最新NEWS ケガの多発、どう乗り切る?

ケガ対策の具体と対応     R6.2.8 LINE新着配信

ブンコーチ
ブンコーチ

これまで多くの関連記事を書いてきた。それらは非常に役立つゆえ、是非読んでほしい。なぜって、ケガは上達にとって大きなマイナス練習機会を奪い日常的痛みや後遺症にも繋がる。今日は、具体的な事例を通し、改めて対処法を考察してみたい。余り経験のない人も、決して人事と思ってはならない

スクール保護者Kの顔が青ざめた。娘の捻挫ねんざだ。ある程度キャリアの長い子ながら、足首の柔軟に恵まれ過去捻挫は皆無、初の経験だった。激痛で足をつくことすら出来ない。両脇を支えられやっとの思いで乗車した。患部はぷっくりれ上がり、様々な不安感情が母を襲った。初めて間近に見る娘のつらい姿、それに週末土曜の大会まで6日しかない。上位を狙うチームでもあり、主力の一人として欠場は皆に迷惑を掛ける。いろんな思いが一気に沸騰したことだろう、想像は容易だ。ブン爺のように、自身含め数多くのケガ体験してる人じゃない。パニックになるのが自然なんだ。

爺さんの若かりし頃(といっても43.44)、中学生の練習相手をしたときの話だ。センターにプレイを覚えさせたかったので、チビの爺さんがポストアップし、キャッチハンドを構えてフィードを受ける際のこと。DEFがパスを狙いに来た。ここでファウル、よくあること。大抵たいていは手のひらとボールをほぼ同時にたたく。でもこの時は、私の左手首へDEFの手が直接入った。結構しっかり張ってたんだが、その強さに耐えられず、手首もろとも手のひらが押し下げられた。運の悪いことにそれとドンピシャのタイミングでボールが到着、一番長い中指先端を弾き飛ばしたんだ。「痛ってぇ~」見事、中指は逆くの字になってた。完全脱臼だっきゅうである。むろん自分で修復したが、流石さすがに整形外科へ行かざる得ない。骨折確認のレントゲン撮らにゃあならん。こんなケースもある。生徒を責めるわけにはいかない、熱心に頑張った結果なので。だが、ケガした事実は消えないし、それに伴う治療手間や不便、費用も悲しい。ケガしたらいいことなんて一つもないんだ。だからブン爺は声を大にして叫ぶ。「みんなケガすんなよ~」

母Kは、大会出場を明らかに無理と思った。だってとんでもない腫れと痛みだったから。でも、帰り際、私が治療を勧めるとすぐ電話を書き留め、帰宅後予約を入れた。S.A.では御用達ごようたしになりつつある名人鍼灸師しんきゅうしのところへだ。翌朝9:30の予約、登校日である。だが、それが良かった。受傷から日を空けず治療、もうそれだけで外側の大きな腫れと痛みはほぼ引いた。残るは内側の損傷(通常の捻挫で内側を痛めるのはかなり珍しい)それすらも水曜の治療でOK、木金と練習参加し、土曜の試合も2試合フル出場に近かった。誰もが無理と思った出場、親子ともほぼ絶望しながら諦めなかった、その英断が結果となったのだ(骨折さえなければ大丈夫だろうと、私は思ってたが)こんな奇跡的な話、体験してみねばピンとこないだろうなあ。下手をすればギプス固定されかねない状態だったんだから。

改めて皆さんに伝えておきたい。ケガしにくい身体づくりとコンディショニングだ。レベルアップに伴い動きがハードになるほど、ケガは起きやすい。筋力をつけて大きな衝撃に耐えられる、柔軟性を高めて可動域を広げる、これらは是非にも取り組まねばならない身体づくり。そして常日頃のウォーミングアップ・クーリングダウンの習慣。徐々に大きな力を出していくこと、最大筋力発揮できるアップの意識、疲労をめないよう筋肉をやわらげるダウンの意識。ストレッチをしっかり取り入れるだけでも、かなり成果はある(スクール生は、会場への行き帰りに車中でもやれる。そして、入浴法や入浴前の足湯など、少しでもコンディショニングに心がけること。それが非常に大事だ。栄養摂取や睡眠法なども、広くは関係する。これら全てをどんなに気をつけても、ケガを0にするのは無理だ。しかし、半分以下にすることはそう難しくはない。前述のような例を参考に、今一度「ケガ対策」を考えてもらいたい。なお、ブログの別記事では、いろんな視点からケガの種類・予防を記載してある。未読の方は早めに読むことを勧める。

ブンコーチ
ブンコーチ

身体強度やケガ防止・回復について、図表にまとめてみた。「スポーツ健康体」という語、私が使ったものだが、イメージが湧きやすいのでちょっと気に入っている。これがとても重要。疲れの蓄積やちょっとした痛みなど、過保護はダメだけど無関心も問題だ。おねえさんの説明をじっくり読んでほしい。

ブンスポーツ科学研究所 主任
ブンスポーツ科学研究所 主任

幼年期は体力の未発達時代、少年期にぐっと伸びます。そして青年期には、著しい伸びを示す。中年期に入ると、仕事の疲れや運動不足から体力低下や健康不安を招く人が激増しますね。上図でいえば5つ目、この時には数値は0に近づいてます。それがさらに進み、年齢をも重ねると何もしてないのに、あちこちに故障や不調が表れ、これはこれで「人生百年時代をどう生きる」という問題ではある……。でも、この原稿でのポイントは、青少年期の話題。ケガが起きると、それが普通程度のものだとしても、一気に図中のマイナス位置へ追い込まれてしまうんです。

ケガすると治療に通う。よほどの名医じゃない限り(あるいはかなり軽度)、1.2回で完治するのは難しいですよね。でも、普通に動けて痛みもさほど気にならないと、「もう大丈夫、治った」と思い込んでしまう。治療費用や通院の手間だってバカにならないから、やむを得ない部分はあるのだけど、それって、図表でいう1~2程度の状況なんです。まあ、0以上になれば、何でもない日常生活には耐えられるだろうし、そのまま放置しても、やがては自然治癒するとは思います。しかし、みんなはスポーツ少年少女。バスケというハードなスポーツの練習を毎日繰り返してます。だから、せめて「3の普通の健康体」くらいまで回復させないと、痛みが抜けきらない状態が継続し、再発の危険がとても高い。ここを無視すれば、捻挫程度でも癖になってしまい、その後長い間苦しめられる場合があります。より重度のケガなら、なおさらそう言えますね。ただ、みんなは若いので、身体各部の部品が新しい。だからちょっとの調節で(治療で)回復しやすい。中古部品の大人と違う点だわね。要は、「大げさに怖れることはないよ、でも、簡単に考えすぎないでね」ということ。上手な身体づくり・コンディショニングが、強く望まれます

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