バスケ配信  ポンコツ寸前、将来期待の有望選手

練習生原稿62「練習と休養Ⅱ」   Sugi Academy R3.1.27

原稿14の改訂版である。半分ほどは同様の文章だが、実例を挙げてみた。多くのスポーツで「練習のやり過ぎ」による疲労やけが、モチベーションの低下などが見られ、時としてマスコミ等にて大きな話題となる。 *現実には水面下に隠れることが多い。
話は少しさかのぼるが、3年前のサッカーワールドカップロシア大会。西野監督は、本大会前からゲームを消化するたびに休日を入れた。本戦終了翌日も毎回練習をオフにして、家族との語らいや食事の機会などを作った。余り多く報道されなかったが、いくつかのメディアから結構揶揄やゆされた(からかい小馬鹿にすること)ようだ。だが、戦力やゲーム内容をかんがみれば、元々市場価値でぐっと劣るチームが残した足跡は、十分な評価に値するものだった。

長いバスケ指導歴の中、私は過度の練習に対し否定的な姿勢をずっと堅持けんじしてきた。そうした姿勢や意見に関し、多くの人が余りいい顔をしないのが現実なのだが……。1992年から毎週第2土曜が休業日となった。(95年からは第4土曜も)それを機に、私は第2・4は部活を休みにした。2002年からは全ての土曜が休業となり、土曜は極力休み、無理なら日曜を休むという方針を貫いてきた。月・木は部活がないので、私の場合、練習は週4日、しかも中体連の申し合わせに従い、土日練習では午前か午後のどちらかだった。最近は、全国的にスポーツ庁による部活動休養日案が実施されている。競技特性やシーズン、部員数や練習環境、保護者からの期待など十把一絡じゅっぱひとからげにできない要素はあるが、総じて私は反対派ではない。

あるとき、「有望選手」が入学してきた。小学校を卒業したばかりにしては、確かにうまい。だが、1時間ほど経つと決まってポテンシャルが落ちる。「こいつ、手抜きかな?」とも思い、本人に確認してみた。すると、膝が相当痛むらしい。知人の名人鍼灸師しんきゅうしに見せると、あと2ヶ月遅ければ、完全に壊れてたよと言われたのだ。それから、定期治療で、負担を軽くしながらのバスケ生活がずっと続いた。半年~1年も休んで治療すれば直ったろう。だが、それは本人も親も耐えられない。私としては複雑である。ぎりぎり3年間やり遂げ、強豪私立監督から、県NO1のお墨付きをもらい進学した。私は勧めなかった。膝の状態を知っていたので……。本人の進路ゆえやむを得ない。だが、予感どおり、彼は実力に見合う十分な活躍をできず高校生活を終えた。

ハードな練習を否定してるんじゃない。厳しさを求めない練習に効果が出るはずはなく、結果が伴うこともない。発育段階や現状(体調・モチベーションなど)を考慮した練習なのかということだ。「厳しさの質」について提言ていげんしている。例えば、小学生相手に土・日のほとんどを練習に当てるなど、本当にそれが厳しさなのか? 少なくも私は、練習メニューの質そのものや徹底して無駄を省いた練習計画に、厳しさを求めてきた。小中学生は成長が未熟である。ならば、完全な個人的自主練は別として、学校単位での練習は十分配慮されるべきであろう。 スポーツ障害の回避 https://saschool-blog.com/?p=2656 

「S.A.練習で気に掛かること」に話を移そう。チームで練習をし、その上、S.A.にてドリルする。日曜のチーム練習が休みならまあよい。スキルアップを求めてやって来る生徒達ゆえ、そこは我慢だ。だが実際は、日曜日にも練習が入り(練習試合や大会も)ほとんど休めていないのではないだろうか? S.A.でも2年前から日曜練習日を設定した。自チーム練習時間・練習試合・大会・招待試合などという多忙な事情を抱え、来たくても練習に参加できない生徒を少しでも救えればという「私なりの願い」なのだが、結果として、彼らやその親の自由時間をさらに奪うことになった。何という皮肉であろう。「S.A.の目的」に照らせば、こんなスタイルを維持するほか妙案はないが、常に、私の心からイライラは消えなかった。まあ、唯一の救いは、ミニの練習は平日に休みが多めなことかな。

そこで、S.A.の練習、土曜・日曜両日参加できる人でも、どっちか1回の参加でいいとした。もちろん、意欲が強く、どうしても来たいのなら来ても構わない。ただ、その場合には、自分のコンディションと相談してほしいし、残る僅かな時間を有効に使うことも大切だ。*自ら求めてやる練習と全体一斉練習には、大きな違いはあるが…… これにより、現在、問題の多くは解決している。障害を残してまでスポーツに打ち込むことを「良し」とはしたくない。オーバーワークは厳に戒めよう。複雑に絡み合う現状の中ではかなり無理があるが、そういう意識だけは堅持したい。最後に、「ハードワークとオーバーワークは紙一重かみひとえ」「積極的休養と怠け・甘えも紙一重」と付記しておく。

チームでも、膝とかに痛みを抱えて練習してる生徒多いわよねえ。

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