庭園都市シンガポール、身近な花々と連載後、イングリッシュガーデンなのね。イギリス人の庭好きの起源までわかり、歴史好きな人にも面白そうね。楽しんで読みましょう。
魅力的、イングリッシュガーデン R3.9. LINE新着配信
ガーデニングが盛んな英国で多くみられる自然美をたたえた庭のこと。イタリアやフランス式の幾何学様式とは異なる自然のままの植物や花を楽しめる庭。手入れをしていながら自然風に見せる所に特徴があります。庭園造りのポイントの一つは、パッと一目見て全体がわからないこと。いえ、そんな言い方が適切かわからないんですが、例えば、両側に植物を配し、曲がりくねった小径を作れば、「この先はどうなってるんだろう?」と興味を持ちます。そういうワクワク感が大事だといいます。広い面積のものが多いようですが、狭いところをうまく作り上げた優秀な庭もあります。
18世紀~19世紀に始まったイギリス式庭園(風景式庭園)の流れを汲んだものです。イギリスには王立植物園(世界最大、4万種)があるほど、植物への意識が高いですね。当時のヨーロッパ上流階層では、珍しい植物の収集がステータスとなっていたようで、英国中心にプラントハンター(植物ハンター)を競って世界へ送り、幾つもの種を持ち帰らせたといいます。アフリカ・ヒマラヤ・オーストラリアなど広大な範囲です。それができたのは、大英帝国と呼ばれ「日の沈むことがない」というほど、世界中に植民地があったからでしょうね。私の記憶では、帝国の最大面積は確か世界の4分の1程だったと思います。南米にも進出、キナの木からマラリアの特効薬キニーネを作って当時の大問題を解決したり、天然ゴムを入手し国力の高揚にも資することができました。19C後半にはさすがに新種発見は減りましたが、品種改良という新たな手段で、次々美しい品種を生み出したのです。日本のツツジも使われたようですよ。また、ユリは非常に人気が高く、こぞって収集されたそうです。
一つ疑問を持たれた方いませんか?熱帯植物が、寒いヨーロッパで育つのかと……。実はこれ、温室栽培だったのです。産業革命により、高品質の鉄やガラス、建築技術などがもたらされたため可能になったともいえます。革命は進歩だけでなく、労働問題や公害も生みました。でも、だからこそ、自然保護意識が強まり、ガーデニング王国が誕生したのかもしれません。世の出来事とは、互いに深く関わってるんですね。実に面白いものです。そして、長い歴史の上で、ガーデニングを生涯の趣味とし生活を捧げる人、それらの観賞を何よりも楽しみにしてる人、そんな人達がたくさんいます。う~ん、豊かです。
写真は蓼科にある「バラクライングリッシュガーデン」 初訪問から20年。左の一枚は私の傑作、右2枚はWebページから(許可済み)。清里 萌木の村(3.12.1ブログ配信)には、無料のガーデンがあります。
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