練習生原稿臨時号「スクエアとトリガー スタンスの比較」 Sugi Academy R8.5.22

スタッガードスタンス(実際にはトリガーステップ)の優位性とその活用を、ずっと訴えてきた。*トリガーステップの考え方には、コーチによる差もあるようなので、「S.A.流考え方」についてはトリガー記事を参照してほしい。https://saschool-blog.com/?p=9254
今回は「優位性の論拠」を明確にし、世間一般の捉え方との「違い」について述べたい。トリガーを語る前に、まずはスクエアスタンスにおける「オープンステップとクロスステップの差異」について話さねばならない。特にスピード差に関してだ。それが本質的違いの理解に不可欠なんだ。今、図のような距離で1:1をしてるとしよう。

もう一つ問題点がある。右足オープンの場合はほぼ斜め前方向へ踏み出せるが、左足クロスだとかなり右方向へ踏み出すため、身体全体が少し右へ捻れるんだ。この「動作ロス」が時間にして何秒なのかは、電子機器による測定を要するが、「余分な30cm」と合わせ、0.2~0.3秒ほどの無駄は否定できない。ドリブル1回目のボールを落とす位置にも差が出て(図中のボール位置よりかなり右下)、これまた、加速に影響するだろうね。
これで全て解決かというと、実は他にもある。それは「2歩目のスタートタイミング」への悪影響だ。ドリブルの突き出しでの「足の動き」はジャンプするわけにはいかない。必ず右→左か左→右かどっちかだ。例えば右オープンでスタートしたら●へ右がついた瞬間、左が床を蹴るんだ。もし、逆に左クロスが先なら、左が●へ到着した瞬間に右が床を蹴る。ごく当たり前の話をしてるんだが、「この2つのケース」どっちが速いのか??「そんなの同じでしょ」じゃあない。右→左の方が速いんだよねえ。だって右の方が距離短いんでしょ、ならば到着が早い。それはつまり、2歩目の左足を早いタイミングで蹴り出せるってことなんだ。これも0.1~0.2秒差の世界だけど、積み重なると結構大きな差となるものだ。
クロスステップの良さもあるが、こと「スピード」に関しては、断然オープンの勝利である。YouTubeの世界でも「クロスの方が速い」なんて、当然のごとく話す人を見たことがある。彼らは一体何を根拠にしてるんだろう?爺さんにはわからん、論拠を持ちたいよねえ。

「クロスステップ」はトラベリングしにくいって、聞いたことがあるわ。コーチどうなんですか?

オープンステップは速いし、ボールの突き出しも前方に落としやすい。加速には有利だ。でも、ボールを移動する距離が延びれば、リリースが遅れがち。その間に、後ろにある軸足が床から離れて「トラベリング」を吹かれることは多いなあ。

クロスステップは、足の移動時間が長いし、ボールのリリースにゆとりがあるわけか、なるほどね。オープンでは、リリースのタイミングに気を配らなくっちゃ。

その通りだね。でも1:1勝負のスピードを重視するS.A.では、スタッガーからのオープンステップが圧倒的なんだ。そこで重要な意味を持つのが「スタンプ」という独自のスキル。この後の説明をしっかり勉強してほしい。
ここから「トリガーステップの優位」に話を移す。スクエアに比べ、S.A.トリガー(スタッガー)は、既に1歩分足が前に出ている。その段階でもうリードである。さらには「S.A..独自のスタンプ」これまた出色なんだ。トリガーで体重が前ぎみにかかっている(前傾姿勢)。右オープンなら、右足が主に身体を支えてるよね。スタンプのために「一瞬足を浮かす」すると支えを失った身体は前方向に自然と動き出す。これ、みんなで試してみるといい。何も意識せずとも身体が独りでに前へ動き、加速しやすい状態になる。そして、次の瞬間には、スタンプした右足が床を捉え、前方向の反発力を得る。さらには、あっという間の出来事とほぼ同時に、後ろにある左足が床を蹴っている。スタンプによって、2歩目の踏み出しまでスピード化できるのだ。だが、スタンプはもも上げみたく大きくやってはならない、動作が遅くなるからである。ちょびっと浮かせて10cm程度踏み込めば良い。また、スタンプの効果は加速だけにとどまらない。足の降ろしと同時にドリブルをスタートさせるんだ。「ドン」という踏み込みとほぼ同時にボールをリリースするのである。右足が床に下りてなければ左足が浮くことはない、つまり「突き出しのトラベリング」という、厄介な問題の解決にもなるのだ。
さて、皆さん、この僅かな動作が持つ意義を理解できただろうか?


コメント