デイリー配信  公立中部活、地域クラブへ移行!?🏀

公立中学部活動その後   R5.11.15 LINE新着配信

昨年10月、「どうなる、公立中学 部活動」という記事を掲載し、それから1年です。

岐阜県下呂市教育委員会の実践が載っていました。かいつまんで説明します。公立中学校の「地域移行」を進めるため、休日に行う市内6中学全ての部活動を、来年度から「地域クラブ」に移管します。指導員や予算の確保にめどが立ったそうです。同市には、各校で行う「単独部活動」と、複数校で行う「合同部活動」が運動部と文化系を合わせて29団体あり、現在、休日は教員と社会人指導者が協力して運営しています。来年度からは、市教委が、希望した教員や地域住民を「地域クラブ指導員」に任命し、休日の部活動を引き継ぎ、名称も「地域クラブ活動」に改めます。また、遠征費の補助や練習参加に際してのスクールバスの運行など、生徒への支援は継続して行い、今後は、各種目ごとに運営方法を決めます。

改革の方針として、文科省は次のように言ってます。「体制づくりにあたり、教師の負担軽減のため、学校の教育活動に理解があり、部活動指導に意欲を有する地域人材の協力を得る。将来にわたって持続性があり、希望する生徒が活動できる、生徒にとって望ましい体制とする」
また、スポーツ庁及び文化庁は、「部活動の教育的意義や役割は、地域クラブ活動においても継承・発展させる。さらに、地域での多様な体験・豊かな交流等を通じ、新しい価値が創出されるよう、学校教育関係者等と連携を図りつつ、発達段階やニーズに応じた多様な活動のできる環境を整える」と。そして、休日部活動の地域移行の達成時期について、国としては一律に定めず、令和5年度から令和7年度までの3年間を改革推進期間と位置付けています。

静岡県においても、「部活動は、スポーツや文化・科学等に親しみ、学習意欲の向上や責任感・連帯感を養うなど、学校教育が目指す資質・能力の育成につながる。また、教科学習や学級で見られない生徒の一面を部活動で見ることができる等、生徒理解を深める場としても重要」と述べてます。

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市町村によって進度は違うけど、「複数校による合同部活動」が始まってますよね。例えば3つの中学で、1つの部活になる。15部活あったとしたら、各校5部活ずつに分けて練習する、そんな感じかしら? 人数減で存続困難な部活を維持できるのは、生徒にとっても嬉しいことだわ。ふと思ったのは、強い弱いの問題。「少数=弱体」のイメージが強かったんだけど、ミニバスの強豪チームがそれぞれの中学に進学し、合体したなら……。思わぬ強豪チームが、公立中学に誕生するかもしれないわ。来年度・再来年度くらいに、大きな変革がある可能性、要注意ですよね。

文科省~静岡県まで、長ったらしい文章を、趣旨が変わらぬようごく短く編集しました。こんなの読むのは、教育評論家や学校管理職、一部の爺さんくらいですか?中身は似たような感じです。そして、そこでは「部活動」を「学校教育活動の一部」と捉えてます。爺さんの現役時代には「部活は教育課程外」といわれ、待遇改善は一向に進まなかったんです。休日出勤で練習見ても弁当代ほどの手当、ある大企業の社員に聞いたら「休日出勤は○万円」といわれびっくり仰天しました。まあ、私個人は部活そのものへの愛着でやってたことなので、どうってことなかったんですが、不満を感じてた人は相当多かったのかなあと……。現在のように改革が避けられない時を迎えれば、正しい趣旨を世間に理解してもらわねばなりません。当然、論調は上述したようになりますよね。昔を知る人間としては、「教育理念と行政対応の遅延」そのズレに割り切れなさを感じます。

しかし、部活動改革の趣旨や意向に反対してるわけじゃあありません。多くの生徒達が、極度の不利不公平を受けず、気持ちよく地域クラブ活動に参加できる。それを強く願っています。会場・施設・設備、いずれも現実的大問題です。インフラ整備なくして本格的活動は成り立ちませんから。でも、設備が不十分でも練習できないわけじゃない。敢えて言わせてもらえれば、最も大きな問題は「指導者」かなと専門スキルの高低は大事ながら、人としての生徒への接し方。ここが全ての始まりでしょう。指導の方向性は難しい。生徒の思惑が必ずしも同じではないし、指導者の欲も出るのです。最初は健全に始まっても、1~2年経てば、休日なしで練習の長時間化なんて問題がおこるかもですよね。むろん体罰なんかもです。今の部活動や少年団活動だって問題点は山ほどあるのに、未達の改革を憂えても意味ないかもしれませんけど……。

ブンコーチ
ブンコーチ

少しずつ実態の見えてきた改革だが、気にかかることはあります。指導者がきちんと集まるのかだけじゃない。ないがしろにされがちな活動量の問題にも触れてみたいですね。そもそもブン爺は、練習のやり過ぎを昔から嫌ってます。だからこそ……。 R6.8.12追記

令和4年12月27日に、文科省・スポーツ庁などから、各県知事・市長・教育委員会など宛てに出された通知があります。「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」の策定に関する内容です。長くてだるいので、要所を切り抜いて話します。始めにだらだら前書きがあり、「第1 改革の趣旨等について」その次に「第2 ガイドラインに関する留意事項について」となってます。そこには次のように書かれてます。各地域における取組を進めるに当たっては、ガイドライン本文の記載事項のほか、以下の点に留意いただきたい、と。その第1番目にあるのが、「練習と休日」の記述です。原文のまま載せます。

① ガイドラインⅡ2(5)の適切な休養日等の設定については、生徒の心身の成長等に配慮し、学校部活動における基準を基本的に準用しているが、平日の学校部活動と休日の地域クラブ活動の組み合わせの工夫など、多様な態様があり得ることから、休養日や活動時間の基準を原則とし、休養日等の設定の趣旨を逸脱しない範囲で、柔軟な対応が行われることを想定していること。

黄線部分の内容は、平成30年3月スポーツ庁から通達が出ています。それも併記しておきましょう。「休養日や活動時間の基準」についてですね。

○ 学期中は、週当たり2日以上の休養日を設ける。(平日は少なくとも1日、土曜日及び日曜日(以下「週末」という。)少なくとも1日以上を休養日とする。週末に大会参加等で活動した場合は、休養日を他の日に振り替える。)
○ 長期休業中の休養日の設定は、学期中に準じた扱いを行う。また、生徒が十分な休養を取ることができるとともに、運動部活動以外にも多様な活動を行うことができるよう、ある程度長期の休養期間(オフシーズン)を設ける。
○ 1日の活動時間は、長くとも平日では2時間程度、学校の休業日(学期中の週末を含む)は3時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。

普段からブン爺が嘆いてることについて明記されてるんですね。十把一絡じっぱひとからげげにはいかないことを理解してます。例外的な日とてあるでしょう。でもねえ、やはりこの辺りの内容に関しては、声を大にしたいと常に思います。小中くらい、土日いずれか休みを原則にしましょうよ(無理なときは原則に見合う活動量にする)。そうなれば、家族で出かける時間だってたまに作れるじゃないですか。そういう一時って大切にしたいもの……。

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