バランス感覚、シンガポール R3.9.12 LINE新着配信
シンガポールは小さな共和国ながら多くの大企業が集中し、教育、娯楽、金融、ヘルスケア、人的資本、イノベーション、物流、製造・技術、観光、貿易・輸送の世界的な中心となっています。首都はシンガポール。以前の記憶では確か、綺麗な街を維持するための取り組みとして、「ゴミを街に捨てると罰金1000ドル」がありました。現状はどうなんでしょう?混雑・法規制のイメージが強いですが、そうでもありません。ショッピング街の一角にはピアノが1台、市民や観光客が自由に演奏しています。知らない曲の方が多かったですが、中には聞き覚えのある「ショパンの幻想即興曲」なども。これを弾いたのは、米国人の若者、5年間練習したと言ってました。次々と演奏者が来ます。シティライフを楽しんでるんですねえ。
マリーナ湾は、シンガポールの中心街に面する美しい港です。よく知られる「マーライオン像」もあります。今日紹介したいのは、「ガーデンズ バイ ザ ベイ」次の写真を見てください。多くの解説は不要ですね。無料施設で、市民や世界中から訪れる観光客の憩いの場となっているそうです。見事な造形美です。庭園都市と言われる所以でしょう。土地面積や人口比率等もあり簡単ではないでしょうが、こうした美しい街は、世界にたくさん見られ、発展とゆとりのバランスが実に上手く取れています。「行ってみた~い」。
練習生原稿22改訂「クリーンザゲームに思うこと」 Sugi Academy R1.10.27初版
表題の「クリーンザゲーム」という語を耳にしたことがあるだろう。今日は、この語の意味すること・そのいわれなどについて語ってみよう。「クリーン」とは、「きれいな」という意味。会場の清掃が行き届いてるということではない。ゲーム自体がきれい、つまり、フェアプレイの精神に則って情熱あふれるゲームをしよう、それを支えるコーチや審判達、観客もモラルを高めよう、というものだ。勝利にこだわるあまり、プレイや選手を口汚くののしったり、暴力に訴えたり、姑息な(間に合わせの)手段で試合運びしたりすることはダメだ、すぐやめるべしと言っている。
この問題大変根が深い。私自身の「スポーツ観、バスケット観」にも関わり、聞く人によっては眉をひそめ、批判されかねない。でも、私は、人に何をどう言われようがあまり気にしない。自分の信念を貫くだけ、これまでもそう生きてきた。最近(初版執筆時)、各地のバスケ協会に「インティグリティ委員会」なるものが出来上がっている。舌を噛みそうだが、「integrityとは、高潔・誠実・完全」を意味する英語。何となくおわかりだろう。バスケ界を清浄化しようという趣旨だ。直接的なきっかけは、2012.12に起きた「桜宮高校バスケ事件」。良くご存じない方のため、要旨を下枠内に載せておく。
同校では運動部活動を奨励し、高い成果を目標に掲げていた。それもあり、顧問の殴打と罵声による指導は、父兄や卒業生などから高く評価され、指導上の加害行為も事実上是認されていたという。同部は全国出場常連チームへと成長、保護者らは熱心に応援を続けた。
こんな無茶苦茶が、全国各地でまかり通っている。現在では減少傾向だが、指導者のみならず、世間でも全てが否定されてはいない。スポーツ指導で暴力を振るうなぞ、指導力不足の露呈以外何物でもない。他稿でも繰り返すように、「厳しいトレーニングとは何か?」を、全指導者・全父兄・全選手に本気で考えてもらいたい。無計画・暴圧的な練習が多すぎる。何十年も同じことを言い続けている。本音言えば、「むなしい努力」かもしれないが、何もしないより良かろう。そして、皆さんのような仲間を増やして来られた。確かな一歩と信じたい。バリバリ体育会系の道を歩んできた方には、若干の戸惑いもあるだろうが……。
次の話題に移ろう。あるゲームのハーフタイムに、スクール生2人が私の元に来た。「もっと良いプレイをしたい」という思いから、具体的アドバイスを求めてきたのだ。そこで審判の一人が「テクニカルファウルとるよ」と私に一言。テクニカルファウルとは、身体接触以外のファウルのこと。相手選手への嫌がらせ、無礼な態度、ジャッジへの必要以上のクレームなどマナー的内容だ。その対象は、登録してる選手・コーチ(ベンチにいる人間)。観客ではない。確かに「クリーンザゲーム」の推進では、観客が守りたいマナーも取り上げられてる。ゲーム進行中ヤジを飛ばさない、ベンチを無視するようなアドバイスはダメ。だが、そんなことは当たり前のモラルだし、観客を罰する審判もいない。仮に、先ほどの言葉が生徒2人に向けて発せられたのなら、もっと大きな問題。試合進行中にベンチを離れることは、原則許されないが、ハーフタイムなのだ。これがダメというなら、トイレにも行けないし、スポーツ飲料の補給、汗まみれの顔を洗ったりもできない。トップチームなど、ハーフにはすかさずベンチを空け、控え室でミーティングする。中高でも強豪は、人目に付きにくい所へ移動するなどが珍しくない。先ほどの例を「テクニカルファウル」などと言うのは、選手の主体性や意思を否定することになる。「上達をのぞむ意欲を妨げる暴言」、モラハラ(モラルハラスメント)ともいえそうだ。選手には、フェアプレイの精神を含み、人間力の伸長(例えば、自己実現力)までJBAは望んでいる。そういうことも含め皆さん気を付けよう、と言ってるのだと私は解釈している。ルール改定の際にはこうした問題が起きやすい。それはきっと、ルールや推進したいマナーの拡大解釈に端を発しているのだろう。正しい理解が必要だ。
コメント