価値の乱立する時代 R4.9.28新着配信
鉛筆メーカー最大手の三菱鉛筆によると、1994年にはHB、B、2Bの順に多かった出荷量が、2014年には2B、B、HBと入れ替わったそうです。全国的傾向なのだと。この原因は何でしょう?
学校現場、特に低学年は筆圧が弱いため、2Bなど濃くて柔らかい鉛筆の方が書きやすく、きれいな字になるというのです。私の子供時代、父母に「尖った鉛筆でしっかり書きなさい」と何回も注意されました。筆圧に注意を払い丁寧に書かないと、尖った芯は折れやすい。必然的に文字に対する認識は高くなります。こうして誰からも割と褒めてもらえる字が誕生したんです。今でこそパソコンで文字うちばかりしてますが、文字を書く文化で育ったんですね。2Bなんていう鉛筆はおよそ使った記憶がない。美術で絵を描く時の下書きくらいでしょうか?柔らかなので、すぐ、芯が丸くなっちゃうんですよ。それがどうでしょう?現在では、前述のような理由で多くの子らに利用されてるのです。その名残で、高学年になってもそのまま使う児童が多いようです。
メディアリテラシーという言葉を、スクールメンバーに伝えたことがあります。メディアのいうことを鵜呑みにしちゃダメですよ、何が正しく何がいい加減なのか、判断する姿勢や目を持ちましょうと。今の社会は、情報があふれかえり、多様性を認めることを良しとし、生活の便利に満ちています。それは、「これさえやれば大丈夫」という太い幹のような物が、見つかりにくいという意味でもあるんですね。ここを訪問してくれてる皆さんの多くは、「バスケという大樹」のてっぺん目指して登っています。もしかしてとても幸せなことなのかもしれません。
練習生特別稿「スライドステップの奥義に触れる」 Sugi Academy R4.9.28
この説明、どうしようかずっと迷っていた。かなり専門的で、リトルには無論わからない。保護者は大人ゆえ、理解してもらえるかもしれないが、感覚として伝わりにくそう。だが、スクールでスライドステップの練習をずっと積み重ねてきたので、ジュニア&ハイには何とか理解できるかなと思い、解説を決断した。
スライドとクロスの違い、利点・欠点については他稿で解説済みだが、未だに「きちんと技能化できた」とはいえない。今日は、そのスライドステップを改めて考察する機会。そんな風に考えてほしい。まず、2020.12.8 配信「最優先動き作りドリル」 https://saschool-blog.com/?p=459 に書かれたスライドステップの注意事項を見よう。これだけでも十分詳しいし、7つやり切るだけで大変だ。その中に、パワーポジションの重要性がうるさく言われてる。それはわかってもらえるだろう。そしてもう一つが次の項目。
4,1歩目の出だしと逆足での蹴りを強く意識する。
今日の話の核になる部分。まあ、パッと見る限り特に理解しづらい文ではない。だが、この文こそが「奥義」に関わるんだ。実を言うと、パワーポジションを崩さず正確に行えば、その「奥義」は自然に解決する。だから、これまでの練習では、ひたすら低い姿勢とパワポジ、蹴りの強さを強調してきた。生徒は、私がスライドステップを何回も実演するのを見てる。それゆえ、何となく形のイメージは残っているだろう。その部分に関し、今から文章化してみよう。
仮に、DEFが左へスライドする場面だとする。左足が先行するので、これを「リードフット」といい、後から付いてくる右足を「トレイルフット」と呼ぶんだ。上述した7つの注意にも書かれてるように、リードフットから動かし始める。右足を先に動かしても身体全体は、1cmも進まないからねえ。紛れもない真実なのだが、ここに落とし穴が存在する。左足(リードフット)から踏みだし左横方向に進むわけだよね。つまり、左足を横に広げる動作。問題はそのタイミングだ。多分、皆さん「??」だろう。
いきなり左横方向に大きく踏み出すんじゃないんだ。そのようにやると、上半身も一緒に左に流れ、右足が伸びて右にウエイトが乗らない。結果、右足(トレイルフット)による蹴りの力を十分生かせなくなる。けっこう難しい、理解してもらえるかなあ?もちろん、リードフットで引っぱりトレイルフットで強く蹴るのだが、スライドの出だし1歩目では、いきなり横移動じゃない。スライドという言葉のイメージから、滑らせる動作を描きやすいが、リードフット(この例では左足)を上方向にほんの少し持ち上げ、その動作に遅れることなく、トレイルフット(この例では右足)で床を強く蹴る。それが重要なんだ。その持ち上げる動作と蹴りには、ほとんど時間差がない。また、少し持ち上げる動作と横移動の動作には流れるようなスムーズさが必要。十分に練習しスライドの速い選手でも、このレベルまで詰めると×ということかなり多い。困難ながら、このようにすれば、パワーポジションも崩れず、強い蹴りと安定した姿勢が得られる。スライドステップには、まだ補足したいこともあるが、本日最も伝えたかったことは書けたかなあ。
それでもわかりにくいと思い、後日、出だしの場面の動きを画像にしてみたぞ。上の説明文と比べながら見てほしい。*トレイルフットの向きについては、あまりよくないので、ブンコーチの解説を参考に。
キックスライドと呼ばれ、最近の主流らしいが……、ブン爺は何十年もこのタイプを教えている。リトルには難しいので、パワーポジションの維持を力点に置こう。
スライドステップって、本当に奥が深いですね。コーチが、「しっかり身につけるまで最低1年は覚悟しな」と言ってたのが、わかる気がするわ。
そうだね頑張ってほしい。トレイルフットで床を蹴ってから、リードフットを動かすやり方もあるけど、私は勧めていない。特に、リトルにはイメージが掴みにくいだろう。トレイルフットを先に移動する癖が付きかねないんだ。でも、正しく行えばどちらのやり方も、ほぼ似通った動きとなるだろうねえ。
本文中最終行に「スライドステップにはまだ補足したいこともある」と書かれてる。その内容を、ブンコーチがR5.7.24、下記のように追加解説してくれたよ。これもかなり重要な内容なのでしっかり学んでほしいな。
リンク先の「最優先動き作りドリル」に書かれた「スライドステップの7ポイント」を見てほしい。2と7番だ。 リードフットは開いていて、トレイルフットはスクエア(進行方向に直角)。そしてスイングステップの後、つま先の開きとスクエアが逆になる。仮に右斜め後ろへ進む時には、「右足つま先が開き、左足つま先はスクエア」だ。その後スイングし、左斜め後ろへと進行方向を変えれば、「左足つま先が開き、右足つま先はスクエア」となる。これは皆理解できるよな。これだけなら何の問題もないのだが……。上の例で話すと、右から左にスイングした瞬間、そこに厄介な問題が発生するんだ。「何だかわかるかい?」右足つま先はどうなってるはずなんだっけ。そうスクエアだよね。でもこの直前までつま先を開いてたので、向きを変えても開きっぱなしのままスクエアにならない。そんな人達が思いのほか多くいるんだ。つまり足の形が逆ハの字になっちゃう。これ、とてもまずい。拇指丘に力を集中しきれず、スライドのスピードをMAXまで発揮できない。ごく自然にできてる人もいるけどねえ。動画にとって確認してみる方がいいだろう。 Spot解説 トレイルフット https://saschool-blog.com/?p=5810
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