バスケ・デイリー配信  「最大ポテンシャル発揮とケガ」「大都市志向は終わる?」 

21世紀、これからどう働く?   R3.5. LINE新着配信

2月、「東京の人口減少」というニュースを見ました。7ヶ月ほど連続で減少しているそうです。何十年もの間、人口が東京へ一極集中する問題点の解消がいわれてきました。地域の人口流出による体力の低下は、地方にとって大問題です。以前より生活圏としての大都市を見直す人達はいました。しかし、最近は企業圏としての大都市の意義を見直す動きが出てきているのです。ITの発展、コロナ契機のリモート化進展、どこに居ても世界と繋がることができます。スマホの普及が、こうした傾向に拍車をかけたかなと私は考えます。いろんな事由から、東京に事務所や工場を置かねばならない理由が弱まりつつあるようです。この現象が、東京にとってプラスなのかどうかはよく知りませんが……。

面と向かわずとも、企業取引や業務相談、製品作りの管理などができる、明瞭に変化が出てきている事は否定できないでしょう。私個人的には、ICT進化の波に人が飲み込まれてしまうことに、寂しさやいくらかの危惧きぐはあります。でも、現実を見ない振りはできないですよね。

そうすると、多くの人材が地元に根付く、そして新たな企業が地方に生まれる可能性が高くなるかもしれません。まさに地方再生です。こういうタイミングで、地方自治体のあり方を考えるべきかも。そして、私達には「大都市志向」を脱却し、地元郷里の発展に軸足を置くことが求められるんじゃないでしょうか? なお、職種としていろんなバリエーションがありますが、今後ますます、IT関連企業は伸びていくでしょう。仕事選びの一つの参考にしてください。これからの時代の中心となる生徒諸君は、広い視野で社会を見据える目を養ってほしいですね。

母M<br>
母M

最近練習生にもケガが目立つわ。気をつけてもなくすことはできないけど、「知っていると助かる知識」の話なのよね、今日は。コロナで大会が中断してるけど、中体連も含め大会の多い時期だし、最高の力を発揮するためにも、しっかり学びましょう。 関連記事が非常に多いので、「ジャンル別 目次」を参照して、読み込んでくださいね。

練習生原稿18「ウォームアップ・最大能力・疲労・ケガ」   Sugi Academy R1.9.24

23日の練習会で話したことを、もう少し丁寧ていねいに取り上げてみたい。ただし、私は整形外科医でも解剖学の専門家でもない。説明内容にいくらか不正確な部分があるかもしれない。そこはお許し願いたい。 *実際とはやや異なるが、わかりやすくするための表現を使う場面もあろう。

長さ10cmのゴムを思い描いてほしい。これを引っ張る。15cm20cm、まだ伸びそうだ。力を抜けば、元の長さに戻る。強いゴムなら30cm位伸びるかもしれないが、いつかは切れる。人の筋肉もゴムとよく似ている。力を入れたり抜いたりすると、伸びたり縮んだりするのだ。ただ、筋肉はゴムのように単純ではない。気温や体温の高低により、自動的に伸び縮みする(緩んだり堅くなったりする)。体温が高いときは、熱を外に出そうとして「筋肉が緩む」。体温が低くなりやすい場合(寒いとき)には、熱を逃がさないように「筋肉が固くなる」というシステムである。

運動を始めるとき(バスケの練習・試合など)どっちの状態が良いのだろう? ゲンコツを作ってぐっと握ってみると、瞬間、力が入る。その時に筋肉はちぢんでいる。指を開いてパーにすれば、一瞬で力が抜け、筋肉は緩んだ状態に戻る。大きな力を出すためには「筋肉が柔らかい状態」になってることが重要だ。だからこそ、試合や本格的な練習の前には、少しずつ体を動かして「暖める(ウォームアップ)」ことが必要。一気ではない、少しずつ運動を強くしていく。これ、とても大切。アップが不十分でいきなり強い運動を始めると、筋肉に大きな負担をかけ、えらく疲れるし、疲れも長引きやすい。もちろん、自分が出せる最大筋力をmaxまで出すことは困難となるし、ひどい場合には、筋肉が運動刺激に耐えきれずに切れるケガにつながることもある。 *軽いときは「足のつり」など、重いと肉離れ(筋断裂)。バスケでは、足に起こることが多く、ひどいケースでは「アキレス腱がブチッと切れる」等また、身体能力の高い選手は、得てして無理をする。それが原因で大けがするのはありがちな話だ。
そういう問題点の解消のために、ストレッチやジョッギングで筋肉をほぐし、体温を高めるのだ。アップをしっかりやっても、「疲れない」なんてことはないし、「ケガを完全になくす」ことも無理。しかし、最大筋力の発揮、疲労・ケガを減らすのは確実である。

今は筋肉のことだけ話したが、実は「心肺機能しんぱいきのう」にも同じようなことがいえる。ご存知のように、心臓・肺は、酸素を取り入れ、血液によってそれを体中に運ぶという働きがある。その後、体中のあらゆる部分で、運ばれてきた酸素を使って栄養を分解し、「エネルギーを作り出す」という、超重要な仕事をしている。このエネルギーこそが、試合中の体力維持いじの大きな要素になる。つまり、酸素をうまく(効率よく)取り込み、スムーズに運ぶ作業がなされねばならない。言葉を換えると、心臓や肺もしっかりウォームアップしておかないとダメ、という意味だ。試合の前には、「ハアハアするくらいまで息を上げる」。そうすることで、心肺機能のアップができる。ゲーム開始5分くらい前に、ショートダッシュを数本やり、呼吸を落ち着けた状態でトスアップを迎える。これだけで、ゲーム開始後のひどい苦しさを軽減けいげんできるし、緊張しすぎから解放されることにもなる。小中生はむろん、大人だって、こんなことは多くの方が知らない。ウォームアップがいい加減になりやすい原因だ。 大会間近の調整法②③ https://saschool-blog.com/?p=2031

スクール練習でも、筋肉や心肺機能のウォームアップはやらねばならない。本来なら、ストレッチからジョッギング・ランニングへと入り、軽めのフットワークをこなした上で、本格的練習にするのが理想である。しかし、週1回3時間の練習では、より効率的な時間の使用が求められる。そこで、メニューの流れを調節しカバーしている。承知願いたい。本当は、練習終わりや試合後にもストレッチをやるべきだ。筋肉の緊張をほぐし疲労回復を促す。練習生は、帰宅時の車中で軽くほぐしておくといい。

練習で長い距離を走ることがある。それは、「心肺機能を強くする」トレーニングなので、小中学生は特にしっかり覚えておくように。「走るトレーニング」を嫌がらない バスケは走るのが商売。走らないのは「じーさんバスケ」。

これくらいで、原稿の趣旨しゅしは伝わったかと思うが、せっかくの機会なので、ケガや障害との関わりを理解するため、もう少し詳しい内容を加筆しておこう。筋肉と関節の仕組みや動き方の原理をできるだけやさしく説明するので、毛嫌いしないで読んでほしい。

通称「オスグッド」と呼ばれる膝の痛みを題材とし、膝関節や筋肉について話そう。成長期(10~15歳くらい)の運動選手に見られる運動障害だ。特に男子に多いが、女子でもときどきある。結構役立つ知識になるかな。過去何人かオスグッドの生徒を持ったことがある。下図は、膝関節と足の骨についてだ。(この図は右足を切り開いて内側から見たもの)

脛骨粗面が炎症を起こす

関節とは、ある骨と別の骨が接触する部分。膝でいえば、ももにある太い骨大腿骨だいたいこつという)がスネと呼ばれる骨脛骨けいこつという)の上に乗っている。このあたり一帯を膝関節というが、骨がただ乗ってるだけなら、ちょっとつつけば、バコンと外れ、骸骨がいこつのダンス。だから、すべての骨と骨は、やや太めのひものようなものでつながっている。このひものようなものが、「靱帯じんたい」。何度か聞いたことがあるだろう。(この図には載っていない)靱帯は非常に硬い組織なので、わずかしか伸びない。激しく運動しても、骨がずれないように押さえている。簡単には壊れないが、あまりにも強い力が加わると、我慢がまんしきれずに「伸びたり切れたりする」ことがある。これを「靱帯損傷」といい、直るまで時間がかかる。骨折とは違うが、程度によっては骨折より厄介やっかいだ。関節には靱帯以外にも、関節包という袋のようなものがあり、全体を囲んで保護している。言葉足らずだが、今回、関節の説明はここまでにする。

次は筋肉についてだ。筋肉も種類や数が多くさまざまなので、今日は、図にある「膝部分の筋肉」に限定して説明する。

図中の赤茶色っぽいところが筋肉である。骨の上側(体の表面に近い側)をおおうようについている。上図の左側部分の筋肉は、太ももの前面にあるでっかい筋肉(大腿四頭筋だいたいしとうきん)であり、右側部分の筋肉は、ふくらはぎ(下腿三頭筋かたいさんとうきん)である。筋肉は骨の上側をおおっていると書いたが、骨から離れて浮いてるわけじゃない。1つの筋肉の両端は、それぞれが骨とくっついている。筋肉には、始まる部分と終わる部分があり、上図の大腿四頭筋の始まりは、股関節やその近く。終わりは、図中の脛骨粗面けいこつそめんである。(ついでにいうと、始まり部分が4つに分かれてるので頭が4つ、四頭筋と呼ばれる)

曲げている膝を伸ばす時を思い起こしてほしい。その時には、大腿四頭筋が縮む(長さが短くなる)。すると、大腿四頭筋と繋がってる脛骨が引っ張られる。だから、曲がっていた膝関節が伸びるのだ。逆に、下腿三頭筋(の中の腓腹筋ひふくきん)は図の黄色部分のように大腿骨から始まってるので、縮むときに膝を曲げる働きがある(足首を伸ばすのにも関係)。 筋肉の両端は、骨にくっついてると述べたが、この部分を「けん」という。長いものが多く、筋肉先端部分は白色で堅いため、骨と勘違いされやすい。図中の大腿四頭筋は、ももの方からやって来て膝の皿膝蓋骨しつがいこつという)に付き、そこを越えると膝蓋しつがいけんとなって脛骨粗面で終わる。

さて、ここからが運動障害「オスグッド」の解説。脛骨粗面は骨の元となる小さなとげのようなものが出ていて、ざらざらしている。しかもこの辺を中心に骨が成長するので、普通の骨より柔らかだ。この成長軟骨なんこつ(柔らかな骨)が徐々に伸びて硬い骨へと変わっていく。 10~15歳の成長期には、成長軟骨の伸びが特に早い。でも、筋肉や腱の伸びるスピードは遅い。すると、伸びる骨に筋肉や腱が引っ張られ、脛骨粗面に力がかかる。スポーツでいえば、ジャンプやダッシュ、キックなどを繰り返すほど、負担がかかるのである。この部分は軟骨なので、引っ張られるとはがれやすくなる。こうして、はがれた軟骨が出っ張ると、膝の下部分が盛り上がってくる。これが「オスグッドの典型的てんけいてきな症状」だ。そこまで、悪化しなくても、鍛えて太くなった筋肉や腱が脛骨粗面と摩擦を起こしやすくなり、炎症に繋がることもあるだろう。そして痛みが出る。

だから、骨の成長が止まれば(成長期が終われば)、よほど無茶をしない限り、痛みは自然となくなりオスグッドは完治する。急性のケガではないので運動はできるが、数ヶ月くらい痛みが続くこともあり、うまく加減しながら、運動するしかない。原理を説明したので、今度は対処法を述べる。決定的方法はないが、効果の出る対処法が4つある。

大腿四頭筋のストレッチ  十分伸ばすことで、粗面にかかる力を少なくできる。かなり重要だ。具体的やり方まで書かないが、ストレッチは◎
オスグッド用の膝サポーターの装着  バンドタイプなら1000円ほど、高めで3000円位?。
脛骨粗面付近のアイシング  炎症による発熱を抑える。コールドスプレーを1本用意し、運動中30分に1回くらい粗面にかける。ただし、上の筋肉の方までかけすぎるのは、逆効果になりやすいかな。
低周波治療や針治療による炎症の低減
    「冬場は冷えて筋が堅くなるので、オスグッドに限らず、ケガ全般に要注意」

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