マイナスだらけ?の日本 R5.12.27 LINE新着配信 生徒には少し難しいが、全体がわかればOK
ジャニーズ事務所・宝塚の問題、それらを後押しするメディアの責任、物価の高騰、30年も上がらない賃金、社会保険制度の崩壊危機、ブラック労働の実態、教育現場の疲弊と離職問題、人喰い熊の出現、狂うほど暑くいつまでも終わらぬ夏……とろくでもない話題ばかりが目についた年だったかなと。そして政治、岸田政権の内閣支持率22.5%と過去最低を更新しました(12月11日に発表された産経・FNN合同世論調査)。安倍派の政治資金パーティを巡る一連の問題ですね。あちこちから飛び込んでくるニュースで、些か食傷気味かもしれませんが、ブン爺なりの解釈を添え、今年を振り返ってみようかと思います。コロナ禍からの日常回復・大谷選手のMLBホームラン王など、いいニュースもありました。しかし、気になることがとても多い。ちょっと固い内容含みますが、古い時代を回顧し、今の時代に反映して、未来を願う。そんな文章になればいいなあと考えながら書きました。
時はブン爺の子供時代まで遡ります。戦争の傷跡は癒え、日本が元気になり出す時代に生まれたんですね、爺さんは。よく聞く高度経済成長期(1955~73年の約20年)です。生徒諸君は歴史の勉強にもなりますよ。
舗装されてないボコボコの道路、たまにしか見かけない自動車、街の電気屋さんでしか見れなかったTV、まだまだ貧しい時代だったんですが、物価も安かった。あめ玉1個1円とかね。日本国民総力で働き、毎年のように年率10%程の経済成長を遂げていきました。重化学工業分野での技術革新・民間設備投資の活発化・国内市場の拡大などが要因となり、ぐんぐん力をつけたのです。私の子供時代には、1ドルが360円というとんでもない円安でした。つまり日本の国力がなかったんです。でも、政府の方針もあり、「10年で1人当たり国民所得を2倍」などという現実が達成されました。こういう時代を通し、「日本人は勤勉な国民」というようなイメージが、世界的に広がったんでしょうね。しかし、1973年の第1次石油危機(オイルショック)、世界経済は大打撃、日本も異常な物価の高騰(狂乱物価)に苦しみ、高度経済成長は終わりを告げました。翌年は経済成長率がマイナスに下がったんですが、再び回復、1979年以降、日本経済は第2次石油危機や円高による不況を乗り切り、安定成長時代を迎えることになったのです。
円高・円安という為替レートには、皆さん大して興味ないかもしれません。でも、少しアンテナ立てておきましょう。現在の物価高の要因は、「異常な円安」だと爺さんは思ってますよ。円安と言っても、爺さんの子供時代より随分高いですが、2010年頃には1ドル80円というとんでもない円高でしたからねえ。その後、円安が進んだんです。食品から工業原材料まで殆どを輸入に頼ってるのが日本です。円安なら外国の物が高くなるのは当たり前、当然国内販売で値段は上がるのです。2022.1には1ドル115円前後でしたが、今年1月は130円前後、11月には一時150円を超えてるんです。どう考えても、これが物価高に強い影響を与えてるとしか思えませんがねえ、なぜ放置してるんでしょう?いえ、簡単な話じゃないのはわかってますけど、本質的問題を解決せねば、国民の苦しみは減らないと思いますよ。そもそも為替レートって、高すぎても安すぎても害があるんです。わけのわからん減税対策以外にやることあるでしょっと、言いたくなります。
円安・円高をわかりやすく解説
仮に、1ドル=100円とします。1,000円持ってたら、1ドルの米国製チョコレート10個買えますよね。1ドル=200円の価値だったらどうなりますか?1,000円で5個しか買えないでしょ。ちっとしか買えないってことは、円の価値が低いわけです。これを円安といいます。逆に、1ドル=50円なら、同じチョコを20個買える。円の価値が高いのでたんと買える、これを円高と呼ぶんです。つまり、外国の物を買うには円高が有利、日本の製品を外国へ売るには円安が有利となるんですね。
先ほど米国から輸入した1ドル100円のチョコを、日本の店で売るとします。1個につき60円儲けたいとすれば、店では160円で売ることになりますよね。でも、円安の時、1ドル200円で輸入したらどうでしょう?60円儲けるには、260円で売らねばならないでしょ。同じ物なのに、円安だと100円も高くなるんです。
爺さんの青年期は、景気が安定し恵まれた時代だったといえます。30代にはバブル期を迎え、世の中浮かれ気分の人が大勢出ましたねえ。20代の若者がボーナス100万円とか聞くと、「え~っ」。だって爺さんは教員だったから、景気が良くなってもそんなに給料変わらなかった。でも、世間全体は好景気のピークにあったんです。ゴルフを例にしましょうか。R5現在なら、1ラウンド(18ホールプレイ)料金が、およそ10,000円前後でしょう。「高ぇ~」という声もありますが、昔やってた爺さんからすると別に驚く額ではないですね。だって、バブル期には1ラウンド35,000円払ったことありますから(教員には厳しい額だったけど)。それでも予約がなかなか取れなかったんですよ、いかに景気が良かったかわかります。物価が高くても給料がついてきた。でもねえ、いいことばかりじゃないんです。こうした世情では、汚い金の問題が出やすい。リクルート事件というのがありました。
どんな事件なんですか?
竹下政権時代の1988年(昭和63)6月、朝日新聞が報じた事件。リクルート・コスモス社が、川崎駅西口の再開発に関連し、川崎市の助役にリクルート・コスモス株を譲渡したんだ。賄賂を送ったんだね。リクルート社は1986年に上場を果たしてたから、株は高額となっていて、とんでもない利益を手にすることができたのさ。
そして困ったことに、リクルート事件は、ほどなく政界へと火が燃え移った。中曽根、竹下、宮澤、安倍、渡辺……派閥の超大物達にも、リクルート・コスモス株が譲渡されていたことが発覚したのです。そこから国会は、リクルート事件への追及一色。その後も、法務大臣がリクルートから献金を受けていたことが発覚、経済企画庁長官もリクルートに政治資金パーティ券の購入を依頼していたことが明るみに出たんです。「首相」「蔵相」「法務」「経済企画庁」ですよ、こんな人達がやる政治に、一体何を期待するんでしょう?
昭和というのは、日本が上昇し海外へと目の向いていた時代。後期は、奇跡の高度経済成長を成し遂げ、「経済大国の時代」を迎え、東京は経済的にアジアの首都となったのです。特に1980年代後半の日本は、バブル景気に沸き、自動車・電気製品・半導体など、多くの分野で日本製品が世界を席巻しました。金融面でも邦銀(日本の銀行)は世界中の富を吸収し株価は右肩上がり。だが……
1989年1月7日に昭和天皇が崩御、元号が平成に変わりました。この辺りから経済大国に陰りが出始めたんです。中曽根政権を引き継ぎ1987年(昭和62)11月に発足した竹下政権。実績は、全国の市町村に1億円を配布した「ふるさと創生」事業と、3%の消費税導入。日本の株価は1989年を頂点に下降していきました。いわゆる「バブル崩壊」の時代。悲惨なときだった。財産を失い多くの困窮者が出たのです。景気の波は必ずや繰り返しますが、これ以降はご存じの保護者も多いのでしょう。平成は経済的にも、下降と内向きのデフレ時代(物が売れず、生産低下や失業者増加が起きる)、大手銀行は3大メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ)に統合され、若者たちは「超氷河期」と呼ばれる就職困難期に直面しました。「政治とカネ」の問題も含め、自民党政権にうんざりした国民は、民主党政権を選択。だが、これも一向にまとまらないまま、東日本大震災・福島原発問題とともに、崩れ落ちてしまったのです。3年3ヵ月に及んだ民主党から政権交代を果たした安倍首相。「3本の矢」なるアベノミクスを唱えて株価を上昇させ、日本憲政史上最長となる2822日もの長期政権を維持しました。それだけでも、安倍政権への信頼度が測れそうですが、彼の政策は外交重視、外向き志向が強かったといえるでしょう。海外の首相達にも彼を評価する声が高かったと聞いたことがあります。まあ、真実は知りませんが……。一方で、彼の金融政策が元で、現在の円安が引き起こされてるともいえます。
また、東京オリンピックを巡る大掛かりな談合事件、そして今回の安部派裏金問題、政治は何回もミスを繰り返し、変わる様子が見られません。少子高齢化問題も大ごと。総務省の最新の発表によれば、今年9月15日時点の高齢者人口は3623万人。全人口の実に29.1%にあたり、約3割が高齢者などという国は、日本以外に世界のどこにもないといいます。著名人の中には、自分の発言影響力も考えず、何かにつけやたら多くの他人を罵倒し、得意満面になってる愚か者がいます。確かに現社会には問題が多く、妥当性・物事の良否を理解できない人達は少なくない。文句や恨み言が、つい出てしまうのもわかるのですが……。この手の人達に拍手する気にはなりません。切っ先鋭い矛で突きあう、そんな攻撃的姿勢からは、平和で優しい社会など生まれない。爺さんの描くものとはかけ離れてるんです。
悲観的な話ばかりが先行する、そんな国に成り下がってきちゃったんですね、日本は。学校教育の低下も時々耳にします。学力低下による産業分野の製品開発や新発明・研究部門の弱体化など、事実がどの程度なのか明瞭に知らないが、問題視されてるのは確かです。しかしですね、相変わらず日本を訪れる外国人は多いでしょ。彼らの殆どが「日本は最高」といいます。その理由はまず、安全なこと。爺さんからみても、昔より治安が随分悪くなったと感じますが、世界レベルでみれば日本は超安全な国と聞きます。世界には殺人事件がニュースにすらならない、銃やドラッグがまん延し問題視すらされない国もあります。戦渦で家を失い逃げまどう日々を送る人が何千万人もいます。毎月のように銃による大量殺人が発生し、街がゴミであふれて異臭を放つ大都市やスラム化した地区は世界中にあるのです。街がきれい、人が親切、時間に正確、と我々日本人にとって当たり前のことを、海外の人は「すごい」と評価してくれます。経済面でも、日本は物価が安く安定し物やサービスの質が高い、というのが外国人の感想ですよね。初訪日のドイツ人カップル、男性は餃子の虜になり、滞在中に100個食べるのだと。「寿司の値段にもびっくり。本場のほうが高いと思ってたんだけど、ドイツで食べるほうがよほど高い」とも。女性は「やはり寿司がすごい。ドイツでも食べられるけど、日本は米も魚もフレッシュさが段違いね。しかも、売店で買ったような、とても安い寿司でさえもおいしかったわ」と、全体レベルの高さやコスパに感心したんです。
日本の食文化・自然・歴史的遺産・マナーの良い国民性などに驚く場面を紹介した、YouTube動画が溢れてます。そのとおりなのでしょう。一度見てはどうですか?1動画20~30分くらいです。「外国人 寿司」などと検索すればすぐ見つかります。
卑劣・凶悪な犯罪が増加した、不親切・無関心な人が増えた、物価が上昇し生活が苦しい、粗悪な製品が目立つ。日本人の多くがそんな風に感じてる。でも、世界基準で見れば、そこまで悲観する事態ではないのかもしれません。マイナス材料が目立つ中、ポジティブ思考することは決して易しくないでしょう。でも、未来に残すべき豊かな文化・遺産・慣習がたくさんある。問題山積の中、これからの日本、どう進むべきか考え実行していくのは若い皆さんの仕事です。年寄り頼みでは何も解決しません。そして彼らにやる気と実行力・判断力をつけてあげるのが大人の仕事でしょう。バスケスクールやブログの運営が、わずかなりとも影響を持てればいいなあと、願わずにいられません。
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