バスケ・デイリー配信  「審判が好ゲームを支える」「若者よ、高志を持て🏀」

新たな若きチャレンジャー   R5.5.27LINE新着配信

高校2年でバスケ日本代表になった川島悠翔(17)が、今春からオーストラリアにあるNBAの若手養成機関グローバル・アカデミーに加入。昨年の海外での経験から「最終目標のNBAに入る方法を考えぬいた」決断といいます。福大大濠高2年、身長200cmの川島。2021年のウインターカップ(全国高校選手権)で1年生ながらスタメンとして活躍。28大会ぶりとなる同校の優勝に貢献。昨年6月のU16アジア選手権で大会MVPを獲得し、今年2月に日本代表合宿に初招集されたんです。

以前から海外挑戦を考えていたようですが、決断の契機は昨夏。グローバル・アカデミーで開かれたNBAと国際バスケ連盟(FIBA)主催の若手育成プログラムへの参加。「プレーの強度も精度も日本と全然違った。海外でしか身に付かないものがたくさんある」と強く印象づけられ、正式加入を決めたそうです。国内だけでも強豪とやれば、嫌でも感じる強さ・上手さ。それすらも全く及ばない次元の世界があるんですね。スクールの練習で皆さんに伝えたいのはまさにそれなんです。

2月の代表合宿では「どこでどのプレーを選択すれば自分の強みが出せるか、分からず迷った。バスケIQが足りない」と課題を感じたそうです。高校卒業後に渡米し、外角からのシュートを磨いてNBA入りを果たした渡邊雄太が目標。大志を抱き巣立った選手が、ここにも一人居ます。海外挑戦できるなんて人はごく限られます。「日本に帰るのは再び代表に選ばれたとき」と覚悟を込めた川島選手。躍動してほしいですね。

スクールの父兄にも何人か審判やってる人がいる。ゲームやスキルと同じで、審判技術にも歴史があるんだ。試合結果に大きな影響を持つ審判、私らがよく知らないことをブンコーチが解説してくれるって。コーチが自分で体験したこと巡り会った素晴らしいジャッジ、いろんな物語があるんだねえ。そうだ、この機会に次の記事も目を通すといいぞ。トラベリングorセーフ https://saschool-blog.com/?p=3035 ファウルとシリンダー https://saschool-blog.com/?p=4092

練習生原稿 特別号「審判資格とジャッジ」       Sugi Academy R5.5.13

ゲームする上で必要な審判。スクールの原稿とは幾分異質ながら、無視できない要素なので、特別号として書き上げてみた。まずは、昔からあった審判制度を説明しよう。JBA(日本バスケットボール協会)が認める公認審判は「AA・A・公認」の3種類だった。どれも実際は日本公認だが、AA・Aは極端に少なかったので、日本公認と言えば普通「公認」を指し、私達はよくBと呼称していたのだ。(AA・Aはワッペンに表示、Bは色が違うだけで表示はなかったと思う)そしていつの頃からか、県別や連盟別の独自資格である県公認・ミニ公認なんてのが登場してきた。随分昔の話だ。B(日本公認)を取るのは楽じゃない。人によるが、数十~百ゲームくらいジャッジを経験、多くの先輩公認審判から批判を浴び、上級種別のゲームを体験する。その後やっと県審判委員長にジャッジを見てもらえる。それも1回でOKとはなかなかならない。何度も吹きなおし、やっとB公認を取得できた。20代の頃はブン爺も審判に燃えていたな。チーム作りしながらね。こういう性格なんで、審判委員長と何回もけんかした。「あれは間違いなくセーフです」なんて具合に。当時日本リーグを席巻せっけんしていたシャンソン監督のN氏とも、よくジャッジについて語ったものである。

2016年、審判新ライセンス制度が生まれた。JBAおよび都道府県バスケットボール協会の審判登録管理・推進を整備しようということだろう。以前は、B公認持ってても、「えっ、本当にあの人B ???」と疑問符の付くケースが少なくなかったんだ。その裏事情を話すと長くなるので割愛かつあいする(省く)が、実力の乖離かいりした(離れた)日本公認が多くなったんだね。だから、全国共通のライセンス制度のもとで審判の育成・普及をしようという考え方は正当だろう。昇格基準が明確になったようだ。しかし、審判資格取るのに幾らか金はかかる。

さていよいよ、現行の審判制度に触れるランクの高い方から、S・A・B・C・D・Eの6段階に分かれてる。次は、どのような区分けなのかを記す。ただ、持ち級以上の実力者もいれば逆があることも否めない。

S級審判(昔のAAに該当、実力により国際ゲームを吹くこともある)
トップリーグ及びJBAが主催・管轄する大会を担当できる。
               【適用大会レベル】Bリーグ、WJBL公式戦
A級審判
JBAが主催・管轄する大会及びブロック協会が主催する試合を担当できる。特に優れているとJBAが認めた審判は、トップリーグの試合を担当できる。
               【適用大会レベル】全国大会
B級審判(昔の日本公認に該当)
ブロック協会が主催する大会及び都道府県協会が主催する試合を担当できる。「特に優れている」とJBAが認めればトップリーグの試合を、ブロック協会が認めればブロック協会主催の試合を担当できる。
               【適用大会レベル】ブロック大会、都道府県大会
C級審判
都道府県協会が主催する試合を担当できる。
               【適用大会レベル】都道府県大会
D級審判
地区、連盟が主催する試合を担当できる。「特に優れている」と都道府県協会が認めた審判は、都道府県協会が主催する試合を担当できる。
               【適用大会レベル】地区・連盟大会、都道府県大会
E級審判
地区、連盟が主催する試合を担当できる。
               【適用大会レベル】地区、連盟大会

新ライセンス審判制度の発足により、審判員の数は増え、人手が足りないという現象は回避できてきたようだ。ちなみに、ブン爺1日5試合吹いたことあるぞ。大会が重なり人手不足、市民総体レベルのゲームなんでファウルなどの荒いこと、大人で15分ハーフ(流し?)だったけど、もう死にそうにくたびれた。丸1日休憩ほとんどなしさ。審判も楽じゃないねえ。いろんなことがあるだろうけど、審判諸氏、是非健闘をジャッジによってゲームが潰れ、長期にわたる練習努力が台無しになることもあるので……。選手達に最高のステージを用意してやりたいは、皆の願いだろう。

ブンコーチ
ブンコーチ

最後に素晴らしい審判を紹介しよう。T県のW氏、遠征招待試合を吹いてもらった

2022年登録チーム数は、静岡県だけでミニが男女とも100以上、中学年代がその倍ほど。競技人口なら、ミニだけで男女それぞれ2000人超え、中学はやはりその倍ほどだ。高校は、概ね男女とも100チーム程度、競技人口は男子約2500、女子1600人。これに対し、S級(AA)審判は150人、A級審判は313人、日本全体でである。単純に47都道府県で割れば、A級は1県6~7人程度となる(B級は100人弱、C級は170人ほど、D・Eが圧倒的。実際には各県偏りがあるだろうしね。だから、中学生のゲームをA級が吹くことはとても稀なんだ。ミニバスならなおのこと。T県への遠征での話だ。うちのチームの試合を、県の審判副委員長が吹くと聞き「もしかするとA級??」2009年だから14年も前。詳しくは不明だが、AAもAも、現在の3分の1程度しかいなかったんじゃないかねえ。そんな希有けうなゲームを終えた時、審判のW氏が私の所にやってきた。「笛、どうでしたか?」ジャッジ自体をつぶさに観察してたわけじゃない。でも、ゲームに何の違和感もなかった。だから私は、「空気のような笛でしたね」と一言。彼は少し笑みを浮かべ、ぺこりと頭を下げ立ち去っていった。ゲーム終了直後のがたついた中だったので、ワッペンも確認せずの迂闊うかつな私。なんと彼、AA級だったんだ。それがわかったのは、その晩開かれた懇親会の席上。私の生涯で、最も優れた笛だったといって過言じゃない。いささか驚き、ちょっぴりばつの悪さを感じたのを覚えている。

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