求められるからね」と語った。つまり、ハンドチェックが禁止されると、得点を取るのが楽になると言っているわけだ。事実、ハンドチェックが禁止された後、コービーの得点が爆発。2005-06シーズンには、1月の平均得点は43.4点、そして1試合81点など、常識外の点数を記録した。40~50点を超えるゲームは、その後何回も見られた。彼は、NBAプレイヤーのフィジカル(身体の強さ)がユーロ選手より落ちてるとも言い、過剰かじょうな保護は競技レベルの向上を妨げる、と警告したのだ。

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ハンドチェッキングがOKだと、DEFがタイトについてくるから、レッグやビハインドなども使いにくいっていう意味、最近流行してるドリブルも十分活用できないってことか。昔ながらの普通のドリブル、その基本を徹底的に練習し確かな技術にする。それが強く求められてたのかなあ?激しくプレスされてるイメージかもね。現在だって、タイトにマーク されることはある。そう考えると、キープドリブルのスキルはかなり重要だなあ。S.A.流ドリブルはもちろん練習するけど、コービーさんの言ってたこと忘れないようにしよっと。

90年代までは、CやPF中心のビッグマンゲームが多かった。49年間で、MVPに選ばれたC.PFは、34人と圧倒的。残る15人がアウトプレイヤーだが、このうち11回は、ジョーダン・バード・マジックというハイパーモンスター達の複数受賞だった。ハンドチェックされると、ドリブルでうっかり振り向けない。簡単にボールをスナップされちゃうからマジックがしょっちゅう半身のままドリブルしてたのを思い出す。R3.10.24配信「キープドリブル」https://saschool-blog.com/?p=2063 で解説したごとくである。そんな状態から、ガンガン相手を抜き、バシバシシュートやパスを決めた。このように見ると、彼らの凄さが改めて際立きわだつよね。だから、多くの名選手達が、コービーの意見に賛成するのは無理もない。大きな問題点かとは思う。一方、ハンドチェック廃止後は、運動量豊富なガード陣中心に、速いゲーム展開でよりシンプルにゴールを目指し、3ポイント主体のシュートとPnRを多用してスペースを上手く作る。そんなペース&スペースという新スタイルのバスケが生まれた。DEFプレッシャーの低下から、よりよく動けるようになったペリメータープレイヤーと呼ばれる選手達の活躍場面が目立つ。それが現在のNBA。実際、MVPに選ばれるのはほとんどがGやF、ビッグマンの役割は減り、チーム作りもDEFよりOFF重視型が主流といえよう。ドライブの進化も凄い。これはS.A.でよく紹介しているとおりだし、あのバードでさえ、現在ルールでのペリメータープレイヤーの攻撃は、僕らでも防ぐのは難しいと言っている。 ペリメーターとは、フリースローレーンと3点ラインの間のスペースのこと

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この数年は、ちょっと傾向が変わり、ビッグマンが連続でMVP受賞してる。でかいのに外からのプレイもできるんだ。コーチのバッシュモデルになってるヤニス・アデトクンボなんて新世代型PFのビッグマンだよなあ。*トンボじゃないよ。NBAを代表するトッププレイヤーの一人、ギリシャ人。そしてここ3年は、CプレイヤーのMVP受賞者が出たねえ。デンバーナゲッツのニコラ・ヨキッチ、フィラデルフィア76ersのジョエル・エンビード。スリーも打てばパスもする。コーチが言う。彼らを素直にセンタープレイヤーと呼ぶのには、爺さん少し抵抗あるなあ。まあ、昔からず~っと、「全ての選手があらゆるスキルを磨け」と言い続けてきたのは事実なんで、そういう意味では嬉しいけどね……。R5.10加筆

パッシングゲームの妙味は無論のこと、進化し続けるドライブスキルにも大いに興味がある。カリーによる3P革命も含め、それらは全部、ハンドチェック廃止がもたらした産物であろう。ハンドチェックがあれば、今ほど自在に3Pを打つことさえ難しい。「廃止の良否」は意見が割れるだろう。現在のNBAルールでは、DEFは相手がゴール周辺で背中を向けてるとき以外、相手に手を添えてはならないとある。同時に、DEFは相手の動きに影響を及ぼさない限り、いかなる場所でも瞬間的に手が相手に触れて良いとも……。依然ジャッジは未統一、今後どうなるのか。エンタテイメント性は高くなったが、フィジカルの弱体や真のスキルアップに問題が残るも事実。

例えば、3Pラインの外では「ハンドチェックOK」なんてルールはどうなんだろう?スピーディなドライブやパスを生かしながら、ガチバトルも見られそうだけどねえ……。

M
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ハンドチェックも含め、ファウルになる基準が難しいですよね。これはどう考えたらいいですか?

ブンコーチ
ブンコーチ

シリンダー理論というのがある。簡単に言うと、DEFでもOFFにも自分優先の空間があるという意味だ。次の図を見てごらん。国際ルール(当然日本も)では、特に重視しているね。最近のルール改定でクローズアップされてるけど、真新しいものじゃない。昔からあるよ、多くが知らなかっただけ。シリンダー理論とアームバー https://saschool-blog.com/?p=4092

今回細かな説明まではしないが、左図のように円筒形(シリンダー)の中は自分の空間なんだ。そこに相手が入ってきて接触が起きた場合、相手選手に責任がある。DEFファウルかOFFファウルかは、それが判断基準となるのさ。あまり単純じゃないので、詳しくは上のリンクを見てね。

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